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思い出を作る。残す。

先週末8月20日に、TWOLAPS  MIDDLE DISTANCE  CURCUIT IN  OSAKA が開催され、無事終了しました。
従来の陸上競技大会のカタチをいい意味でぶっ壊す、チャレンジに溢れた大会になったと思います。
今大会にはレースディレクターとして関わり(おかげさまでかっこいい役柄を背負わせていただきまして、、)、自分の中での陸上競技の見え方も広がったり、社会における役割としての陸上競技の可能性も感じました。
たくさんの方の感想や写真を眺めながら、いつまでも幸せな気持ちが続いています。
まずは関わってくださった方、本当にありがとうございます。

楽しかった!という感想をたくさん頂きましたし、私もその話だけで一本noteが書けてしまいそうなのですが、今回は陸上競技の可能性を感じたという部分について記しておきたいと思います。

私は株式会社ローソンに所属し競技活動を行っています。
2017年10月に入社、当時は大阪の店舗で働いていました。翌年に東京に来てからは本社で人事関連の業務をしています。
人事知見はまだまだ浅いのでわからないことばかりなのですが、日々具体的な作業をする中にも「商売が楽しいとはどういうことか?」「その為に私たちの部署ができることは何か?」など、時折本質的なディスカッションをする機会もあり、とても勉強になることばかりです。
そんな店舗や会社での経験が、今回の大会開催の経験とリンクしたように感じています。

パンが数通りあるのやばすぎ
これは本当に忘れられないので何度も話していることなのですが、私が初めてローソンの店舗で働いた時の話をしたいと思います。
今まで部活しかしてこなかった人間が初めて「現場で働く」という経験をした日です。
私はその日、パンの検品を任されました。バッカン(商品の入っているカゴ)に商品が数通り入っているかを数えて、機械に打ち込む簡単な作業です。
言われた通りパンの数を数えていると、「コンビニ、凄すぎる!!!」と、ものすごい感動が湧き上がってきたのです。

まず数通りにパンがあること、これを仕分けた作業があること、間違えず運んだ人がいること、綺麗に包装されたパンが作られたこと、商品を考えた人、材料を作った人、運んだ人、工場を作った人、その材料を作った人。。。
この目の前にあるパンにどれだけ多くの人が関わって来たのか。
モノを作り、モノとお金が動いていくことで、関わる人たちの生活、その家族までも支えることが出来ている。
全国1万数千店の店舗があるって、商売をするって、すごいことなんだ!と、仕事中に私は感動と思考の世界に飛んでいってしまいました。
バックルームに戻るなり「パンが数通りあって感動しました、、」とこぼす新入社員はきっと変なやつだったに違いない。

価値の設定
話を戻します。日本の陸上競技の大会は、ごく一部の大会を除いてそのほとんどが入場料を取らずに開催されます。大会運営に関わるのも陸協の審判で、地元の学生が補助員として派遣されます。
今大会は観客席のチケットを販売し、エントリー料も従来の大会よりも高く設定されました。そのかわりに記念品のタオルを配布したり、大会自体にも色んな楽しめる仕掛けを考えました。
大会を作る側の私たちには「お金を払う価値のある大会を作らなければいけない」という使命感があったからです。

では、人がお金を払う価値をどういう時に感じるのか?
当たり前ですが、私達は不必要なものを買いません。必要なものというのは、必需品と呼ばれるものたちです。
だけど家を見渡すと、必ずしも必需品だけでは無いことに気がつくはずです。
そこから趣味やコレクションを除いてみると、「記念品」「お土産」が残るのではないかな、と私は思っています。
人は記念品を通して思い出にアクセスする。伝えたい人にそれを共有するためにお土産を買うのでは無いかと考えています。

記念品はそれだけでは存在できず、それを記念する「思い出」があって初めて意味を持ちます。その思い出とは旅行であったり、大切な行事であったり、スポーツを通した体験なのだと思います。
スポーツには、陸上競技には、思い出を作る力があるんですね。
今大会でTシャツを買ってくれた人が沢山いました。本当なら量販店でシャツはもっと安く手に入るはず。だけど買ってくれる人がいる、価値を感じてくれる人がいる。
その価値を作り出せた喜びと、今後の可能性を感じた大会になりました。

今大会はたくさんの企業の方がスポンサーとして協賛してくださいました。
前日大量に運ばれてくる商品の数々を見て「モノとお金が動いてる!」とぞくぞくしたものです。
そしてその商品に関わった膨大な数の人たちを思い浮かべて「有難いな、幸せなことだな」と感じていました。
あのパンの検品をした日のように。

どうすれば儲かるのかを考えるのは大切なことだと思います。
横田さんは「競技界の持続的な発展には、経済的に自立することが必要」とずっと言っていますし、それを行動に移されている。
結果を残すこと、ファンを大切にすること、稼げるチームになること。
自分に何ができるか考えながら、貰ったチャンスを無駄にしない競技人生を送りたいです。

関わってくださった皆様、改めてありがとうございました。
引き続き、福島大会と東京大会もよろしくお願いします!

(写真:EKIDEN  News 様)

サポートのお金は、夫の競技活動経費にさせて頂きます。一緒に応援して頂けると嬉しいです!