見出し画像

東欧ひとり旅

ひとり旅に行ってきました。初めての。未だに実感が湧かんぐらい夢やったんかなあという感じで現実味もなくSwedenに戻った今もまだふわふわしている。でもこれもきっと大事な経験やから忘れへんうちに言葉にして残しておこうと思います。

行き先はPoland、Hungary、Austria。東欧3カ国。4年前、初めての海外旅行でCzechに行ったときから絶対また戻りたいと永いこと思ってた。学校で東欧の街並みがすきやねんって友だち話してたら、昔同じ国やったでって教えてくれた。初めての海外ひとり旅の行き先が決まった。

まだSwedenに戻って数日やけど、この旅で得られたものを端的に表すなら、原点回帰と次の目的地をクリアにできたことやと思う。自分のルーツと夢のはじまりを改めて見直して、次にやりたいことも出てきた。あとは、ちゃんと続けてれば必ず形になるんやなということも分かった。何より、自信がついた。(まぁ多分すぐあかん!ってなるんやろけど)

そんな感じでサバイバルな7日間のことをちょっとだけ振り返ってみようと思います。でもあまりに濃くて強くて儚かったから、未だに何と表現していいのか考えあぐねている。きっと正しい言葉ではないかもしらんけど、とりあえずやってみる。言葉足らずもご愛嬌で、よろしくお願いします

私は街と建築と人。そこにある温度、それに関わる文化に興味があって、そうゆうところを見ながら歩いたり、考えたり、人と話したりした。のでもしかしたら人によっては興味がないかもしれないが、ごゆるりとお付き合い頂けると嬉しいです。🌻


訪れたGdańsk 、Budapest、Viennaのことを1つずつ振り返る。

-

Day1 Gdańsk

色が生きてる。そのまま残してる、いや遺してる。合成着色料じゃない。それがこの街の第一印象やった。

PolandといえばWarszawaとかKrakówが真っ先に上がるけど、私は何故かGdańskに行った。前日までほぼ場所を把握してなかったが、Poland北部にある港町。理由はシンプルで航空券が安かった。片道2000円。行くしかない

何よりも印象的やったのは、旧市街地の色が生きてたこと。自分のやりたいスタイルを見たような気がした。残すものと補うもののバランスが凄く優れているように見えた。それはただ手が行き届かんと自然に朽ちた姿なのかもしれんけど、下手にやるよりずっと渋みがある。新旧のギャップも面白くて、めちゃくちゃクラシックな中世の建物の中にHard rock cafeが入ってたりした。それがただ1つだけでは無く街中に当たり前に溢れてた。

でも夢がぱちっと終わるみたいに、一瞬で過ぎてしまった。ひとつ通りを越した先には、中世とは程遠いコンクリートの道路と現代的な街並みが広がる。このスタイルが遺れることもこの場所にあり続けることにも、きっと限りがあるんやろう。現実は甘くない。

同時に、自分がヨーロッパに留学に来た理由がやっと、すとんと落ちるようにわかった。建築が年月を流れるほど価値を増すこの欧州で、その残し方を見にきたかったんや。ただその方法と姿を見て、感じて、盗んで、自分の糧にしたかった。だから来たのか。感覚的なものが言葉につながるまではやっぱり時間と経験、そして手間がかかる。

歩きながらこの美しい街並みと、歴史と、文化をどうやって現代に置き進めてきたのかを想像してみる。川越を思い出した。川越にも一線を越えたらすぐ現実があった。倉敷は違かった。帰ったら京都、ちゃんと見にいこうと思った。


Day2

Gdańskの旧市街地には不思議なキャッチが多かった。急にバラを差し出されたり、俺はヒーローを探してるって声かけられたりした。どっちも丁重にお断りした。あとはピエロがでっかい荷物持って歩たりしてた。

安い宿はwifi がへぼくてお風呂あがりにwifi探しの旅に出なあかんかった。洗濯も最初のおばちゃんはできるって言ったのに、いざ持ってったら別の人に24時間かかるって言われた。どんなけ洗濯すんの。潔く諦めた。もうむやみに宿代ケチるのはやめる。

あとは、Gdańsk空港のチョコクロワッサンが1番美味しかった。チョコがもうキラキラしてて、食べてって顔してたから買った。もう、ほんまに、美味しかった。

-

道中 Slovakia

GdańskからBudapestへ。バスで16時間の長旅。旧ソ連の影響なのか、Slovakiaの建物は毒々しいような、そこにそれ合わせる?ってゆう奇想天外な組み合わせが多かった。薬みたいな病的な色使いもあって、ちょっと怖かった。途中、前の席のロシアのおっちゃんに話しかけられた。こんにちはとありがとうの次に、ヤクザのワードが出てくる。海外のヤクザ普及率はすごい。できればもっと素敵な日本語を知ってほしいものやけど

-

Day3-6 Budapest !

間違いなく今旅のハイライト。その全てに惚れ込んでしまった。不思議なことに何故か実家に帰ってきたような、すごく懐かしい気持ちになった。英語すら通じひんのに。来る前からきっとどストライクなんやろうと思ってたけど甘かった。3泊の予定を課金して延泊した。全然足りんかった。

Budapestは意味のわからん街。混沌としてるのに、美しい。それが様になるってどうゆうこと?街を歩くたび、通りを1つ超えるだけでも色んな顔を覗かせる。ある建物には中世の名残が。隣にはグラフィティが。上品さとラフさの共存。全く意味がわからん。その引き出しの多さにはほんまに感服した。Hungaryの歴史と文化、そしてこの土地の人のことをもっと知りたい、深く学びたいと思った。

Budapestの美しさは苔の類のそれやと思う。一言で説明するのは難しいけど、ある人は汚いと感じ、ある人の目には美しく映る。そこには時の流れが凝縮されてて、その時間軸を読み取れる人にほど、刺さるんじゃないかと思った。動悸が止まらん。wifiも繋がらへん、ステキ。

実際に街を見てやっとわかった。東欧の色がすきなんや。北欧の空と、東欧の色。はじめてのひとり旅にここを選んでよかったなと思った。居心地が良い。ふと、懐かしく感じるのは電線と交通量のせいかもしれへんと思った。Swedenにはこんなに電線と車がない。どこか下町のような生活感も漂う。 Gellért の温泉で地元のおじいちゃんと話した。日立で働く地元のじいちゃん。どこに行っても、予期せず日本を感じることがほんまに多い。

-

道中 Budapest - Vienna

バスで会ったTurkeyの姉ちゃんはBudapestは良い街やけどインフレと右翼が異様に強い、まぁEuroで稼げば問題ないけどな!と言っていた。どんな街にも良し悪しがある。完璧な国なんて、きっとないんやろう。

BudapestからAustria国境を超えた途端、なぜか電波が通じて、途端にイージー旅になった。DenmarkもPolandも Hungaryも、EU網羅プランを使ってるはずやのにスマホは繋がらんかった。やから移動と探索は下調べスクショとGPS。案外いける。この旅でノリと勘とwifiキャッチ力が格段に上がった。携帯屋さんに交渉するのがだるいだけやけど、その方が冒険ぽくて楽しかったりする。お陰で7日間で100km歩くことにはなったが。伊能忠敬やった。

-


Day6-7 Vienna

やばい。ハプスブルク家えぐい。その一言に尽きた。この街は、やばい。

世界屈指と呼ばれる、美術史美術術館を訪れた。あまりにもその姿が高貴すぎて、宗教画の女の人の目がだいたい死んでることと、殺されかけてる男の人の筋肉いい感じなことしか頭に残ってない。終始、お腹が痛かった。私がこんな場所にいていいんでしょうか。芸術をやる以上何としても来なければ、と思ったけど想像以上にやばかった。自分には10年も20年も早い街。さすがはヨーロッパの都。荘厳にも程があるよう

館内はどこをさわってもつるすべキラリで、いかにこの建築が手を入れて大事に継承されてきたのかが容易に想像できた。清掃のおじさんが、ため息つきながらどう見ても既に綺麗な壁を必死に磨いてたのを思い出す。きっと、こういう努力が何10年、何100年と続けられてきたから、今私がこんな壮大な景色を見られるんやろう。目に映るもの以上に、その奥行きに、数えきれんほどの人の苦労があるんやろうと思った。私もいつかそんなふうに文化を支えられたら、と考えたりした。

上には上がおる。美しい、麗しい。そう思えるものに出会えるのはきっとすごい、幸せなこと。ずっとこんな生き方をしていきたいと思った。働いて学んで、旅に出て、また学んで働いて。世界にこんな文化があってよかったし、この場所に来れてよかった。何よりそれを自分の目で見れてよかった。

とりあえずめっちゃエネルギーを貰った。これからのモチベーションも。もう5€以上やないとクレカ使えんのも何も文句言いません。そんなけお高く止まる理由もわかった。妥当な対応。私が無知でした。ハプスブルク家、勉強して出直します。

-

終わりに

Swedenでの留学、先月のDenmark、そして今回の東欧の旅を経て、街を歩いて、空気を感じて、距離感とものの見え方のことを考えた。人も、ものも、街も、すべて。近すぎると見えへんことが多いし遠すぎてもふれられへん。距離の取り方と付き合い方、向き合い方の難しさはずっと頭の中でぐるぐるしている。正解がずっと見つからん

最表層で見えるものと、その奥にあるもの。その奥行きをどれだけ図られるかに、教養が出るのではないかと思う。何気なく見えるものでも、その過程を知ると途端に見え方が変わったりする。街の風景も同じで、今の未完成な自分やからこそ得られる価値観もあるけれど、1つの建築にしても歴史、文化、そして工法、材料、成り立ちのような過程を知れば、見え方はまた、がらりと変わってくる。そう思うと、自分が見てる今目の前にある景色がいかに解像度の低いものであるかを痛感する。この旅で、まだまだ学ぶことがたくさんあるなと強く思った。

そんな感じで、怒涛の7日間が過ぎ去った。
長いな!!ここまで読んでくれた人は果たしておるんやろか。それでもここに書ききれんかったことも沢山あるから、もし興味があればいっぱい聞いてください。やばかった〜てめちゃゆいます。

今回も、お付き合いありがとう!💐


p.s. 刺激的なひとり旅の副作用で、人との話し方と英語をすっかり忘れてしまった!また一からがんばろうと思います〜

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?