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ただ、そこにある海岸

これで終わり、これで終わりだって

なんども、なんども、辿り着くたびに思っていたけど

終わったことなんて一度もない

終わりにしたくて、何もしたくなくて

ただ、そこにある海岸

座っていたい

砂を足でなでて、髪の毛は潮できしんで
あついなあなんて当たり前のことを
つぶやいては波をただじっとみていたい

なのに、夕陽が沈む頃

お腹は空いて、少し寂しくなって

これはこういうことだったのかと、はっとする

いわれた言葉、ある人のしぐさ、自分のやったこと
色んなものが繋がっていって
見える景色が変わっていく

そうしたら、手から溢れる砂を
自分のものだけにはしておけなくて

キャンバス

そうだ、絵の具

白い箱

そうだ、コンクリート

動きながら、作り上げていくその瞬間

また新しい場所へライティングしていくんだ

そんなことにまた気付きもしないで

いつのまにかまた辿り着いて

一人疲れたふりをして

また、そこにある海岸

座っていたいのかまだわからない

わからないから、終わらないから

今は踊ることにした
今は歌うことにした

これで終わり、これで終わりだとつぶやかないように

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