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【二次創作】二次小説の書き方のルール・お作法(同人誌&Web小説向け)

「二次小説の書き方」について、基本的なルールやお作法をまとめていきます。同人誌(紙の本)向けとWeb小説では異なるポイントもあるので、その点についても改めて考えていこうと思います。


【1】同人誌のルール(文章の書き方)

まず、同人誌は「縦書き」が基本です。なので、文章の書き方については、本屋さんに売っているプロが書いた小説とおなじルールが適用されると考えてください。今さら聞けない!という方も多いと思うので、基礎的なことから振り返っていこうと思います。

■ 行の始まりは一文字分下げる
文章の書きだしや、改行した後の最初の一文は、一文字分スペースをあけます。400文字詰めの原稿用紙の書き方について、「行の始まりはひとマスあける」と学校で習った方は多いと思います。パソコンで小説を書く時もそのルールと同じです。

■ ただし、セリフの「」の場合は、下げる必要なし
「行の始まりは一文字分下げる」というルールは、「」で始まる行、即ちセリフについては適用されません。これも原稿用紙と同じです。

■ 「セリフ」の中に括弧を入れたい時は、『二重括弧』を使う
セリフの中に「」を使いたい場合、括弧が重なってしまうと読みづらいですよね。そのような場合は、セリフの中で使う括弧のほうを『二重括弧』にします。もし二重括弧も見づらいと感じるようであれば”ダブルクオーテーション”を使っても良いと思います。””は、外国語において「」のような役割を果たす記号です。

「聞いて驚くなよ。なんとあの『不敗の名将』がお出ましらしい」
「聞いて驚くなよ。なんとあの”不敗の名将”がお出ましらしい」

こんな感じで使ってみてください。

■ 「セリフ」の最後に句読点は打たない
地の文であれば、文章の最後に句読点(。)を打つのがルールですよね。一方で、小説のルールでは、「セリフ」の後には句読点(。)は不要となっています。

× 「おはおう、今日は良い天気だね。」
〇 「おはよう、今日は良い天気だね」

■ 疑問符(?)や感嘆符(!)の後は一文字あける
セリフや(時には地の文でも)「!」や「?」を使う場合、文章の後ろは一文字分スペースをあけるというルールがあります。一方で、セリフの最後に「!」や「?」を使う場合は、後ろを一文字あける必要はありません。
また、この「一文字あける」について、全角か半角かは好みが分かれるところですが、調べてみた限りでは、明確なルールはなさそうでした。

■ 三点リーダー(…)やダッシュ(─)は二個セットで使う
これらは、偶数で使うのが基本です。なので、小説で使う場合は、「……」「──」のような使い方になります。二次小説だとセリフなどにたくさん使うことになる表現だと思うので、覚えておくと良いですね。

■ 数字は基本的に「漢数字」を使う
紙の本は「縦書き」なので、英数字を使ってしまうと見づらくなる場合が多いです。なので、数字を用いる場合は、「一」「二」「三」といった漢数字を使用します。

■ 改行、空行のタイミング
改行、空行のタイミングって悩ましいですよね。基本的には書き手のフィーリングだと思うのですが、基本的な考え方はあるので以下にまとめます。

改行のタイミング
・会話文への切り替え
・対象となる人物が変わる時
・場面が変わる時
・話題が変わる時

空行のタイミング
・明確に場面か切り替わる時
・次の一文を強調したい時

一般に、改行や空行が少ない文章はギュウギュウで読みづらく、多すぎる文章はスカスカで読みづらいとされています。多すぎても少なすぎても読みづらい、でも最終的には「書き手の個性」!気を使いつつも割り切りが必要なポイントになります。

【2】Web小説のルール(紙の本との違い)

Web小説が同人誌(紙の本)と異なる大きなポイントは、①横書きであることと②スマホの画面をスクロールしながら読むことの二点です。この特徴が文章の書き方の違いにつながっています。早速、具体的に見ていきましょう。

■ 行の始まりは下げなくてOK
縦書きでは「行の前はひとマス下げ」が基本ですが、Web小説は下げなくてOKです。ひとマス下げている作者さんも勿論見かけますが、スマホの画面で見ると却って読みにくくなってしまう場合もあるかも。

■ 一文ごとに改行する
Web小説は「読みやすさ」が大事。紙の本と同じルールで改行していると文字が詰まって見えて読みづらくなってしまう場合も多いです。一文ごとにどんどん改行したほうがスマホの画面の中では実は読みやすかったりします。

■ 場面が変わる時は空行を入れる
空行もどんどん入れましょう。特に場面が切り替わる場合は必須です。これは、一文ごとに改行しているので、空行がないと「場面が変わった」ということが読者に伝わらないためです。繰り返しますが、Web小説では「読みやすさ」つまり「目が滑らないこと」が大事です。

■ 数字は英数字のほうが見やすい
横書きの場合、英数字のほうが読みやすいです。勿論、小説の設定や時代背景によっては漢数字を使ったほうが良い場合もありますが、どちらが読みやすいかと言えば、やはり英数字だと思います。

■ その他のルールは「同人誌」と一緒、でも「感嘆符・疑問符の後はひとマスあける」は不要かも
横文字、スマホの特徴に合わせる以外は、基本的に同人誌の書き方と同じルールで書いていきます。しいてもう一つあげるなら、「感嘆符・疑問符の後はひとマスあける」はWeb小説では不要かもしれません。感嘆符や疑問符と次の文字の間が詰まっていても縦書きの場合ほどは見づらくならないからです。

【3】Web小説を同人誌にする場合

Webで書いた短編集や連載を本にしたいと思った時、困ることがいくつかあります。縦書きの紙の本とは違うルール、見やすさ重視の構成で書かれているため、校正の際に「紙バージョンのルール」に沿って手直ししていく必要があるからです。
主な相違点と対処法について、考えていきます。

■ 改行、空行は、読みながら「紙ルール」で再編
縦書きと横書き、本とスマホでは「読みやすい文章構成」が異なります。楽な作業ではありませんが、書いた文章を自分で読みながら改行や空行を「紙ルール」に合わせて再編しましょう。

■ Wordの「置換」機能を活用しよう

Wordやその他の文章作成ソフトには「置換」機能があります。これは、文章の中の特定の単語や文字を別のものに「置き換える」機能です。たとえば、「!」を「! 」に置き換えたり、「36」を「三十六」に置き換えたり……一括でまとめて置き換えできるのでとても便利です。

■ 行の始まりをまとめてひとマス下げるには「インデントの設定を変更」

Wordの機能で、字下げのされていないWeb小説を一括でひとマス下げさせる方法です。具体的には、「ホーム>段落>インデントと行間隔>最初の行・1文字」と選択してください。どの画面か、どのボタンかこの文章だけでわからない場合は、「インデント 変更」で検索してみてください。

■ その他「紙」ならではの設定

Web小説を紙の同人誌にする時、新たに発生する作業がいくつかあります。具体的にどんなものがあるのかを書きだしていますので、参考にしてみてください。

・用紙のサイズ
・フォントの種類
・段組み
・余白の設定
・行間の設定
・英語、数字を横書き→縦書きに変更
・ページ番号を入れる
・ヘッダーにタイトル(サブタイトル)を入れる
・目次、奥付をつくる

いかがでしたでしょうか。
二次小説を書いてみよう!と思っても、いざ書こうとすると「そういえば、文章のルールってどんなものがあったっけ?」「小説って独自のルールがあるのかな?」と気になってしまうこと、ありますよね。
小説は書きたいように書いていい!でもどうせならたくさんの人に読んでもらいたいし、読みやすい文章だと思ってもらいたい。そんな時の参考にしていただけたら幸いです。



ありがとうございます。 好きを形に!たのしく同人活動!を目標にがんばります!