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【二次創作】二次小説が「それっぽくなる」季節の表現について

こんにちは。
そして、あけましておめでとうございます。いつもnoteを読んでくださっている皆さま、どうもありがとうございます。今年も二次小説について技法やアイデアなどを楽しくご紹介していけたらと考えています。
引き続きどうぞよろしくお願いします!

さて、今回は「季節」の表現について考えていきます。
以前にもお話しした通り、キャラクター同士の会話や動作以外に「情景描写」も加えると、小説はぐっと「それっぽく」なります。物語のストーリーや本筋には関係なくても、「情景描写」を加えることで「小説っぽく」することができますし、読者も「今どんな場所にいるのか」「どんな景色の中でキャラが話しているのか」など詳細を想像しやすくなります。少しレベルをアップさせて「情景描写を通して、キャラの感情や置かれた状況を暗喩する」というのもおすすめです。
そんな「情景描写」の中でも最もオーソドックスなものの一つが、「季節」の描写ではないでしょうか。今回のコラムでは、この「季節」の表現について詳しく考えてみようと思います。

【1】春

春ってどんな季節?
出会いの季節、別れの季節、新しく物事がはじまる、生命が芽吹く、寒さが終わりあたたかくなる、ほっとする、日だまりが気持ちいい、生き物が活動的になる、木々が緑に色づき始める、生まれ変わる、始まる、わくわくする

春を表現するポイント
空:白っぽく霞んだ空、優しい青色、日差しが散らばってきらきら輝く
温度:寒さや和らいでくる、朝晩は寒いけど昼はほっとするあたたかさ
色:優しい空の青、色とりどりの花々、生まれたての若々しい緑
におい:花の香り、土と水のにおい、芽吹く緑の香り

例)表通りの花壇には気の早い草花が芽吹き、濡れた土のような香りが漂っている。冬の名残を残した風が、幼い緑を揺らして吹き抜けていった。

出会いの季節である「春」。優しい日差しや芽吹く草花など、「はじまり」を感じさせるあたたかい季節です。同時に、別れの季節でもある。優しさやあたたかさの中に切なさを内包しているのは、「新しいものと出会う一方で、過去を脱ぎ捨てる季節でもあるから」かもしれません。小説で「春」を効果的に用いるなら、「はじまり」を描くツールとするのが基本。「はじまり」の背後にある「終わり」と切なさを描くツールとするのが応用、という感じでしょうか。

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