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【二次創作】即売会との向き合い方

各地で即売会が本格復活、いよいよイベントが戻ってきた!という感じで嬉しいですね。さて、今回はそんなイベントと同人生活の関わり方や距離感について書いていこうと思います。
はじめに申し上げておくと、「イベントの参加」を含めて関わり方は個人の自由だということです。イベントをモチベーションに、締め切りを目指して作品を作るのはもちろん良いことだと思います。一方で、それは「絶対の正義」ではないということも忘れないで欲しいです。イベントに参加できなくても決して落ち込まないで欲しいし、参加している人たちに劣等感を抱かなくてもいい。同人生活はあくまでマイペースに楽しむもの。今回のコラムでは、それをお伝えできればと考えています。

【1】即売会、それは同人生活の「晴れ舞台」

いにしえの時代からつづく即売会というイベントは、確かに同人作家にとっての「晴れ舞台」です。同好の人に直接作品を手渡せるという喜び、作家同士のリアルな交流、差し入れ、アフター。イベントは、本当に華やかな舞台そのものだと思います。これは、否定しようのない事実です。
そして、だからこそマナーは守りたいものです。まず、何よりも「参加すると決めたら、できる限り参加すること」です。やむを得ない場合は仕方がありませんが、スペースをあけてしまうのはやっぱりジャンルにとって悲しいこと。締め切りを守り、体調を管理して、頑張って「参加」という目標を達成しましょう。新刊を落としてしまっても、既刊や折本でもぜんぜんいい、スペースをあけないという気持ちが大事だと思います。搬入、搬出、小銭の用意、近隣スペースに迷惑をかけないこと、そういったマナーはもちろん大事です。それと同じくらい、「気負いすぎない」というのも本当に大事。参加することに意義がある、まわりに迷惑をかけなければそれでOK。参加したい!という気持ちを大切に、「ジャンルに花を添えられたらいいな」くらいで背伸びをせずに参加するくらいで良いと思います。

【2】部数問題

新刊を何部刷るのか、誰しもが悩まされる問題ですよね。これに関しては、少し多めに刷ってもいいのではないかというのが個人的な意見です。もちろん自宅で保管しきれないほどの部数は困りますが、もしも売れ残ってしまっても最近はネットで売る方法がたくさんあるのであまり心配は要らないと思います。書店に委託すれば自宅で保管する必要もありませんし、BOOTHを使って自家通販する人も多いです。
気合を入れてつくった本が数冊しか売れなかったりすると落ち込むこともあるかと思いますが、できるだけ気にしないで欲しい。自分が読みたくて自分のために作った一冊。その一冊が枕元にあるだけで幸せな気持ちになれる、それで十分!と私は思います。

【3】装丁は無理をしない

一般書籍ではありえないほどこだわりを詰め込んだ本が出るのが同人誌です。でも、そこはやっぱり「予算」と相談です。社会人で金銭的に余裕があって、趣味にお金をかけることを厭わない!という人もいますが、学生だったり主婦だったり、同人以外にもお金を使いたいことがあったりと事情はそれぞれ違います。キラキラの装丁の本を見るとつい比べてしまいたくなる気持ちもわからなくはないのですが、大事なのは「本を出した」という事実です。カラーじゃなくても、特殊加工じゃなくても、自分だけの一冊に誇りをもって欲しいです。
逆に「とことんこだわりたい!」という方は、ぜひこだわってほしい。クラウドソーシングで表紙絵を発注したり、デザインをしてもらったりと、ネットを使えば「文字しか書けない」人でもいくらでも凝った本がつくれる時代です。ちなみに私の場合、キャラ絵よりイメージ風の表紙のほうが好きなので風景画(ビル、校舎、夜景など)とデザインをクラウドソーシングで依頼することが多いです。

【4】まずは一般参加でいい

とりあえず「空気を吸う(笑)」だけでもいいと思うんです。たとえば、「覇権」と呼ばれるような大きなジャンルにいて、インフルエンサー的な有名な絵師さんがいたり交流が活発だったりすると、気おくれして当然だと思います。そんなときは「とりあえず見学」くらいの気持ちで、一般参加してみてください。本を買うだけでいい。名乗らなくても全然大丈夫、差し入れもなくて平気。とりあえず参加してみる。それだけで全然いいと思います。えいやっ!とハードルを飛び越えていける人ばかりじゃない、はじめは小さな一歩でいい。イベントのことが気になったら、ぜひ「一般参加」してみてください。

【5】とにかく無理をしないこと

もうこれ、すべでについて言えると思うんです。装丁、部数、挨拶、差し入れ、アフター、そもそも参加の有無。全部無理しなくていいです。できることだけやればいいと思う。イベントに参加しなくても「イベント参加される方、楽しんでください!」とツイートすればそれは「一歩」だし、コピー用紙を折れば立派に「本」だし、挨拶や差し入れ、アフター苦手なら無理しなくて大丈夫です。そもそも作品を書いてるだけですごいし、オンラインにアップしたらそれは十分にジャンルを盛り上げる素晴らしい同人活動です。東京に住んでいて、社会人で、趣味にお金を使える余裕があって、コミュ力たかくて交流も得意で、という人も確かにいるけど、そんな人ばかりじゃないです。目立つからつい気になってしまうだけで、自分にできる範囲でマイペースに同人活動をしている人のほうが実はずっと多いと思います。同人活動もイベントも、無理のない範囲で、自分のペースで楽しんでほしいなと思います。

楽しくつづけること、同人活動にとってこれが一番大事です。だから「無理をしないこと」は、本当に大切。人と比べてしまうのは仕方ない、人間だもの。まわりが気になってしまうのも仕方ないし、理想や憧れだってある。コンプレックスもあるし、劣等感を抱くこともある。仕方がないです、人間だから。でも、できるだけ「無理をしない」で欲しいです。
「好き」を形にするのが同人活動だし、そもそもは推しのためであり、自分のための活動です。他人に振り回されて、「好き」を見失ってしまうのはもったいない。好きなジャンルやキャラが同じでも、事情は人それぞれ。住んでいる場所も仕事も年齢も異なります。締め切りに追われるのがやりがいになる人もいるし、マイペースに書きたい人もいる。「自分なりの好き」を自分らしく表現したらいいんです。無理はしない、背伸びしない、自分らしくやる。自分が楽しいやり方でやる。誰もが楽しく、のびのびと同人ライフを満喫できるといいなと願っています。

ありがとうございます。 好きを形に!たのしく同人活動!を目標にがんばります!