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競合のいない地域密着型サイト「ジモティー」を運営する【株式会社ジモティー】のビジネスモデル調査と人事課題推測

最終更新日:2024/4/5

当noteでは、各企業のビジネスモデルを分析しています。
また、取締役会のスキルマトリクスを分析し、コーポレートガバナンスコードに沿った経営の実践度を確認しています。
セレクションアンドバリエーションでは、さらなる事業価値増大に向け、特に中堅規模の上場企業におけるスキルマトリクスのあるべき姿を提言し、現経営層のさらなる活躍、そして次世代経営層育成に向けたボードサクセッションの仕組みの導入を支援しています。


資金調達額の推移

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⇒累計約26億円を調達

企業概要

設立日 :2011年2月16日
資本金 :3億866万円
本社拠点:本社〒141-0031 東京都品川区西五反田一丁目30番2号 ウィン五反田ビル4階

事業概要

クラシファイドサイト*「ジモティー」の企画・開発・運営を行っている。
ジモティーでは「売ります・あげます」をはじめ、「中古車」「里親募集」「アルバイト」「転職・求人情報」「不動産」「メンバー募集」「教室」「助け合い」「イベント」「サービス」などの生活に役立つ情報に対して、個人・法人問わず、無料で投稿・閲覧・問い合わせを行うことができる。(公式サイトより)

※クラシファイドサイト
個人が情報を発信し、地域内でより多くの人と結びつくサイト

ビジネスモデルの図解

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事業における強み

▼「ジモティー」に対して明確な競合が存在しない。
▼商品販売時に手数料がかからないため、フリマアプリと差別化できている。

想定用途・市場規模

【想定用途】
リユース市場、クラシファイド市場

【市場規模の推定】
リユース市場:1兆7,743億円(2018年)
ーCtoCの市場:5,093億円
※リサイクル通信「中古市場データブック2018」参照

【市場全体のトレンド】
当市場は年々拡大傾向にある。
拡大要因としては、フリマアプリに代表されるネット販売の拡大が挙げられる。

【ベンチマークとなる企業】
・株式会社メルカリ
・楽天株式会社
・ヤフー株式会社

マネタイズに関して

【事業全体の収益性】
売上高 :13.76億円
純利益 :2.54億円
純利益率:18.5% (2020年時点)

①アドネットワーク広告、②マーケティング支援機能、③マーケティング成果報酬によって収益を得ている。
①アドネットワーク広告では、広告クリック、広告表示回数に応じて収益を得ている。
②マーケティング支援機能では、投稿オプション機能販売時に収益を得ている。オプション機能には、リスト上部に投稿を表示する機能や、毎日自動で記事を再投稿する機能などがある。
③マーケティング成果報酬では提携サイトに対する成果発生件数に応じて収益を得ている。

【固定費】
広告宣伝費、人件費、管理費(サービス保守・運用)

【変動費】
特になし

経営層

代表取締役社長:加藤 貴博

1978年10月2日生
2001年 早稲田大学政治経済学部卒業
2001年 株式会社リクルート入社
フロム・エーナビのプロデューサー、カーセンサーネットの編集長、新規事業責任者を経験
2011年 株式会社ジモティー設立 代表取締役社長 
2019年 同社 代表取締役
2019年 同社 代表取締役社長(現任)

取締役 ビジネス開発グループマネージャー:片山 翔

1985年12月14日生
    慶應義塾大学卒業
2008年 株式会社リクルート入社
2012年 株式会社リクルートマーケティングパートナーズ 転籍
2016年 株式会社ジモティー 入社
2017年 同社 代表取締役
2019年 同社 代表取締役社長
2019年 同社 代表取締役
2021年 同社取締役 ビジネス開発グループ担当(現任)

取締役 コーポレートグループマネージャー:岩崎 優一

1971年10月25日生
    東京理科大学卒業
1996年 株式会社橋本会計 入社
1998年  スマイル音楽出版株式会社 入社
2001年 株式会社インボイス 入社
2002年 株式会社ゴンゾ・ディジメ―ション・ホールディング(現株式会社ゴンゾ)入社
2007年 株式会社セントリックス 入社
2009年 株式会社リブセンス 入社
2009年 同社 取締役
2012年 同社 総務人事部長
2014年 同社 管理部長
2015年 株式会社ジモティー 入社
2018年 同社取締役 コーポレートグループ担当(現任)

取締役 UXグループマネージャー:日向野 朋実

1985年3月1日生
    一橋大学社会学部卒業
2007年 名古屋テレビ放送株式会社 入社
2011年 株式会社ジモティー 入社
2020年 同社 UXグループ担当(現任)
2021年 同社 取締役(現任)

社外取締役:伊藤 邦宏

1972年7月20日生
    明治学院大学社会学部卒業
1997年 エヌ・ティ・ティ移動通信網株式会社(現株式会社NTTドコモ)入社
2017年 同社 プラットフォームビジネス推進部担当部長
2019年 同社 マーケティングメディア部長 兼 マーケティングプラットフォーム推進部担当部長(現任)
2019年 株式会社ジモティー 社外取締役(現任)
2019年 株式会社D2C 社外取締役(現任)
2020年 株式会社ドコモ・インサイトマーケティング 社外取締役(現任)
2020年 株式会社LIVE BOARD 社外取締役(現任)
2020年 エヌ・ティ・ティレゾナント株式会社 社外取締役(現任)

社外取締役:吉田 大志

1975年1月10日生
    成蹊大学大学院法務研究科修了
2013年 弁護士登録
2013年 松尾千代田法律事務所 入所
2019年 本多・森田・吉田法律会計事務所パートナー(現任)
2020年 株式会社ジモティー 社外取締役(現任)

常勤社外取締役(監査等委員):平井 新也

1971年8月8日生
1994年 株式会社リクルート(現株式会社リクルートジョブズ) 入社
2017年 株式会社東京企画所設立 代表取締役(現任)
2017年 株式会社ジモティー 常勤監査役(現任)

スキルマトリクス

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【ガバナンスについての考察】
創業者を除いた取締役による株式保有も見られず、取締役の独立性は高いといえる。
一方で全員が国内メインの経歴であり、また性別の偏りもみられることから、取締役の多様性は高くはないと考えられる。
経営陣にリクルート出身者が多いように見受けられるが、同社のDNAにリクルートDNAがあるとするならば、ファウンダーとの関係性はなくとも独立性という観点ではある種の好材料または懸念点といえるのかもしれない。

※スキルマトリクス図とは取締役の素養・経験及び取締役会におけるバランスを一覧表にまとめたものである。各社で開示されているガバナンス内容を元に僭越ながら推測させていただいた。要求水準・選定定義に関しては企業により差が生じるため、ここではCGCで求められている水準・選定定義を基に設定した。

経営理念

経営理念
「地域の今を可視化して、人と人の未来をつなぐ」

今、この瞬間に地域の中で困っている人が情報を発信できる。
今、この瞬間に地域の中で助けられる人に情報を届ける。
ジモティーの使命は生活の中で生まれる問題を地域の人同士で補い合える仕組みをつくること。
地域に存在する情報を隅々までいきわたらせること。

人事制度

【基本情報】
・全従業員:46名 〈外平均臨時雇用者数33人〉(2020年12月末日時点)
・役員人数:9名
・勤務時間:9:30~18:30
       時間外労働有(月平均10時間程度) 休憩時間60分
土日祝日・年間有給休暇(初年10日)・年末年始・GW・夏季・慶弔

【採用】
・新卒採用:記載なし
・中途採用:有
・媒体  :自社HP、doda、Indeed、greenなど
・採用職種:テックリード、リードフロントエンジニア、エンジニアマネージャー、ビジネス開発責任者、ビジネス開発、プロダクトマネージャー、人事責任者、採用責任者、法務責任者、カスタマーサポート(アルバイト)、コールスタッフ(アルバイト)

【求める人物像】
会社のビジョン及びカルチャーへの共感がある方
経営者目線でオーナシップを持って担当領域を推進できる方
サービスを使う人の気持ちを第一に考えることができる方
一緒に働くメンバーやビジネスで関わるパートナーを大切にできる方
積極的な当事者意識を持っている方
自らとサービスの成長を同時に実現できる方
目標を明確に決めて取り組める方

【等級・配置】
記載なし

【評価】
記載なし

【報酬】
記載なし

【教育】
記載なし

【その他、福利厚生など】
社会保険
通勤手当(全額支給)

インターン生による考察

地域密着型のクラシファイドサイトという競合のいないビジネスを行っており、さらに月間PV数が約8億もあるため安定した収益が見込まれる。
また、現在は中途での即戦力採用を重視していることから、急速な成長を目指していると考えられる。

※この記事は弊社長期インターン生が分析、編集しました。
※スキルマトリックスの基準が違えばご連絡ください。
調査担当:YUN

さいごに

スタートアップ・ベンチャー企業に必要な人材マネジメントについてはこちら

弊社代表平康によるCGCとスキルマトリクスに関する記事はこちらから

【免責事項】
本調査は弊社長期インターン生により作成されています。また、本調査は、現在弊社が入手し得る資料及び情報に基づいて作成したものですが、弊社は、その資料及び情報に関する信憑性、正確さを独自に確認しておりません。本資料において一定の仮定を用いた試算を行っている場合、その試算結果は仮定に基づいた概算であるため、別途詳細な検討が必要です。