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【日本に来る?こない?】2018年6月にリクルートHDが1300億円で買収したグラスドア、一体何ができるの?徹底調査してみた【詳細機能編】

こんにちは、エモトのHRです。

前回に引き続き今回も、今後大注目のサービス「Glassdoor(グラスドア)」について徹底解説いたします。

<前回はサービスの概要など、基本情報をご紹介しました>

「Glassdoor、グラスドアって最近よく聞くけどいったいなに?口コミサイトでしょ?」…いいえ、実はそれだけではありません。

Glassdoorはリクルートさんが2018年5月に1300億円で買収したサービスで、アメリカで2位の規模(2017年)にあたります。そして、CMでもおなじみIndeed-HR業界の皆さんにとっては、今や採用活動を語る上で外せないサービスなのではないでしょうか-こちらは、リクルートさんが10年程前に1130億円で買収しています。

つまり、グラスドアはIndeed以上の価値があると踏んで買収されている訳です。今のリクルートHDにはIndeedがあるので、Indeedとの連携も含め今後の期待が高まります。

そんなグラスドアですが、サイトは英語表記ばかりで馴染みのない方も多いはず。ということで今回は、実際のサイト画面を日本語で詳しく解説していきます!

▼動画でもわかりやすく解説しています!ぜひご覧ください!


画面・機能紹介(ログイン画面)

それでは早速画面を見ていきましょう。

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Glassdoorは会員登録が必須のサービスなので未ログインの状態では必ずこのような画面になります。(今回はGoogle翻訳を使用してご説明していきます)

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まず初回ログイン時はこのような画面になり、あなた自身の情報を求められます。
ここで入力する必要があるのは職種、勤務地、勤務している企業ですが、これ以外に給与情報も次の画面で求められます。最後に現職企業についての口コミ情報も求められますが、現時点ではスキップすることも可能です。

画面・機能紹介(トップページ)

これらが終わると、グラスドアのトップページが表示されます。

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画面の上部に 今日は何を探検したいですか?という、ちょっと日本人には馴染みのない表現がありますが(Google自動翻訳なのでご了承ください…!)、ここがグラスドアの真髄たる口コミ情報についての機能が集約されている部分です。

左から順番に「ジョブズ」(求人情報)、「企業」(企業の詳細な口コミ情報)、そして「給与」。

これは各企業での役職・職種でどのくらいの給与がもらえているのかの給与情報を表示しています。

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「給与」についても、後ほどご紹介しますね。

そして最後に「インタビュー」です。面接で聞かれた質問と回答について記載されています。面接を受けた人でなくても「自分ならこう答えるな」というものを投稿することもでき、面白い機能です。

口コミ情報はそれぞれ、会社、給与、インタビューから構成されています。まずは会社から見てみましょう。これは会社の評判を会社名検索で見ることができます。
試しにGoogle様を検索してみると…

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このような画面になります。

1万9千件のレビュー、1900件の求人、5万1千件の給与情報、1300件のインタビュー情報…などなど、いっぱいありますね。さすがGoogle。
ではまず、口コミ情報からみていきましょう。

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こんなふうに会社全体の口コミ概要が表示されてます。
5つ星での評価、友人へのおすすめ度、CEOに対する評価や長所と短所の概要ですね。

画面真ん中あたりのところに「あなたの信頼が私達の最大の関心事であるため、企業はレビューを変更または削除することができません」と書かれているのですが、グラスドアは匿名性を最大限に重視しているので、決して投稿者の情報は公開しないし一度書き込まれたレビューを削除したり変更したりすることはない、と明言しています。

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グローバル展開している企業ならではの表示ですが、人口統計による評価、というものも出ています。アジア人、黒人またはアフリカ系アメリカ人、ヒスパニック系またはラテン系、白人…など人種や民族ごとでの評価をわかりやすく表示していますね。これは性別や性的指向、障害によっても表示を切り替えることができるようです。

画面・機能紹介(会社名検索/グーグルを検索してみた)

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まずこれですね。
このように、グラスドアの口コミはかならず青字の部分の口コミタイトル、長所と短所を記載しなければなりません。良いところだけを書くこともできませんし、悪いところだけを投稿することもできません。フェアな仕様です。

長所の上に「○おすすめ、○CEOの承認」…と表示されていますが、これは他人へのおすすめ等がぱっと分かるようになっています。これらは○の評価ですが、✕になっているものもあります。

画面・機能紹介(会社比較/グーグルvsマイクロソフト)

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会社のレビューには、こんなふうに気になる企業同士を比べる比較機能もあります。

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これはGoogleとマイクロソフトを比較してみた場合ですが、こんなふうに転職候補の複数社で比較することができるのです。給与や従業員の声もそれぞれ比較することができるようです。

たくさんデータがあることが前提ですが、このように比較機能が充実していると転職活動には非常に便利ですね。自社の採用担当はここを見て採用のブランディングについて考えるきっかけにもなりそうです。

そしてここまでデータを揃えて多面的に求職者へ情報提供できる、というところがグラスドアの大きな強みなんだと思います。

画面・機能紹介(給与のクチコミ・給与情報)

次は、給与の口コミを見ていきましょう。

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給与口コミのトップページでは、こんなふうに職種や役職ごとの表示がされています。
ここではソフトウェアエンジニアの平均給与が年間約15万ドルですから、日本円で1500万円くらいだということがわかりますね。

さらにその詳細を見ていくと、このような画面になります。

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平均基本給で約1375万円、追加で200万円くらいもらえる、ということですね。他に、ストックボーナスやコミッションもあるみたいですね。

この画面の右上に緑の盾みたいなマークがあり、そこに「非常に高い信頼」とあります。これはグラスドアに蓄積された情報において、この給与情報が非常に信頼度が高い、ということをグラスドア独自のアルゴリズムによって判別しているようです。

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また、給与情報ではGoogleとよく比べられる他社の情報も関連情報として表示されます。マイクロソフトやFacebook、なんですね。もし自分が転職活動していたら、この情報は非常に有益な情報になりますね。


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グラスドアの給与口コミには、Salary Calculator(給与計算機)というおもしろい機能があります。

今働いている企業、勤務地、職種、経験年数、今もらっている給与について入力。そして最終学歴、性別、誕生年を入力してみます。すると…

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実際にもらえるであろう給与から、実際の給与がどのくらい多いのか少ないのか?また、同じ地域で働く同職種の人と比べてどうか?というところが表示されるのです。

膨大なデータをもとに算出したであろう結果なので、ちゃんと入力して判定すればそれなりに信頼度の高い結果だと思います。

画面・機能紹介(インタビュー/面接での質問)

では次はインタビュー(面接での質問)について見ていきます。これは転職活動している人にはめちゃくちゃ重要な情報ですね。早速見ていきましょう。

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左の円グラフから順番に、「経験」「面接を受ける」と表示されています。「経験」は、実際に受けてポジティブだったかどうか、「面接を受ける」は、面接を受けるに至った経路のことかと思います。
オンライン面接の可否、従業員の紹介、リクルーターや人材会社経由かどうか、というのが書かれていますね。
そして一番右端には、面接の難易度が5段階で書かれています。

個別に見ていきましょう。

2014年の投稿で少し古いですが、人気順にソートすると以下の口コミが1位になっているものでした。

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まず青字の部分が職種ですね。そして勤務地がカリフォルニア州のマウンテンビュー、ということで本社勤務の方ですね。

その下に緑のチェックで「承認されたオファー」と表示されています。つまり、この方はここで紹介している面接の質問とそれに対する回答をして、その結果採用されたということですね。もちろん採用に至る判断がグラスドアに記載されている質問と回答だけではないと思いますが、このように実際に採用されたと思われる人からの投稿は参考になりますよね。

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「✕難しい面接」は、この面接の難易度が高かったということを示しています。(他の情報だとここが「簡単な面接」となっているものもありました。)

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「応用」というところ、これは翻訳でおかしくなっていますがapplyのことで応募に至った経緯などが書かれています。この方は既存の従業員の紹介で入ったようですね。手続きに4週間かかった、とも書いています。

その下には、面接で聞かれた質問が非常に詳細に書かれています。
実際に面接で聞かれたであろうリアルな質問が書かれていますし、このような質問内容まで公開されている日本のサイトはほぼ無いのではと思います。強いて言うなら「みん就(みんなの就職活動日記)」くらいでしょうか。

画面・機能紹介(福利厚生)

面接の質問だけではなく、福利厚生に関する口コミも充実しています。この機能は2014年から運用されているもので、こちらにも非常に沢山の情報があります。
たとえば、Googleだとこんな感じです。

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ここだけ見てもわかりますが、非常に良いですね。五段階評価で4.7。それぞれの口コミも非常にポジティブです。

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さらに働く場所の情報を提供するものとして、オフィス内の写真もアップされています。食堂の写真など、従業員でしか入れないエリアのものがほとんどと思われるのでこれも転職希望者にとってはうれしいですね。

写真は自由にアップロードできるようですが、アップロードの際には個人が特定できるものを載せないことや著作権に配慮することなどガイドラインもしっかりと表示されるようになっています。

画面・機能紹介(求人情報)

最後に、求人情報についてご紹介します。

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このように最近の検索、などがトップページでわかるようになっています。
この画面では営業担当者の求人が表示されていますが、これは自分が会員登録したときに入力した現在の職種に関連したものが出ているようです。

これらは単なる求人情報ですが、他の求人サイトにはない機能で面白いのは、「キャリアインサイト」という機能。詳しく見ていきましょう。

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このキャリアインサイトは今自分が働いている地域、職種を入れることで同じ地域で同職種の人の平均給与を知ることができます。先程、Googleの画面で表示していたのはその企業でどのくらいもらえそうか?ということでしたが、この機能では地域と職種での平均給与を知ることができます。

こちらの画面では、東京近郊で、職種が営業の人の給与は平均で約502万円と表示されています。左側の「年功序列」という箇所では、役職がステップアップすると大体どのくらいもらえそうか?ということが役職のステップごとでわかるようになっていますね。

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さらには関連する求人情報も表示されており、もっと貰えそうな職場はあるか?今の職場より評価が高いところがないか?など、すぐに求人情報へアクセスできるようにもなっています。

グラスドアとIndeedの連携について

最後に、グラスドアとIndeedの連携について解説します。

すでに2020年7月にグラスドアが発表している通り、Indeedとグラスドアの連携サービスがグラスドアのサービス圏内で始まっているようです。

つまり、Indeedの有料広告を使うとGlassdoorでも求人情報が掲載され、どちらからも応募者を獲得できるようになっているということ。すごいですね。

また、会社のブランディングをするための機能が統合され、Glassdoorのエンプロイヤープロフィール(会社ページ作成機能)とIndeedのカンパニーページプレミアムの両方で会社のストーリーを掲載できるようになったそうです。

IndeedのカンパニーページとGlassdoorのカンパニーページは、出ている項目がすごく似ているのですが、裏でつながっていてデータが共有されているのかもしれません。

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特にこのヘッダーのメニュー周り、めちゃくちゃ似ていると思いませんか?グラスドアの目玉機能の一つであるインタビューが、Indeedだと面接というタブになっています。その他の写真や給与などのタブは同じですね。

まだIndeedのほうに給与などの情報がありませんが、ゆくゆくはこれも変わってくる可能性があります。

まとめ&「グラスドアは日本に来るのか?来ないのか?」エモトの見解

さて、いかがだったでしょうか。
グラスドアがすごいところはこの4点だと思います。

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特に3は、こうすることで、求職者は多面的に自分が働きたい職場を判断できるようになっています。この口コミ情報をベースにした様々な情報が求人情報と結びついているサービスは他にはなく、グラスドアの最大の武器と言えます。

そして4も、今後目が離せないポイントですね。
日本への展開についてはリクルートHDは一切言及していませんが、Indeedとの連携、日本はどうなっていくのでしょうか。

ここからはエモトの持論を語らせていただくと…

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全くの持論ですが、来週くらいに「来る」って発表されたら恥ずかしいですが、、グラスドアは日本には来ないと思っています。

「来ない」という根拠がどこからきたか?というと、2点あります。

◆Indeedで実現していくのではないか?という点

まず、日本市場におけるIndeedの強さが今どんどん上がってきています。実は、Indeedのカンパニー情報という会社情報のページもどんどん充実してきていて、その中に口コミもあるんですよね。
動きを見ているかぎり、日本においてはIndeedにグラスドア的な情報もどんどん持たせていき、情報の差別化をはかっていこうとしている気がします。

◆日本語の壁という点

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現在のグラスドアのサービス提供エリアは、原則英語圏の展開になっています。この手のサービスを日本展開する時、いつも「日本語の壁」があるように思います。
頑張って日本語版を作っても、基本的に日本人以外には広がりません。これは日本語だけではないですが、いわゆる言語の壁ですね。
そんな課題がある言語に対して、果たして積極的に参入してくるのか?というと、優先順位は低いのではないか?と思います。よりグローバルに展開できる言語の国を優先するのではないでしょうか。

さらに突っ込むと、今のアメリカのIndeedやグラスドアから見たときに、これ以上の日本マーケットの広がりをどう捉えているか?と考えると「うーん、どうなんだろう??」という気がしますね。
いまいち日本マーケットにおける情報の広がりに、今のところ求人における口コミの相性の良さというのが見えないかなと感じています。

上記のような点が、グラスドアは日本には来ないんじゃないかなと個人的に思う理由です。もし参入するとしても、他の言語圏を優先するのではないでしょうか。

今後もエモトのHRでは、HR業界にかかわる皆様の関心のありそうなネタを徹底的に調査・解説していきます。気になるギモン・ご質問・調査依頼…などなどあれば、お知らせください!次回もどうぞお楽しみに!

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■スピーカーのプロフィール
・江本 亮
2005年より求人メディアがASPにて安価で早く提供できるシステム「ジョブメーカー(https://jobmaker.jp/)」にて自社サイト・オウンドメディアによる採用成功を支援、構築実績はこれまで200社以上に及ぶ。「反響があがる求人広告・求人メディア」をテーマに、「indeed対応の自社求人サイト構築システム」の開発などを手がけている。

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企業名:株式会社EMO

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