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本と仲良くなれた日


2021年の冬、私と本との関係にちょっとだけ変化があった。

今まで疎遠だったのに急にばったりと再会して連絡を取り出した友達のように、

遠い存在だったものが近くに寄り添ってくれている気持ちなのだ。

なんだか嬉しくってこの気持ちを言葉にしたくなったのでここに残してしまおうと思う。




私は本を読むことに苦手意識があった。
趣味を読書にしたいと思ってもすぐ飽きてしまって、全然続けられなかった。

本屋さんに行くことは好きなのに、何時間でも時の経過を忘れるほど夢中になれる場所なのに。

実際に手に取ってお迎えしても、読みかけのままだったり、1冊読んで満足しちゃったり。

いつも願望止まりで、結局他のことに熱を注いでばっかりだった。


きっかけとは些細なもので、ふらっと突然私の前に現れる。

それは、本を読む友達におすすめの本を聞いたことが始まりだった。更にどんなジャンルが好きなのかと聞かれておすすめされた本たち。

実際に読み始めたら、続きが気になってる私がいて。1冊読み終えた頃には、なんだ、読書って楽しいじゃん、と自分でも率直な感想に驚いた。

あぁ、本来本が好きな人たちはこういう感情になるのかな、なんて少しだけ思えたことが嬉しかった。



そんな私がなんで読書に苦手意識を持っていたのか、いくつか心当たりをば。

1つ目は、読書は何かを学ぶためにするものだと思っていたこと。これは読書習慣のなかった私が入社前に数十冊の推薦図書を読んだのが原体験だと思う。

たしかにビジネス書やマインド、仕事に関連する本は面白いし、読んだらすぐ実践できることばかりで役に立つ。

でも、私にとっては読み始めるまでにエネルギーが必要で、スイッチを入れなくちゃいけなくて、オフモードの時間に読む気が起きなかったのだ。

今思えば、そんなことなんてないから、本屋さんにはたくさんのコーナーがあるのにね。思い込みとは恐ろしいもので、自分で自分に呪いをかけていたみたいだった。


もしかしたら、同じ学ぶための本でも、自分から勉強したいと思った内容だったら違ったのかもしれないな、とは思う。

結局、興味の問題かも、なんて考えたりもしたけれど、もう少し深そうで。本棚に眠らせてしまっている本たちもちゃんと息を吹き返してあげたいな。


2つ目は、自分が好きな文章を知らなかったことだと思う。今までも聞かれたことはあるのに、答えてたのは今読んでるもの、すなわち会社や誰かにおすすめされたものだった。

そこに私の純度100%の好きは含まれていなかった。

だからこそ、今回友達に聞かれたとき、なぜだか分からないけど考えを巡らせた。思い返せばこのときの私、よくやった!

そして、私が好きな文章って、きっとnoteみたいに簡単に読めるもの、すらすらと考えなくてすむような、軽めの小説や物語、エッセイかもって初めて気付いたのだ。

どうやら私は長たらしい活字や横文字がつらつらと並んでいるのが苦手らしい。あと分厚い本も。文字の重みに負けてしまうようだ。

もうちょっと日常の会話の延長にあるくらいが心地よくて、できれば情景が絵で想像できるものがわくわくするみたい。

まるで人間関係のように、合う合わないがあったんだろうな、本当に面白い。


そしてもうひとつは、どんなシチュエーションで読むか想像できていなかったことだと思う。

生活の中で隙間時間なんていくらでもあるわけで、その中のどのタイミングで読みたい本なのかによって選ぶタイプも全く異なると思っている。

私の場合は、通勤の時間と休日の移動時間に読みたい本は全然違うし、そこには違う私がいるとさえ思っている。


今回の例では、飛行機や新幹線で読める旅のお供を明確に探していたので、すっと探しやすかったのかもしれない。


そんなこととっくに気付いてるよってことかもしれないけれど、私にとっては大きな発見だった。

そして受験時代に仲良くなることを諦めた数学と同じ存在になりつつあったからこそ、

今になってお近付きになれたことが素直に喜ばしくて、幸せな気持ち。一生ものの友達が1人増えたような感じ。


これからますます本屋さんが好きになってしまいそうだ。2022年こそは義務感なく、好きな分だけ読むんだ...!


寒い日々が続き、ゆっくりと時間を過ごせそうな私は、読書の秋ならぬ読書の冬になりそうです。

皆様の手元にはいつも寄り添ってくれる1冊がいますか...?私も相棒を見つけられたらいいなと思っています。

それでは、また、素敵な夜を...!

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