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しなやかなマインドセットの作り方

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■著書の紹介
マインドセット「やればできる!」の研究
著書:キャロル・S・ドゥエック  訳:今西康子

■はじめに

人間の信念は、本人が意識しているといないとにかかわらず、その人がどんなことを望むか、そして、その望みが叶うかどうかに大きく影響します。

また、信念を変えることは、それがどれほど単純な信念であったとしても、甚大な効果をもたらすことがすでに実証されています。

信念は、人生のありとあらゆる部分にまで浸透しています。自分の性格だと思っているものの多くが、じつはこの心の在り方(=マインドセット)の産物です。

もし、可能性を発揮できずにいるとしたら、その原因の多くは”マインドセット”にあるといっていいでしょう。

学問、芸術、スポーツ、ビジネスの分野で偉大な功績をあげた人と、上げられなかった人は、いったいどこか違うのか。そして自分や周りの可能性を最大限に引き出すにはどうすればいいのか。

本書には、マインドセットの考え方としなやかに育むためのヒントが書かれていました。

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コロナの影響で、採用もほぼ止まり、チームメンバーもおらず一人で何をしたらいいのか分からない。周りは新しいサービスの営業や顧客への関わり方を見直し、会社が傾かないように頑張っているなかで、自分はここにいる意味があるのかネガティブな思考が払しょくできないため、まずは今自分がどういう状態なのかを知ることから始めました。

■気づかぬうちに「硬直マインドセット」になっていた

営業から人事になり、採用や制度づくり、研修など様々な仕事を任せてもらえるようになりました。異動して1年目ははじめてのことだらけで、目の前のことをこなすのに精一杯、でもキャリアのなかで新しいチャレンジをしていることが楽しくて、それを一生懸命やることにしか思考がいっていませんでした。

しかし、同時にイチ営業マンとしてだったところから、会社全体に関わる仕事が増えていく中で、「失敗したらいけない」「人事っぽくふるまわなければ」「成果を出さないといる意味がない」という想いが膨れ上がっていくもの分かりました。

誰に何を話したいいのか、誰に相談していいのかすら分からなくなり会社に行きたくないと思う日も増えました。

先日カウンセリングにいったときに、先生から今の考え方だと一瞬は良くなっても変わらない。考え方を変える特訓をしましょうと言われたこともあり、まず今どんな状態なのかを考えていたところに本書をみつけ読んでいくと私はいままさしく「硬直マインドセット」になっていると気づきました。

硬直マインドセットとは、自分の能力は石板に刻まれたように固定的で変わらないと信じている人。

しくじらずにうまくいくだろうか、賢そうにみえるだろうか、認めてもらえるだろうか、突っぱねられやしないだろうか、、、といつもビクビクしています。

硬直マインドセットの人は、自分が他人からどう評価されるかを気にします。

本書の例えばなしでこのようなことが書いてありました。

朝、授業に出席する。自分にとって極めて重要で、しかも大好きな科目。ところが、返却された中間試験の成績がC+だったのですっかり落ち込んでしまう。夕方、帰宅しようとして車に戻ると、駐車違反のチケットが切られている。ガックリしたあなたなは、親友に話を聞いてもらおうとして電話をかけるが、なんだかそっけなくあしらわれてしまう。

こんなとき、硬直マインドセットの人は、「拒絶されているように感じる」「自分は完全なダメ人間」「負け犬」「価値のない最低の人間」。つまり、その日の出来事で自分の能力や価値が決まってしまったように感じるそうです。

硬直マインドセットの人は、自尊心が低い人なのだろうか、それとも悲観主義者なのか。それは違うらしいのです。
硬直マインドセットの人も、物事が順調に進んでいるときは、しなやかなマインドセットの人と同じくらい自信に満ち溢れ、楽天的で快活です。

しかし、なにかにつまずいた途端、その出来事だけで価値を決めようとしてしまうのです。

■マインドセットの影響力

硬直マインドセットの人は、上記のように出来事によって自分の能力や価値が決まってしまうように感じ、常に他人の評価を気にしてしまいます。

一方、「しなやかなマインドセット(=グロースマインドセット)」と言われるマインドセットの人は、自分を向上させることに関心を向け、人間の基本的な資質は努力しだいで伸ばすことができるという信念を持っています。

うまくいかないときにこそ、粘り強い頑張りをみせるのが「しなやかなマインドセット」の特徴です。

マインドセットのがしなやなかな人は、自ら進んで困難に挑戦するだけではなく、それを糧にどんど成長していきます。立ちはだかる壁が厚ければ厚いほど、力を振り絞って頑張ろうとします。

本書ではしなやかなマインドセットを持った人の様々な実話がでてきますが、バスケの神様と言われるマイケル・ジョーダンの話を1つ取り上げます。

バスケットボールをやっていない人でも知らない人はいないのではないかというほど、有名な人ですが、彼は生まれつきの天才ではありませんでした。

高校代表のバスケットボールチームには選ばれず、NBAのドラフト権2位までのチームは彼を指名していません。

高校代表のバスケットボールチームに選ばれなかったジョーダンは、がっくりと打ちのめされたそうです。しかしジョーダンの母親は「練習して鍛え直しなさい。」と言い聞かせたそうです。

ジョーダンはその言葉に従い、毎朝6時に家を出て、始業前の早朝トレーニングに励みました。大学に進学してからも、シーズン最後の試合で敗北した後に、何時間もシュート練習を繰り返したこともありました。翌年に備えようとしたのです。

そして、成功と名声の頂点に上りつめ、天才プレイヤーと言われるようになってからもなお、粘り強く練習を続けたことが伝説として語り継がれています。

「精神的な強さと熱意は、さまざまな身体能力よりもはるかに大きな力を発揮する。ぼくはいつもそう言ってきたし、いつでもそう信じてきた。」とジョーダンは言っています。

しなやかなマインドセットの人にとっての成功とは、自分のベストを尽くし、学んで向上することなのです。

もしジョーダンが、硬直マインドセットをもっていたとしたら、試合で敗北したら「自分は負け犬だ」「もうだめだ」と思い、翌年に備えて何時間も練習をしなかったでしょう。

■マインドセットとリーダーシップ

マインドセットはビジネスの世界でも影響を及ぼします。他社を抑えて躍進する企業にきわだつ特徴は何なのか。

重要な要素はいくつか挙げられますが、絶対的に必要なのは、どのケースにおいても企業を率いる指導者のタイプです。

偉大な企業への飛躍をもたらした指導者たちは、我が強くて自分を売り込みたがる派手なカリスマ的人物ではなく、謙虚で控えめで、たえず答えを探して問い続け、その答えがどんな厳しいものであっても直視できる人だそうです。

失敗を、それが自分の失敗であっても、真正面から受け止めつつ、その一方で、最後には必ず成功するという確信を失わない人たちなのです。

硬直マインドセットの人が、「マネジメント能力は一定で、あまり伸ばすことができない」と考えるのに対し、しなやかなマインドセットの人は「マネジメント能力はいつでもかなり伸ばすことができる」と信じています。

2つのマインドセットごとにグループをつくり、複雑な課題を与えたとき、スタート時点では、両グループの成績に差はでませんでした。しかし時間がたつにつれて、硬直グループよりもしなやかグループの方が明らかに成績が良くなっていったそうです。

どのような決定を下すか話しあうとき、しなやかグループのメンバーはみんな率直に意見を述べ、ためらうことなく反対意見を表明しました。グループ全員に人の意見から学ぼうとする姿勢が見られたのです。

それに対して、硬直グループでは自分と相手とではどちらが頭がいいか気にしたり、アイデアを出しても叩かれるのではないかと恐れたりして、そのような率直でみのりある議論は生まれませんでした。「集団浅慮」にも似たような状態に陥っていたそうです。

「集団浅慮」とは、集団の全員が同じ考え方をするようになって、異論を唱える者や批判的な立場を取る者がいなくなり、その結果として、集団が非常に危険な意思決定を下してしまう現象をいいます。

優れたリーダーたちにインタビューをしたときに、誰もが口を揃えていったことがある。「人は、リーダーに生まれつきなるものではなく、リーダーになるのであり、しかも外的な条件によってではなく、自分自身の力でリーダーになる」だったそうです。

初めてのことに取り組むとき、ほとんどの人は無我夢中で勉強します。指導を受け、訓練を積み、さまざまな考え方を受け入れ、仕事の進め方を時間をかけて懸命に模索します。成長への意欲に燃えているのです。

ところが、いったんひと通りのことを習得すると、それ以上技量を磨こうとはしなくなります。大変そうだから。もう学ぶことはないと思うから。むしろ今の仕事をこなすことに満足してリーダーを目指そうとしなくなるのです。

成長の可能性を秘めた人材を求めようとしない組織は、リーダーに成長しうる人材をどんどん逃してしまいます。それだけではなく、祭り上げられた人を押しつぶし、傲慢で保身的で向上心に欠ける人間に堕落させてしまうかもしれません。

マインドセットは自分の可能性だけではなく、組織にも影響を及ぼしてしまいます。

■マインドセットをしなやかにするには

本書に書かれていた、しなやかなマインドセットを育む方法をいくつかご紹介します。

①人はみな、学ぶことが大好きで生まれてくるのに、硬直したマインドセットのせいでそれが嫌いになってしまいます。難しくなるといやになったり、急に疲れを感じたり、めまいがしたり、退屈になったり。今度そうなっても、自分を責めず、困難に打ち克って何かを学ぶたびに、脳に新たな回路が形成されていく様子を思い描く。その習慣を続ける。

②ネガティブな出来事があっても、それで自分の価値が決まるわけではない。自分の置かれた立場をありのままに認めた上で、自分の知的能力や人間的資質がそれで決待ってしまうわけではないことを理解する。その上で、その体験から何を学んだか、あるいは学べるか?どうすればそれを成長に結びつけることができるか?を考える習慣をつける。

③気分が落ち込んだとき、どのように行動するか。失敗から学び、試練を受けとめ、それに立ち向かうのだ。努力を重荷と考えずに、何かを生み出す前向きの力だと考える。そして行動に移す。
いつもやりたいと思っていながら、うまくできる自信がなくて、やらずにいたことはないか。それを実行に移してみる。

■私がやること

硬直マインドセットとしなやかなマインドセットについて、本書から学びましたが、私は今後どうしていきたいのか考えたら

①自分がまずしなやかなマインドセットに変わる
②組織をしなやかなマインドセットにしていく

だと思いました。

まず、自分が変わるために今まで自分の意見や考えを発言してきませんでしたが、思っていることを声に出して言うことにします。
間違っているかもしれないし、ダメだと思う人もいるかもしれませんが、それも学びとして成長できるようにしていかないといけません。

NNGグループですら、NNGじゃない人がいると思うとあのグループ上で発言するのを避けていましたが、自分もみんなもより成長するためにを考えしていくようにします。

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これも自分的に第一歩です(笑)

もう一つ、組織をしなやかなマインドセットにしていくために、
メッセージの方法が説明されていましたが、努力と成長に注目したメッセージをするようにしていきたいと思います。
知的能力や才能を愛でる褒め方ではなく、努力して成し遂げたとことを褒める。とありましたが、そこを意識していきたいとです。

新卒の子が、寿司打6秒できましたと報告してきてくれたとき、無意識ですが、たくさん練習していたのを知っていたので、それについて褒めました。そうしたら、次はもっと早くできるようにしますと高い基準を自分から言ってきてくれました。

努力に対して、褒めたりフィードバックしていくことで相手のマインドセットも変わると思うので、そこを意識していきます。

そして面接時、今では達成経験しか聞いていませんでしたが、失敗や挫折経験も聞いてみて、その人が現時点ではどちらのマインドセットが強いのかをみれるようにしてみたいと思います。

特に新卒採用や未経験者の採用時は、現時点でのスキルではなくその後どれだけ成長するかが重要です。その成長度合いを判断するうえでの1つのポイントとしていけるのかどうか検証します。