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5分でわかる子宮頸がん④子宮頸がんと子宮体がんの違い

 子宮入り口付近の子宮頸部に発生する癌を子宮頸がん、また、子宮の上部の子宮体部に発生する癌を子宮体がんと呼びます。子宮頸がんは、子宮の入り口に発生することが多いため、婦人科の診察で発見されやすいです。

それぞれの症状

 子宮頸がんは、正常な状態から異形成を経て癌が発生するまで長期の年数がかかるため、初期に自覚症状が見られません。そのため、異形成の時期に、おりものや出血、痛みといった症状はないです。癌が進行すると、月経中でない時または性交時に出血することや、濃い茶色もしくは膿のようなおりもが増加すること、水っぽいおりものや粘液が多く出るなどの症状が見られます。更に子宮頸がん進行することで、下腹部や腰が痛む、尿または便に血が混じることもあります。

 子宮体がんの場合、最も多い自覚症状は出血であり、月経ではない時期もしくは閉経後に出血がある際には注意が必要です。おりものに血が混ざり、褐色になる程度の出血の場合もあります。加えて、他の症状は、排尿の際の痛みや排尿のしにくさ、性交時に感じる痛み、下腹部の痛みなどです。がんが進行した場合、お腹の張りを感じることもあります。

癌の発生要因

 子宮頸がんの発生要因は、性交渉によってうつるHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染です。また、喫煙は子宮頸がん発生の危険性を高めます。

 子宮体がんの原因の1つは、エストロゲンという女性ホルモンの刺激が長期間続くことです。出産経験がないこと、閉経(更年期になり、月経がなくなること)が遅いこと、肥満などがエストロゲンと関係していると考えられており、子宮体がん発生のリスクに繋がると言われています。また、エストロゲンとは関係なく、糖尿病、過去に大腸がんになった血縁者がいることなども注意すべきポイントです。

発症しやすい世代

 子宮頸がんと診断される人は20代後半から増加していき、40代でピークを迎え、その後は横ばいとなっています。子宮体がんの場合は、40歳頃から増加していき、50~60代でピークを迎えます。つまり、子宮頸がんは子宮体がんに比べて、若い世代で発症しやすい癌となっています。

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 子宮頸がんは子宮頸部に発生するため発見しやすい癌ですが、初期の自覚症状がないので、2年に1回の検診を心がけましょう。

【参考文献】

国立研究開発法人国立がん研究センター対策情報センター(2019)「子宮頸がん 基礎知識」https://ganjoho.jp/public/cancer/cervix_uteri/index.html

国立研究開発法人国立がん研究センター対策情報センター(2019)「子宮体がん(子宮内膜がん) 基礎知識」https://ganjoho.jp/public/cancer/corpus_uteri/index.html

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【この記事を書いたのは】 インターン生 山口賢聖                       
普段はHatch Healthcare株式会社で、noteの記事作成やPR活動を担当。

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