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ネーミング・ウォー 名付け親になりたがる人たち(仮)

子どもができた夫婦の両親(子の祖父母になる)が名前を勝手に決めようとして困る、という話をよく耳にします。

これが、子猫が生まれたー! というときなら「5匹も生まれたよ、名前どーしよ!?」となりやすいので、アイディアをもらえるのはありがたいかもしれません。生まれてからでないと姿(模様)がわからないので、あらかじめ考えておくにも限界があるんですよね。

とはいえそれがゲームや小説、コミックなどの「作品」の場合は、紛れもなく名前は作品の一部です。そして、たったひとつしかないものですから、作者が決めるのが筋というものでしょう。

ところが、これに「介入」しようとする動きは少なくないのです。

ネーミングへの介入は親切(か)

作品名は、極めて重要なものですから、作品の中身との関連、あるいは伝えたいことの意味などを考えてウンウン唸りながら考える人が少なくないでしょう。それだけに、すぐに決めずに「未定」のままにしておくこともよくあることです。

一方、関りが薄いひとほど「こういうのがいいんじゃない?」と簡単にアイディアが浮かびます。おそらく、悪気のある人はいません。

まだ、"(仮)"ならいいんです。『ナントカ伝説(仮)』とあるものを「正式タイトルはLEGEND OF NANTOKAにしようぜ!」という人はなかなかいないでしょう。いないですよね?

しかし、『アクションRPG』とか『学園ものミステリー』くらいの未定感だと、「夜道をミニスカートで歩いていたから誘われていると思った」みたいなことが起きかねません。いやいや、たいへんな誤解です。夜道をミニスカートで歩いていたからといってCHIKANの言い訳にはなりません。

とはいえ作品名への介入は「親切」の場合も多く、そして近い関係にある人からの提案がほとんどでしょうから無下に「却下」するわけにもいきません。ばつが悪いですし、思わぬ軋轢となって人間関係にひびが入っては困りますからね。

決してミニスカートで夜道を歩くなと言うわけではありませんが、できれば早いうちに、未定ではなく"(仮)"にしておきたいところです。

すぐに決めない派の言い訳

とはいえ、そういう自分は「タイトルをすぐに決めない派」です。「だから介入されるんだよ!」って? はい、そうです。

昔はすぐ決める派だったんですけどね。早い段階で思い付いた作品名に縛られると、作品の中身に悪影響があると感じたんです。だからといって、途中でタイトルを変えるのも居心地が悪くて……。

逆に長い時間をかけて作品を作っていくと、決して序盤には思いつかなかったような「良きタイトル」が自然に降りてくることがあるのです。それを待ちたい……。なので、かなり遅くまでタイトルは未定のままにしているのです。

勝手なこと言ってるな、と思うかもしれません。まあそうでしょう。その代わりに、本当に良いアイディアをもらった場合は受け入れるようにしています。以前やっていた雑誌のゲーム連載でも、担当編集者のアイディアをそのままタイトルにしたことがあります。

ま、編集者やプロデューサーはタイトルを決めたがるんですよ。

「最終決定権はこちらにある~」と言われればそのとおりなんですが、それと個人的なセンスを押し付けようとするのは別ですからね。良いアイディアを受け入れたことがある一方で、無下に却下したこともあります(軋轢の心配はどこいった!?)。

わざわざこうして記事にしておいて、こう言うのもなんですが「名前が決まらないようなら、こちらも考えましょうか」のひと言があれば、まったく悪い印象はありません。

「実は困ってるんです」と返事をもらったら、そのときは積極的に「親切」していけばいいだけのことですから、本当は大した問題ではないんですけどね。

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