過去の自分を肯定できるかは、今の自分次第〜株式会社dinii 野島さんのキャリア〜
人事のキャリアについて深掘りするメディア「HR CAREER LAB」では、日々同じように頑張る「社外のライバル」や「一歩キャリアの先を行く人」の歩んできたキャリアの体験談を紹介しています!
今回は、株式会社dinii 野島航さんにこれまでのキャリアについてお伺いしました。
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インタビュイーのご紹介(野島航さん)
ベンチャー企業の営業で知った自分のモチベーション
新卒の就職活動では、周囲が大企業を目指していたので、当初はなんとなくその流れで大企業を受けようと思っていました。元々、自分が使っているサービスや日常生活に不可欠なインフラ等の業界に興味があり、人々の生活に関わりの深いものを仕事にしたい気持ちがありました。
一方で、視野を広げておきたいという思いもあり、大企業の就活開始前にベンチャーの会社紹介にも参加してみました。その際、ベンチャーの方が働いている人たちに活力があり、大企業と比べて人事だけでなく現場の社員もキラキラしていると感じたため、その後ベンチャーでの就職活動をメインにし、人材紹介のベンチャー企業で営業として働き始めました。
実際に仕事を始めてみると、最初の配属は経営顧問を紹介する営業だったため「社長」や「経営陣」を相手に営業をする必要があり、新卒の自分には知識も経験も足りておらず、正直大変なことが多かったです。社会人って、こんなに辛いのか!思い描いていたものより全然キラキラしてない!!って(笑)
その後も営業を頑張りましたが、扱う商材の難しさもあり、なかなか成績が出ずに思い詰めてしまった時期もあり、転職を決意しました。最終的に転職しましたが、営業先の社長や経営層と話す中でキャッシュフローの重要性を知ったり、販路開拓や採用、資材調達等の悩みに触れることで「会社経営とはどういうものか」「経営層はどういう目線で自社を見ているか」といった視点に興味を持ち始めたりし、事業の全体像が把握できるベンチャーのコーポレートにキャリアの舵を切れたのは、自分にとって必要な転機だったと思います。
当時は「自分が全体に影響を与えられそう」ということが理由でベンチャーに惹かれたため、もう少し全体観をみることができる職種の方がモチベーションが続きやすく、営業だと若手は一番現場に近い場所にいるので、自分のモチベーション維持が難しかったのだと思います。
また、この時期から、読書や映画等でたくさんインプットを得るようになりました。元々プライドが高くてネガティブ思考なタイプだと思っていたので、そんな自分を変えたくて、自分が楽しく生きるにはどういうスキルが必要なのか、楽しく働くにはどういう考え方や価値観を持つと良いのか等「自分の中身を全部入れ替える」覚悟でインプットをしていました。
「企業経営の全体観」を身につけるため、コーポレートへ
その後、経理を中心にいくつかの企業でコーポレートの経験を積みました。「自分が使っているサービスや日常生活に不可欠なインフラ」に関わりたいという原点に立ち返り、LINEのミニアプリやサイネージ広告等の身近な事業の会社で働きました。会社規模としては、自分たちの頑張りが会社の成長に繋がるような、ベンチャーの規模感を選んでいました。
今振り返ると、自分がベンチャーで働き続けるのには、高校時代の部活動での成功体験が根底にあると思います。ハンドボール部だったのですが、顧問の先生は日本一の実業団出身で指導力があるのに対して、部員はほぼ未経験初心者でした。そうなると「全員がバランスよく色々なことができるチーム」を目指すには時間が足りないので、「自分が得意なとこに特化して伸ばして、メンバーと補い合い、10X*で成長するチーム」を目指したのですが、その結果強豪校にも勝てるようなチームに育ちました。 *10倍の目標を掲げることで大胆に成長すること
「経験」よりも「強み」にフォーカスして、お互いに同じ目標に向かって進めば、大きな成果が得られるという体験が、ビジネスにおいてはベンチャー企業の少数精鋭で事業を立ち上げていく姿と重なった部分があり、自分には馴染みやすかったのだと思います。
経理という立場だと、全社のお金の流れから企業活動の全体を把握できるので、職種としても自分に向いていると感じていました。当時は、最終的にベンチャー企業で管理部長になってというキャリアを目指すのかなぁと、ぼんやり思っていました。
「飲食業界」✖️「人事」という、奇跡的な出会い
次の転職先を探しているタイミングで、ダイニーと偶然出会いました。「飲食業界」と「人事」というのはどちらも、自分が過去に諦めた道でもあったので、奇跡的な出会いだったと思います。
「飲食業界」については、就職活動の際に悩んだのですが、自分自身が業界で生き残っていけるか自信が持てず、諦めた道でした。 元々外食が好きで高校卒業してから飲食店でアルバイトを始めたのですが、礼儀も何も知らない学生時代の自分に「社会」を教えてくれたのが飲食でのアルバイトで。挨拶の仕方、他人への接し方、礼儀、目標を立てて達成する姿勢等、生きていく上でも大事なことの基礎を教わりました。
ハードだけど非常に楽しい職場で、当時は飲食業界にこのまま就職したいという気持ちもあったのですが、この業界で仕事を続けていけるのかの自信が持てず、当時は断念しました。一方で、人として自分を育ててくれた飲食業界に何らかの形で恩返しがしたいという気持ちは、根底に抱き続けていました。
ダイニーは「飲食をもっと楽しく面白く」をミッションに、テクノロジーで飲食業界の課題を解決しているスタートアップです。モバイルオーダーを開発している企業だと思われがちですが、POSレジやハンディ、キッチンディスプレイなど店舗のオペレーションに必要なプロダクトを複数開発しており、さらには来店したお客様のオンライン化(CRM)も実現し、飲食店のリピーターづくりや売上向上にも貢献しています。
自分が入社を検討する時点ではまだモバイルオーダーとPOSシステムくらいしかなかったのですが、その先にCRMやFintech等の展開を見据えていたので、そんなダイニーで働くことで「飲食業界に何らかの形で恩返しがしたい」という思いが実現できると確信して入社を決めました。
「人事」についても、憧れてはいたものの、"自分がなれる職業"としての選択肢に入っていませんでした。大学時代に教育学部で「企業内教育」を主に研究していて、中原淳先生等の本もたくさん読んでおり、人事職には興味を持っていました。一方で、勉強した結果として「人事はなりたくてなれる職業ではない」「企業の中で実績を作って、会社のことをよく理解している人が人事に選ばれる」という印象があり、今まで一度も人事での就職活動をしてきませんでした。
そのような背景がある中で、元々別職種で応募していたダイニーで「人事やってみない?」と提案いただいた時には、本当に驚きました。
ダイニーで、未経験人事への挑戦
実際にダイニーで人事を始めてからは、土日になると「早く平日にならないかな!仕事がしたいな!」と思うくらいには仕事が楽しいです。入社時は当時のHRマネージャーの方とチームメンバーと自分の3人で分担し、私は主にビジネス/コーポレート職の方の採用、オンボーディング、評価制度の運用等から業務を広げていきました。
入社後は社内のいろいろな方に1on1をお願いして、今自社が提供している価値や抱えている課題を把握するところから始めました。同時並行で人事に関する書籍を読んだり、コミュニティ等に参加して情報を集めたりすることで、人事特有の知識をキャッチアップしていきました。自分を採用してくれた当時のHRマネージャーの方がいたため、気軽に質問できる環境でもあったので、安心して立ち上がることができたと思います。
今まで経理で扱ってきた「数字」と違って、「人」は思う通りに動いてくれないので大変です(笑)ただ、裏を返せば「人」の力を持ってすれば想像以上の成果が出ることもあります。大学で勉強した組織開発の理論等が全然通じず大変に思う一方で、想定外の成果が出た時には「これだからこそ人事は面白い」と思っています。
過去の自分を肯定できるかは、今の自分次第
巡り巡ってダイニーに出会い、飲食業界に貢献するプロジェクトの人事という仕事に就いていますが、他の仕事の経験も確実に人事の仕事に活きていますし、過去の経験を今の自分が活かすことで、過去の自分を肯定できるようになるものだと思っています。
未経験で人事に飛び込むことができたのは、一社目が人材紹介会社だったため、「採用なら何とかなるかもしれない」と思えた部分が大きいですし、営業が辛かった時期に読んだたくさんの本が、組織課題の分析や解決のためのアイデアの源泉として自分を支えてくれています。また、経営者の方を相手に営業した経験は、ハイレイヤーの方との面談での会話や現職での経営メンバーとのコミュニケーションに役立っていますし、コーポレートで数字を見ていた経験は、事業戦略や組織戦略を理解する上で役に立っています。もちろん、当時は今の経験が将来の役に立つなんて全く予想していませんでした。
どんなピンチでも捉え方を変えればプラスに転換できると思っています。辛い時期に必死に取り組んだ仕事や苦しい出来事を乗り越えた経験が、ダイニーで人事として活躍することで「必要な経験だった」と思えたように、これからも自分が選んできた道を、自分で正解にしていきたいです。
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キャリアインタビューを最後までお読みいただき、ありがとうございました。インタビューの後編は人事のための無料コミュニティ「ひつじんじ」にて限定公開しております。コミュニティへのご参加申請はこちら よりお願いいたします。
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