見出し画像

世代間格差に希望はあるか

Z世代。ネットでぐぐれば、「長期的な不況が続く中成長したZ世代は保守的で安定志向。キャリアに安定的な考えを持つ」とか「同じ会社に長く勤めて出世を目指す意識が低い」とかなんだかんだいろいろ言われていますね。

氷河期世代。「働けることへの感謝が強く、仕事に対してストイックに取り組む人が多い傾向」とか言われています。ほんとに?

どの世代も人間いろいろなのだから、いっしょくたに議論することは全くできないのでは?と思うのですが、そんなことで本日のテーマは「世代間格差」です。

ここまで「世代間格差」が浮き彫りになった日本は歴史上いままであるだろうか。
現役世代からみれば、破綻することがみえみえの年金を享受し、医療に福祉にいたれりつくせりなシニア世代がうらやましい。
シニア世代からすれば、我々が苦心して作り上げたJapan as No.1の残り香によって、「楽して好景気」の時代を生きているようにみえることだろう。

シニア世代は高度経済成長期において日本の繁栄を支えた存在です。
彼らの世代は戦後の混乱から立ち上がり、必死に働き、インフラの整備や企業の成長に貢献しました。その努力の結果、日本は経済大国へと成長し、多くの人々が経済成長の恩恵を受けたことは事実です。

GDPの推移

労働環境は今ほど整っておらず、長時間労働や低賃金、劣悪な労働条件の中で働くことが普通でした。
また、情報の流通も限られており、インターネットが存在しない時代においては、現在のように情報を瞬時に得ることは不可能でした。
そうした状況下で、日本の成長を支えたシニア世代の貢献はまあ評価されてもいいのかなとは一瞬思います。

ただ、それは現役時代の実質的手取りもまあまあ多かったからなしえたのでは?とも思ってしまいますよね。当時の社会保険料(とその割合)をみると、よっぽど裕福やんけ!と思わざるを得ません。大変だったのはわかるけれど・・・

医療や介護にかかる費用が現役世代に大きな負担を強いていることは今更議論の余地がないはずでして、高齢化社会が進行する中で、医療費や介護費用の増大は避けられない問題となっています。

この状況はひいてみれば国民個々人の責任であり、世代間対立を煽るのではなく、諸政策の改善を訴えていけばいいのでしょうが、そんなことをする希望も余裕もない。これが日本の現役世代の実態ではないだろうか。

特に、社会保障制度のあり方に問題があります。シニア世代への過剰な保障が行われる一方で、その財源を現役世代が負担し続ける構造は、持続可能ではありません。政府のバラマキ政策は、将来的な財政破綻を招く可能性があり、世代間の不平等をさらに悪化させる要因となっています。

このような状況下で、社会全体がそのしわ寄せを受けていることは明らかであり、早急な改革が求められているはずなのですが、「票田」たるシニア世代の支援を薄くするわけにはいかない。

選挙においては年齢を問わず誰が投票しても1票。
地方と都心の一票の格差が議論されることはありますが、年齢層ごとの格差についてはほとんど触れられていません。
これにより、若い世代の声が政治に反映されにくくなり、政策の優先順位がシニア世代に偏りがちになるという問題が生じています。若者の投票率が低いことも一因ではありますが、現行の選挙制度がシニア世代に有利に働く仕組みとなっていることも否めません。ってか多勢に無勢だし。

結果として、若者たちの声が軽視され、彼らが直面する問題が後回しにされる傾向が続いています。このままでは、将来的に世代間の対立が深まり、社会全体の安定が損なわれる恐れがあるはず。

さらに、現役世代からシニア世代への「仕送り」としての社会保障費用は、本来であれば「未来の国民」に投資されるべきものではなかっただろうか。

少子高齢化が進む中で、社会保障制度が現役世代に大きな負担をかけ続けることは、若い世代に対する大きな不安要素となってしまっている。
これにより、若者たちは将来に対する希望を持ちにくくなり、結婚や子育てをためらうケースが増えているのではないだろうか。だいたいパワーカップルが子どもを気軽に持てない社会、おかしくないか。

シニア世代への仕送りで、未来の国民が生まれる余地を消してしまっている。そりゃあそうでしょ。インフレ率だのなんだのを考慮しても、厚生保険料(と給与に占める割合)は明らかに高くなっている。

このような状況がさらに少子化を加速させ、日本の将来に深刻な影響を及ぼすことは避けられまない。

社会保障制度のあり方を見直し、若い世代が安心して将来を描けるような環境を整えることが、今後の日本にとって非常に重要です。
このままでは、現役世代が将来的に自身の老後を支える若い世代を育てる余力を失い、社会全体が持続不可能な状況に陥る恐れがあります。年金はポンジスキーム。

各現役世代をみていくと、シチュエーションは微妙だ。

氷河期世代は、賃金が上がらない問題も深刻であると言わざるを得ない。
もちろん個人で全然違うけれど、全体としては、不遇の時代を過ごしており、バブル崩壊後の厳しい就職環境の中で、正規雇用の機会を逃し、不本意ながら非正規雇用に甘んじざるを得なかった人々が多くいます。

彼らは努力しても報われないという経験を通じて、将来に対する不安を抱えながら生活しています。
正規雇用に就けないことで、賃金が低く抑えられ、社会的保障も不十分であるため、結婚や子育てに対するハードルが高くなってしまった。これが「次世代殺人」につながり、今の世代の人口減に寄与してしまった。元が少ないうえ、産まれる数もすくない。希望はあるのか。

さらに、彼らが支える社会保障制度が、自身の老後を十分に保障するものであるかどうかも不透明であるため、将来に対する希望を見出すことが難しくなっています。
このような状況下で、氷河期世代の不安や不満は募るばかりです。

Z世代についても、その将来は必ずしも明るいものではない。というか、結果がでるのはこれからなんだろうけれど、少子化が止まる気配はなさそう。

彼らは好景気の中で社会に出てきたため、表面的には恵まれているように見えますが、今後のインフレの進行や住居費の高騰により、経済的な苦境に立たされる可能性があります。
特に、賃金が上昇しても、それを上回る物価上昇が続けば、生活の質を維持することが難しくなります。

加えて、現在の高騰する生活コスト(特に住居費)は、Z世代が家族を持ち、子育てをする上で大きな負担となるのではないか。

このような状況が続くと、将来的に彼らもまた、氷河期世代と同様に、希望を持てない世代として扱われることになるかもしれない。


・・・希望、どこにある?
たぶんある。

その話を最後にしなければならない。


どの世代もきついのはわかるけれど、隣の芝生は青く見える。こんなもんなんだろうけれど、他の世代をうらやましく思う前にやるべきことはたくさんある。

例えば、物価の時計の針を戻したいのなら、他の人より相対的に稼げばいい。他の人より相対的に稼ぐ難易度は、n十年前よりよっぽど、よっぽど下がっている。なんでも手段がある。身近に、一歩踏み出すことでなんとかなる世界線がたくさんある。

時給を上げる手段もたくさんある。柔軟な働き方も今ならよっぽどできる。

これを我々Z世代のメリットと呼ばず、いつまでも他の世代をうらやましがっているだけではいけない。

なんたって恵まれているポイントを見出し、取り組むことがこれからは大事なはず。

まだまだ希望はあるので、引き続き頑張ろうかな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?