半年お預け食らってたやつ

わたしはディズニーのアニメーション作品の新作は必ず映画館へいくようにしている。

今年の3月、「2分の1の魔法」という作品が公開される予定だった。だが、このご時世に巻き込まれ、公開延期に、ずるずると引き延ばし、今日、ようやく封が切られた。

ピクサーが「今後こんな作品作りまっせ」と発表してきた時のの原題が確か「A One Half magic」だったような気がして(記憶が間違ってたらすいません)邦題があまりにもそのまんまで笑っちゃった記憶がある。が、なんと知らぬうちに原題が「ONWARD」に変わっていた。「前進」という意味だ。
確かに、この作品主人公2人の前進を表している映画ではあった。

主人公は2人、兄弟のエルフである。
そう、エルフです。あの指輪物語とかに出てくるやつ。
一応この世界観的には、空想上の生き物(妖精・エルフ・サイクロプス・ユニコーンなど)が現代社会のような生活をしているという設定。あれ、このメンツでディズニーだったら絶対ファンタジーなお話じゃないのか?と思うかもしれないが、残念。魔法はもう過去のものとなっている。
なんか昔、なんかの手違いで魔法世界に入ってしまった少年が、そっちの世界では空想と言われていた「科学」を使える超人と扱われる小説があったのだが、それを思い出した。それの行き着く先なのかな…

まぁとにかくその兄弟の弟、イアンは引っ込み思案で自分に自信がないタイプの16歳。一方で兄のバーリーはフラフラしてるタイプの兄貴、19歳。「大学いってくれ」とお母さんが劇中でぼやいているので、フリーター?ニート?でも底抜けに明るい。
2人の母親曰く「怖がりと怖がらなさすぎ」な2人。
その2人にとって、どう前進したのか、イアンは心の成長だった。だが、バーリーは、父への後悔だった。

この作品、正直ピクサーにしては凄く地味な方だと思う。個人的にすごい変わったストーリーでも、変わった設定でもないかなと思った。(まぁ強いて言えば、お父さんが作中9割くらい下半身しか現れないのはめっちゃ斬新)
だが、この作品はなんだろう、実写映画のような、リアリズムを感じた。
昔、今敏監督の作品を見た時と同じ感想だ。え、このアニメ、実写でも行けんじゃね?あーでも、この表現方法はアニメの方が楽?というかわかりやすく表せるかな?とかでももし、そういう特殊描写のない、人と人の話だったら、実写でもいけんじゃない?と思った。
今回それと全く同じことを思った。これ実写でもいけんじゃねぇかと。それくらい、映画として、実写映画でよくやる心模様をうつす「演出」とか、机上では訴えられない登場人物の心模様を凄く巧みな演出でこなしてたなぁと。
ネタバレになるのであまり書けないのだが、最後のあのシーンは2回観に行って2回泣きました。
最初は、彼らと境遇が全然違う私が、果たして泣けるんだろうか?なんて思ってたけど、ずっと映画を見ていると、最後のシーンはもうちょっと無理ずびずび。

多分こんなご時世だし爆発的なヒットにはならないと思うが、ディズニーでいう「オリバー」のような、「誰も知らないけど見たらめっちゃええやんなにこれ」ってなる、まぁ隠れた名作になりそうな予感。

あとスキマスイッチの「全力少年」が思いの外合っていて、吹替版はエンディングでも泣きました。馬鹿です。

まぁお暇ならぜひ見に行ってください。
両方見に行きましたが、
字幕をお勧めします。
あ、でも吹き替えの志尊くんと城田優兄貴はめっちゃ良かったと思います(声似てたし)
ただ、クリスプラットには勝てねぇなしゃーない