HYUGA PRIMARY CARE #0 事業概要
当社は2021年12月、東証マザーズ市場(現在は東証グロース市場)に上場いたしました。これから成長していくタケノコのような企業だと思ってください。
実はタケノコの割に手掛けている事業が多いのも当社の特色であります。
それゆえに『事業が多すぎてわからない・・』と言われることもしばしばです。
前回、各事業紹介を告知しておりましたが、本日はまず全体の概要をお伝えしたいと思います。
地域包括ケアシステムの前に立ちはだかる壁
地域包括ケアシステムを確立するためには、その地域で医療・介護・予防・住まい・生活支援を包括的な確保が必要となります。
在宅ケアを進める上で、多職種で円滑に連携し意思疎通を図り、他の職種の職務の内容を相互に理解していくことが必須です。
しかしながら、この連携・相互理解が進んでいないことも事実です。
理由として、以下のことが挙げられます。
①事業所間でコミュニケーションが取れていない
②充分な在宅医療サービスを提供できる病院・薬局は限られている
③介護業界は全体的に経営が厳しい
まず1つ目の事業所間でのコミュニケーション不足についてです。
そもそも医療と介護では互いに目指すゴールが違うこともあり、利用者(患者)への向き合い方においてズレが生じる部分があります。
このゴール、医療は「疾病による症状の完治・軽減」、介護は「QOL(生活の質)の向上」であると私は考えています。
例えば、血圧が高いため頭痛もひどく活動を制限されている方がいたとします。
この時医療のアプローチとして降圧剤の服用を検討します。薬が功を奏し、正常血圧となり頭痛症状が改善した時点でゴールとなります。
介護はここで終わらず、正常血圧となったことで何が出来るようになったかを考えます。お風呂につかれるようになった、外出の回数が増えたなどです。
最初は相手と考え方が違っても、どちらが「良い」「悪い」と決めつけて終わるのではなく、他の職種がどのような価値観を持って行動しているのかを理解することが重要となります。利用者(患者)が納得するゴールを皆で共有し目指すことが最終目的だからです。
次に2つ目。充分な医療サービスを提供できる病院・薬局が限られていることが挙げられます。
24時間調剤、在宅対応体制の整備がされている調剤薬局の数は約21,000店舗(※1)と言われており、調剤薬局全体の1/3にあたります。
外来患者を受け付ける調剤薬局がそのまま在宅対応しようとすると、薬局の内外で人員が必要となり単純に人件費は2倍となります。
病院・クリニックも同様です。労働集約型ビジネスモデル共通の問題点とも言えます。
(※1:2022年5月時点 地域支援体制加算届出店舗数を参照)
3つ目に介護業界は全体的に経営が厳しい状況にあります(※2)。そのため投資家の中には「この分野は儲からない」と考える方も多いように感じます。さらに近年、光熱費等の高騰・コロナ禍・人手不足等が追い打ちとなり倒産件数も急増しています(※3)。
経営悪化フェーズに入ってしまうと、前述した理由であるコミュニケーション不足や充分なサービス提供がますます困難となります。
各事業所(事業者)がしっかりと自走できることが重要なベースとなるのです。
(※2:厚生労働省「令和2年介護事業経営実態調査結果の概要」、※3:東京商工リサーチ「コロナ禍と物価高で急増 「介護事業者」倒産は過去最多の143件、前年比1.7倍増~ 2022年「老人福祉・介護事業」の倒産状況 ~」)
この壁を乗り越えていくには
前述した3つの理由
①事業所間でコミュニケーションが取れていない
②充分な在宅医療サービスを提供できる病院・薬局は限られている
③介護業界は全体的に経営が厳しい
これらを解決していくしかありません。
そのために
①医療・介護両方の知識・経験を持つ人材の育成
②DX導入など効率化による事業所内のオペレーション改善
③利益を生み出し成長し続ける
以上のことが重要となります。
【医療・介護両方の知識・経験を持つ人材の育成】
医療と介護では、目指すゴールに違いがあることはお話させていただきました。これを理解した上で周りを巻き込みながら進んでいく人材を求めています。
医療・介護両方の事業所を運営する当社はそのような人材を育成する環境があり、またそれらを強みとしています。
【DX導入など効率化による事業所内のオペレーション改善】
医療介護分野の人材不足を改善するには、効率化を図り従来のオペレーションを変化させていく必要があります。DX導入・業務分担などを推し進め、あらゆるムダ・ムラ・ムリを減らすことを徹底しています。
【利益を生み出し成長し続ける】
ここでいう成長とは未来への投資・職場環境改善も含みます。当社だけでなく連携する事業所と共に成長し続ける仕組みを作ることはインフラ化にとって欠かせない要件です。
壁を突破するための事業展開
現在、当社の事業セグメントは次の通りです。
在宅訪問薬局事業(2008年~)
ケアプラン事業(2010年~)
きらりプライム事業(2019年~)
タイサポ事業(2019年~)
ICT事業(2021年~)
高齢者施設運営事業(2023年~)
在宅医療を必要とする患者(利用者)さんに直接サービスを提供する事業(BtoC)と、連携する他事業者にサービスを提供する事業(BtoB)、そして両側面を持つ事業があります。
このように一旦多くの事業を展開しているように見えますが、自社で地域包括ケアシステムを創ることが立ちはだかる壁を突破する方法であると考えています。
この数年で日本の高齢化は加速度的に進みます。時間は待ってくれません。
私たちは医療・介護事業者等を地域内で繋ぎ、連携ネットワークの中で在宅患者が安心して住み慣れた環境で過ごせるよう社会的課題の解決に挑んでいます。
次回は、各事業の詳細についてお伝えしていきます。
本日も読んでいただきありがとうございました!
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