短歌連作「村人たちが谷に溶けゆく」 12首
山頂の白い神殿から鐘はなにかを責めるように響いて
布きれで顔を覆った人たちが「罪人よ、悔い改めなさい」と
「身に覚えがない」と抗弁するほどに罰当たりだとざわついている
答えずにいれば「認めたわけですね」罰当たりだとざわついている
聖者ではないと盗賊なのですか 村人たちが谷に溶けゆく
囚われてる鎖をぶつけ捕らえたい まことの罪は夜の藪の中
横たわる老婆は狂者のふりをする道行く人を赤眼で睨む
わたくしは大天使です逆らえば餓鬼であるとの神話大系
餓鬼であると定めた敵を餓鬼であると定めるための尋問である
あなた達のあいだにすらも異議のあるほんとのほんとのほんとうのわけ
背信の予言者が消されてく昼 お空の雲はゆっくり動く
特別に良くもなければ悪くもないただの自分を見つける旅だった
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