「ももクロに学ぶ奇跡のチームづくり」に学ぶ、今どきのキャリアのあり方
こちらのnoteから得られたインサイトをベースに、キャリア自律論になぞらえて「やるべきこと」とまとめてみた。
一般的なビジネスマンの話に置き換えても、
「セルフプロデュースができる人でなければ、ビジネスの世界でも生き残っていけない」
と言うこともできそうだ。
「運営側から投げかけたことしかしないタレントが、消えていくのを見ていましたので」
というのもグサっと刺さる言葉だ。
マネジメントサイドから指示されたことしかしない人材(タレント)は、どのような業界であろうが、この先、生き残っていくことはできない。それこそ、AI入りのシステムやその他の最先端テクノロジーによって代替されていく。
また、ここで「セルフプロデュース」というのは、自らが担っている任務・職責を自らの言葉で表現することができ、かつ、それらの遂行・全うのために自らが有する「強み」や「特徴」のうち何をどのように活かすことができているのかを認識できているという状態に近い。
ちなみに、「強み」や「特徴」は、(広義の)スキル(Knowledges, Skills, Abilities and Others)およびパーソナリティと言い換えることができる。
「自分の言葉で表現しよう」ということに関して、SP総研では「セルフジョブ定義」という手法を提唱している。
このワークショップを通じて自らの手で自分のジョブ定義書を書き上げると、「自分たちのビジョン」(Myパーパスでも良い)を表現するための下地ができたことになる。
「情報感度を高めて、さまざまな事象から学んでいきましょう。」
というのは、IT業界にとどまらずあらゆるビジネスマンが持つべきマインドセットだ。キャリアを切り開いて行く上でも、どんなに小さな(一見、そう思われる)出来事でも、自分なりに「意味付け」していく習慣をつけると良い。これはスキルの名称でいうと「Sense Making」と言われ、あらゆるビジネスの現場で注目されているスキルの一つだ。
「スポーツでも遊びでも何でもいいから、好きなことに自分を重ねて学びましょう。」
というのは、「ラーニングアジリティ(学びの素早さ)」ということとも連動していると思われる。
ビジネス環境も目まぐるしく変化する中、キャリアを切り開く上で必要となる(広義の)スキルの種類も激しく変化していく。自分の苦手なもの、不得意なものについて嫌々習得するよりも、好きなこと、得意なことをベースに新たなスキルを獲得していく方が「素早く」それができるであろうことは容易に想像がつく。
「刺激を与える側になりましょう。何かを変えていく側になりましょう。自律する側になりましょう。」
ということも、「キャリア自律」のために必要なことと重なる。
組織から常に何かをしてもらうのを待つのではなく、自ら進んで独創的なアイディアを出し、「どのような仕組みがあれば一人ひとりがもっと輝くことができるか」という観点で具体的な方法を提案していくべきだ。
ここで重要なのが、最初から欲張って「みんなのため」になることを考えるのではなく、少しわがままな発想でも良いので「自分が最も輝くためには」(持ち味や強みを活かして最適なパフォーマンスを出していけるようにするためには)という観点で組織としてやってほしいことをマネジメントサイドに伝えていこう。
昨今、「キャリア自律」の重要性が盛んに喧伝されている。その流れに合わせて「キャリア自律」のマインドを醸成するためのセミナーや教育研修の世界も活況のようだ。しかし、マインドだけ醸成されたのは良いが具体的にどのようなアクションを取れば本当の意味での「キャリア自律」が実現されるのか、ということまで丁寧にガイドされることもほとんどないように思える。
「キャリア自律」のために絶対的に必要なこと。まず初めにやっておくべきこと。それは、「ジョブを自分ごと化」することだ。そのような目的においても有用なのが、前述の「セルフジョブ定義」である。
以上、キャリア自律の観点でまとめてみたが、これらの具体的な施策というのは「人的資本経営」の根幹をなすものでもあり、逆に、真の「人的資本経営」とは、従業員一人ひとりがパフォーマンスを持続可能な状態で発揮できるように組織運営や仕組みづくりを行なっていくような経営手法のことである。
このようなことについてまとめたのが下記の書籍である。
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