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伸びる人・伸びない人を見分ける質問

■書籍の紹介
人材を逃さない 見抜く面接質問50
著者:キャロル・マーティン

■はじめに

「面接を受けることよりも難しいことが一つだけある。それは面接を行うことだ。」こんなセリフがありますが、採用担当者の多くは、面接を脅威と感じている人もいる。
その理由の一つとして考えられるのは、採用担当者が面接を効果的に進めるトレーニングをきちんと受けていないことです。

応募者はたいてい、面接に不安を抱いているものです。なかには、自分を売り込むことに気後れする人もいるでしょう。面接担当者がその状況を理解して、意識的に応募者のよい部分を引き出せなければ、売り込みが苦手だというだけで有終な人材を逃してしまうかもしれません。

面接担当者の任務とは、応募者のスキル、資質、過去の行動を明らかにする質問をして、短い時間に最大限明確に応募者の人物像を把握することです。

また、会社ごとの風土や組織の状況、目指したい状態によっても、同じ「優秀人材」といっても会社によってことなってきます。

「●●●の経験があるから」「●●●という肩書をもっているから」という表面上だけではなく、採用した人が入社後、会社で活躍できる存在になれるかどうか、その人の本質をみれる目を持たなければいけません。

今まで、なんとなくいい人そう、優秀そう、コミュニケーション力がありそう、、、と感覚的なところが多かったため、効果的な質問や、その回答からどんなことが読み取れるかをもう一度勉強するため、本書を選定しました。

■本音を引き出す質問

・周囲とのコミュニケーション力を知る

A)今の会社で同僚とどのような関係を築いているか、説明してください。
B)どのようなタイプの人と一緒に働きたいですか。
C)弊社にぜひ採用したいと思わせるあなたの長所を三つ挙げてください。

◎A)応募者が自らアピールしようとして「誰とでもうまくやっていくことができます」と答えたとしても、それが本当に「誰とでも」なのかどうかはわかりません。この種の答えが返ってきたら、「ほかの人と意見が対立したときのことを話してください」と状態ではなく行動に関する質問をする。

・職務に影響する可能性のあるネガティブな問題を知る

A)前の仕事で、大きなストレスを感じたことはありますか。
B)前の仕事で、否定的な評価を受けたことはありますか。
C)仕事に差し支えるような健康上の問題は何かありますか。

◎A)応募者の能力や身体の限界など、微妙な話題について質問するときは慎重のならなければならない。しかし、ストレスとどう向き合うのか、どうとらえる傾向があるのかを知ることができる。

・応募者の積極的なコミュニケーション能力を知る

A)職場の仲間から、あなたはどのような人だと言われていますか。
B)職場で他の人と意見が対立したときのことを話してください。
C)上司や同僚と意見が食い違った経験はありますか。

◎B)ほかの人と意見が「対立したらどうするか」と聞くよりも、「対立したときにどのような行動をとったか」と聞くほうが効果的です。意見が対立したことはない、と答えたら危険。この応募者は自分の意見を主張しない消極的な人物なのかどうか、さらに質問を重ねる必要がある。

・失敗したときの対応力を知る

A)これまでの職歴で最大の挫折はなんですか。
B)職歴を一部リセットできるとしたら、何を変えたいですか。
C)仕事の期限に間に合わなかったことはありますか。

◎A)さまざまな答えを得ることができるので最も効果的です。問題を乗り越えるプロセスが重要なので、「問題に直面したときに応募者がどのように判断したか」に注意して答えを聞くこと。逆境でも決断力と精神力を発揮できる人材を探せる。

バズ部の方も以前、面接で必ず聞いていることはありますか?と質問したときに、「今までの仕事で最も大きなミス」を聞くとおっしゃっていました。この回答により、その人の中の価値観や、ミスをしたときどう行動するのか、他責になるのかなど様々なことがわかるからとのことでした。

・面接質問の秘訣①

行動に関する質問をする。
応募者の仕事上の過去の行動について明らかにしていくことはとても重要です。過去の行動を知ることで、応募者が将来どのような業績をあげるかを判断することができます。なぜなら、応募者は同じ行動を繰り返す可能性があるからです。

応募者が実際にその行動をとったときの具体例を挙げてもらう必要があります。
・どのような問題または状況が起こったか。
・問題または状況を解決するにあたってどのような行動をとったか。
・どのような結果または成果を得ることができたか。

応募者が具体例を挙げて答えられなければ、さらに質問を続けて話の全体像を把握する必要があります。

■返答から人材を見抜く

面接時の応募者からの返答には、単にその事象について知るだけでなく、こちらの言うことをよく聞いているか、的を得た回答ができているか、論理的に話せるのか、などたくさんのことを知ることができます。
本書に紹介されていたい内容から1つ返答から見るポイントを記載します。

・根気強く努力しなければならなかったときのことを、例を挙げて話してください。

この質問に対しての返答で見るべきポイントは以下です。

・応募者が質問をよく聞いて答えているかどうか。
こちらが「~したときのことを、例を挙げて話してください」と質問しているので、応募者は例を挙げて答えなければならない。
もし、応募者者が具体例を挙げることができなければ、その返答には何の意味もなく、真実を述べていないと判断できる。

・面接質問の秘訣②

応募者の返答に関心を示して耳を傾ける
面接担当者に傾聴力があり、応募者の話に関心を持っていること示すには、次のようなテクニックがある。

1.応募者の言葉を繰り返す
2.聞いていると態度で示す
3.エネルギーを傾ける
4.積極的な態度で示す
5.うなずく

特に、「3.エネルギーを傾ける」は応募者から感じられる勢いややる気の有無は、面接担当者の態度を反映している。多くの応募者は、面接担当者の姿勢や態度に影響を受けているものである。

とありましたが、たしかに応募者の立場になってみると、やる気の感じられない面接官や、態度の悪い面接官に自分のベストな状況で臨めるかといわれると難しいかもしれません。部下は上司の状態を表しているとよく言われましたが、面接でも同じだと感じました。

■まとめ

本書を読んで、今月からまた面接が多くなってくると思いますが、面接の質問も、何を知りたいのか、この質問から自分は何が読み取れるのかを準備してから臨もうと思いました。

今まで、面接の内容を後日聞き返したことありませんでした。セミナーや営業では商談や講義の動画やレコーディングをして振り返りやロープレなどを行っていましたが、面接でいらなくなったわけではありません。今後はレコーディングして、応募者はどういう意図でその回答をしたのかなど、その場だ毛ではなく振り返りも行うようにし、よりよい人材が獲得できるよう面接の精度をあげていきます。



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