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自分も人も操るための「サイコパス脳」を手に入れる方法

■書籍の紹介
トップ2%の天才が使っている 「人を操る」最強の心理術
著者:山本マサヤ

■はじめに

歴史上の偉人や、優れたリーダーは人を巻き込むのが上手く、自分の成し遂げたい方向に人を心を動かす力があると思います。

私たちも日々、営業現場やクライアントワーク、求職者とのやり取り、上司・部下とのやりとりなど、多くのコミュニケーションを取りながら誰かしらを巻き込み生きていかなければなりません。

しかし、コミュニケーションをうまく取れないと、自分の思った通りの結果が得られず、怒られたり、目標達成ができなかったり「なんだか上手くいかないな」という悩みを抱えます。

『嫌われる勇気』(岸見一郎、古賀史建著、ダイヤモンド社)で広く知られるようになった「アドラー心理学」で、「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」と考えらえていますが、人生のあらゆる問題が対人関係にあるならば、対人関係の悩みを解決する学問の「心理学」で問題を解決できるはずです。

人には様々な感情がありますが、感情に振り回されず自分の得たい結果がだせるようになりたいと思い本書を選定しました。

■人を操るには「知能」と「知識」が必要

「あの人は頭がいい」「あの人は天才だ」と感じる人は世の中にたくさんいます。論理的思考力が高かったり、頭の回転が速かったりなどの特徴を持っています。

ではそういう人は、人を操れるかというと、そうではありません。

頭がいい人は頭がいいからこそ、人を自分の思い通りに動かしたいときに「なぜ、あなたは動くべきか?」を論理的に考えて相手に伝える傾向があります。

この場合、どんなにその人が正しいことを言っていても相手を動かせることはあまりありません。

たとえば、
「難しい仕事は後回しにすべきではない。なぜなら、人間の自制心は朝がピークで、1日を通してだんだん減っていく。だから、難しい仕事を後回しにすると結局やらなくなる」

このように論理的に相手を説得しようとしても、
「へ~、でも、わかっちゃいるけど、なかなかそれができないんだよ」
という返事があったりします。

私自身、「わかっちゃいますよ、分かってるけど、、、」と何度思ったことか。逆に、「なぜ言った通りに動いてくれないんだ、、、」と思ったことも
何度もあります。

多くの人が言っていることは正しいが、人を操るときに重要が考えが抜けています。

それは、「人間は感情に支配されやすい」ということです。

人間はいちも論理的に考えて行動しているわけではありません。ダイエット中でも思わずお菓子を食べてしまうのも、仕事中でも思わずSNSをチェックしてしまうのも、論理ではなく感情で動いてしまうからです。

「食べるべきじゃない」「SNSを見るべきじゃない」と説得するときに、説得するほうは「食べるべきでない論理」「SNSをチェックすべきでない論理」で相手の「頭」を動かそうとしますが、説得されるほうは、「食べたい感情」「SNSを見たい感情」で心を動かされています。そのギャップがあるから説得に失敗するのです。

では、相手の感情を動かすテクニックさえ知っていれば人を操れるかというと、そうではありません。

本書では、知能と知識の両方が必要だと述べられています。

知識として「人を操る技術」を知っていても「どう機能するのか?」を理解して、「いつ?誰に?どのように使うか?」を考えられる知能がなければ、やはり宝の持ち腐れになってしまいます。

心理学に限らず、どんな知識もたくさんもっていればいいというわけでありません。使い方を考える知能があるから、知識がいきるのです。

その結果、高い知能と広い知識を最大限に活かした、質の高い仕事や新しいアイディアを生み出すことができるのです。

■自分の感情を支配する「サイコパス脳」

「人間は感情に支配されやすい」というのは知能やIQに関係なく、脳の構造上そうなっています。

人間の脳には「論理脳」と「感情脳」があり、脳が活動するときは基本的にこの両方がバランスをとって機能しています。

仕事でミスをして焦っていると、普段なら間違えないことでも間違えるようになってしまう場合がありますが、それはいつもより速く仕事をやろうとしているからではなく、論理脳の機能が感情によって抑制されているからです。

どんなに高い知能や豊富な知識をもっていても、自分が感情に支配されていたら、それらを活用することはできません。

人を操るためには「相手を操る方法」だけでなく「自分を操る方法」も必要です。自分を操る方法として、感情に支配されない「サイコパス脳」になることがすすめられています。

サイコパス脳といっても、猟奇殺人犯や愉快犯になるわけでも教祖様になるわけでもなく、感情の機能を意識的に抑制し、論理的に考える脳の領域を十分に確保して、論理的思考に基づいた合理的な判断ができる状態の脳にすることです。つまり、論理脳の活動を優位にする方法です。

実際に、優秀な経営者にはサイコパス(脳)が多いとうデータがあるそうです。恐怖に負けずに新しいことにチャレンジできたり、窮地に陥っても冷静に合理的な判断ができたりなど、サイコパス脳になるというのは、仕事で成功するために必要な能力ともいえます。

■「サイコパス脳」のつくり方

では、実際に自分の感情を支配するサイコパス脳になるポイントを紹介します。

1)サイコパススイッチを入れる

繰り返しますが、そもそも人間の脳は論理脳(合理的判断)と感情脳(感情的判断)を同時に機能させることができません。焦っているといに冷静な判断ができず、安易な解決策に飛びついてしまうのもこのためです。

サイコパス脳という感情に支配されない状態を24時間年中無休で維持していると、日常の中にある小さな幸せに気づきにくく、感動を共有できないため必要なときにスイッチを入れられるようになればいいのです。

実際に論理脳のスイッチが入れられれば、感情脳の活動を抑制して、サイコパスのような理性的(合理的)な判断ができるようになります。

①「なぜ?」と自分に問いかける
まず感情的になりそうなときに、自分自身に「なぜ?」と問いかけます。
感情的になりそうな状況で「なぜ?」という問いにより論理脳の活動を優位にする習慣をつくることで、緊張して焦ることが確実に少なくなります。

理想は「なぜ?」で相手の気持ちに理解を示し、「どうやって?」で今後のアクションを考えることです。


②感情を書き換える
これは、感情的になりそうなときに論理脳のスイッチを入れる方法というよりは、苦手なクライアントや上司など、感情的になることがわかっている相手を話すときに感情脳の活動を抑制する方法です。

人間の感情が生まれる仕組みは「刺激に対する反応」というシンプルなものではありません。

感情が生まれる仕組みが「刺激⇒反応」ではなく、「刺激⇒認知⇒反応」になっているのです。

なので、刺激に対してどう認知(解釈)するかによって、反応が変わります。逆をいうと、感情は、認知を変えることで支配することができるのです。

感情的にならない方法として、刺激による反応を我慢するというのは論外です。話してイライラする人に対して、怒りの感情を我慢したままにしていると、どんどんストレスが溜まっていくし、刺激を減らすために嫌いな人と話さないようにすることは仕事では避けて通れません。

だからこそ、認知を書き換えて目の前の現実を捉え直すことで、怒りや焦りなどのネガティブな感情に支配されてしまうことを防ぐのが重要です。


③プライドを定義する
プライドが無駄に高すぎると感情に支配されやすく、論理的思考に基づく合理的な判断ができなくなってしまいます。誰かを頼ったほうがいいときでも、「頼ることは自分が仕事をできない証拠だ」など考え、プライドが邪魔してしまったり、自分の意見が間違っていて、相手の意見が正しいときでも「間違いを認めると自分の価値が下がる」と考え、自分の間違えを認めることができなくなります。

これは人間の自己防衛反応でもあります。
自分のプライドや自尊心、自己重要感が傷つけられそうになると、人間はそれを守ろうとして反発してしまうのです。だからプライドを傷つけられると。ムッとしてしまうのです。

だからといって「プライドを捨てろ」というわけではありません。
重要なのは「どこにプライドを持つのか?」ということで、それが「プライドを定義する」ということになります。

その定義をするときに有効な基準になるのが「For me プライド」か「For you プライド」かです。

「For me プライド」は自分のためのプライドであり、「For you プライド」は相手のためのプライドであり、たとえ傷つけれてもいい意味で他人事なので、感情的に反発することが少なくなります。

2)サイコパス脳を鍛えるトレーニング

①「好き」を言語化する
このトレーニングは、日常生活のなかで「いいな」と思ったときに、自分に「なぜ、そう思ったのか」を問いかけることで、論理脳のスイッチを入れて言語化する習慣をつくるものです。

感情のままに「いいな」と思っただけで終わらせてしまうところを、感情脳の活動を検知したら、「なぜ?」という問いで論理脳のスイッチを入れられるようにするのです。

そうやって、感情脳が活動したときに論理脳のスイッチを入れる習慣をつくっておくと、いざというときに自然と論理脳のスイッチが入りやすくなるそうです。

また、自分の感情の動きを分析することで、相手の感情の動きをシミュレーションするトレーニングにもなります。

感じたことを言語化する習慣を身につけることで、どんな感情が起きたときも言語化しようとするため、必ず論理脳スイッチが入り、感情に支配されることが少なくなります。


②「マインドフルネス」を習慣化する
「マインドフルネス」には論理脳と感情脳の器(脳の領域)を大きくする効果があります。脳の器を大きくすることで、感情に支配されにくくなり、論理脳の機能も向上させることができます。

マインドフルネスは「意識を今この瞬間に置く」ことを目的としています。
人間の脳は日常的に、今の状態ではなく過去の記憶や未来の想像にとらわれており、これを「マインドワンダリング」と呼びます。マインドワンダリングは感情に支配されている状態で、一般に1日の50%はこの"心の迷走"に費やされているといわれています。

しかし、過去の失敗はどうすることもできませんし、未来に起きることを心配しても仕方がありません。そのため、マインドフルネスを通して今この瞬間に集中することで、無駄な感情脳の活動を抑制させます。

■まとめ

社会で生きている限り、必ず生まれる対人関係ですがそこに悩まされるほど苦痛なことはありません。

しかし、自分の好きだと思う人とだけ付き合っていくことも、人を自分の思うように変えることもできないため、まずは自分自身を操れるようになる必要があります。

レポートを書きながら自分の思考や言動を思い返してみると感情に支配されていることが多いため、まずは自分自身の論理脳と感情脳を使い分けられるとうにトレーニングしていきたいと思います。

直近の給与見直しの社長とのやり取りは、まさに「わかっちゃいるが、、、」という状態で、かつ、プライドの定義が「For me プライド」だったと思います。

まずは自分の感情が動いたとき、「なぜ?」と問いかけ、必要であればこういったnoteなどに言語化できるようにまとめたり、相手から言われたことも、相手は「なぜそういったのか?」の問いをし続けるようにしていきます。

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