暑いか、熱いか。
暦の上では冬というのに、まだ腕まくりをしては無機質に鳴る機械音を置き去りにして改札をくぐり抜ける。
思わず目を細めてしまう青空は、ビルの窓ガラスに反射して、より一層熱を帯びて降りかかり、気力を奪っていく。
本の中では「僕ら一人ひとりがドラマだ」そう告げ話を終えたところで、アナウンスが流れる。
「次はーー新宿、新宿ーお降りのーー」
人が入れ替わる音で掻き消されたアナウンスを背に改札を出た。
さっき読んだ本によれば、これもまたドラマである。
第1話のタイトルがドーンと出て、主人公である僕が成長し、驚きと感動を届けるに違いない。
どこかの誰かが言っていた気がする。
「創作とは、自分が恥ずかしいものほど傑作になる」
思い返せば赤面するようなことも、全力でやらねば結果など得られないのだと。
そんなことばかり考えて、今日もまた頑張るしかない。
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