逃げることへの大人の視線

エステティシャンは華々しい印象ですが、実はなかなか過酷な仕事です。
いきなりネガテイブなことを書きますが、「もう辞めたい」と思ったことは何度もあります。

マッサージの仕事は“手に職”というだけあって技術職のイメージを持たれることが多いですが、それだけではありません。技術が上手いだけではだめなのです。
コース提案や商品販売に対する営業トーク力。お客様を惹きつける人間力。そして何より自分自身がキレイであり続ける努力も仕事の一つです。
どれも完璧であってこそプロのエステティシャン。お客様から見れば新人もベテランも関係ありません。
仕事なので、お金をいただくためにどれも完璧を目指すのは当たり前なのですが、その当たり前のことがなかなか難しい。
物販商品の勉強、扱っている技術の勉強、体のしくみの勉強...
好きな人なら楽しいかもしれませんが、エステがしたくてこの仕事に就いたわけではないわたしにはなかなか大変でした。

すぐ投げ出すことは良くないと教えてくれたドラマ“あまちゃん”

我が家では母の影響で朝ドラは昔から欠かさず見る習慣があります。
社会人1年目の当時やっていたのは、あの有名な“あまちゃん”でした。
その中の登場人物に出てくる小池徹平さん演じる足立ヒロシ。
夢を追いかけ東京に行きましたがすぐ挫折して地元に帰ってきてしまいます。
それによって父、足立功(平泉成さん)からダメなやつ扱いをされるというかわいそうな役。
随分前のドラマだったので具体的な内容を忘れてしまったのですが(あ〜〜再放送やらないかな)、ヒロシがいいことを言うシーンがありました。
それに対して父である功は「東京から逃げて来たお前が言うな!」と言い放ったのです。
ほんとに何気ないシーンだったと思うのですが、わたしにはこれがグサッと刺さりました。

「えっ 簡単に挫折してしまったら、自分の意見も聞いてもらえんくなるもんなん?」

衝撃でした。
もはや何を言っているかという問題ではなく、誰が言っているか という問題になっていたのです。

この先いつまでも親から、周りの大人から、ダメなやつというレッテルを貼られるのは嫌だと、あのドラマのシーンを思い出しては自分を奮い立たせていました。

#エステ #エステティシャン #新人 #コラム

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