現代だからこそ起こりうる!?2つのハラスメント
今回は➀多様化に伴うハラスメント、➁リモートハラスメントについて取り上げていきたいと思います。日本国内の人口動態の変化や働き方の変化により、多様化が進み、新しいハラスメントが起こってきています。上記であげたものがどのようなものかを具体例を挙げながら詳しく見ていきたいと思います。
多様性とは?
まず多様性とは何かについて考えてみましょう。多様性とは、複数人の間の個人的な属性の分類のことを指します。属性とは、表面的な違いから目に見えないレベルの違いまで幅広いものを含みます。表面的なものを第1次元、深層的なものを第2次元と分けることができます。
・第1次元→性別、国籍、人種、年齢といった外見の特徴から認識できる表層的なもの
・第2次元→宗教、言語、趣味、価値観といった外見の特徴からは判断しにくい深層的なもの
出典:「ダイバーシティ・マネジメント大全」を基に作成
現在日本では人口動態の変化や働き方の変化により、第1次元、第2次元、両方で多様化が進んでいます。
多様性が重要視される訳
日本では以下2つの理由により企業が多様性を享受することが不可欠になってきています。
日本国内の人口動態の変化
生産年齢人口の減少により、シニア人材のや外国人労働者等が増加しています。また、性的マイノリティや障害者雇用の増加もあり、一つの職場に多様な人材が働いている職場が増えていています。
企業における働き方の変化
日本国内の人口推移による➀多様な社会進出、➁技術革新や➂コロナショックにより企業における働き方が変化しています。
例えば、フレックスタイム制の導入や在宅勤務の導入が挙げられます。また、ワークライフバランスといった新たな価値観を重視する人も増えてきてます。
多様性を促進するビジネスメリット
あらゆるバックグラウンドを持つ人を組織に取り込み、彼らの能力や個性を活かすことで、事業の促進と企業の強化を行うことができます。
マーケティング:多様な顧客に対して、多様な人材での対応が可能
情報と意思決定の質:多様な人材を取り入れることで、様々な情報や視点を基に、意思決定の向上が可能
イノベーション:異質性のある環境においてイノベーション創造が可能
満足度向上:企業満足度、従業員満足度、顧客満足度、株主満足度の連鎖的な向上が実現可能
ローモデルへの影響:企業にて活躍しているローモデルが存在することで、周りの人が観察学習を通して活躍が可能
多様性を蔑ろにするハラスメントの具体例
現代社会の多様化や多様性のメリットについてお話しました。しかし、多様化に伴い、新たに起きるハラスメントについても考えていかなければなりません。6つの具体例が挙げられます。
多様性を理解するポイント
上記で挙げたハラスメントを防止するためには組織メンバー全員が多様性を理解することが大切です。そのためには、相手の立場を理解しようと心がけることが大切です。
① 自分の経験をすべて正しいと思わない
② 自分の当たり前や価値観を押し付けない
③ 話すとき否定から入らない
④ 社員同士を比較しない
以上の4つを意識しながら社員同士のコミュニケーションを心がけるようにしましょう!
リモートハラスメント
リモートハラスメントとは?
リモートワーク中に行われるパワーハラスメントやセクシャルハラスメントといったハラスメント行為全般を指します。コロナショックによるリモートワークの普及により、事例件数も多くなっています。
リモートハラスメント具体例
リモートで起こるパワーハラスメント、セクシャルハラスメント、マタニティハラスメントを事例別に紹介します。
リモートハラスメントが起こる原因
リモートハラスメントが起こる原因として①対面機会の減少、②プライベートと仕事の境界の曖昧さ、③自分一人の環境が挙げられます。これらがどのようにリモートハラスメントに至るのか図を確認していきましょう。
リモートハラスメントを防ぐためには
リモートハラスメントを防ぐためには以下5つのことを意識しましょう。
① リモート導入の目的の理解
→リモートワークを実施することが目的ではなく、在宅でも高い生産性を出すことが目的です。生産性と働きやすさを両立することを目指しましょう。
② マネジメント改革
→作業をさせるだけではなく、業務の目的を伝え、成果を出すことを求めましょう。
③ 他者配慮
→在宅と出社は違う環境になることを理解し、育児・家事など業務以外の出来事に時間を取られることを理解しましょう。
④ テキストコミュニケーション
→直接対話ができないので、メッセージの言葉遣いに適度なカジュアルさを取り入れましょう。文面で伝えられないことはビデオ通話で伝えましょう
⑤ セルフマネジメント
リモートワークでは自由度が高まり、働く姿勢が緩んでしまうこともあるので、組織で働いていることを意識づけ、働く時間や姿勢についてのルールを決めておきましょう。
第2回では現代の多様性に伴うハラスメント、リモートハラスメントについて説明しました。どちらに対してもしっかりと対策を立て、組織全体で取り組むことが大切です。
第3回ではハラスメントの防止方法についてより詳しくお話していきます。