DX戦記~小学生にもわかる「ペーパーレス化で学ぶDX(前編)」
やぁ、みんな。
これまでの話で、みんな日本のDXの背景について分かったよね。
そもそも「DX」は日本語(英語ではDT)。
DXをざっくり言うと「やり方を、いま風に変える」こと。
日本の大人は実は昔風のやり方が大好きで、DXにあまり興味がない。
今回は、ダメダメなDXのお話だよ
今回は、大人たちが「DX」と言ってお金をかけて「やり方を変える」時の、「DXのレベル(いま風度合い)」を、分かりやすく説明する試みだよ。
タイトルでネタばれしているけど「ペーパーレス」が題材だよ。
ペーパーレスとは??
ペーパーレスって聞いたことがあるかな?
要するに「紙を使わない」という事なんだ。
日本の大人たちは、分かりやすいので大好きなキーワードだよ。
「DXの入り口」とか言われることもあるんだけど、むしろ、ペーパーレスはその組織のDX(いま風かどうか)を測定する良い材料になってしまっているんだ。
今日は、そんなペーパーレスをネタに、ダメダメなDXを話してみるね。
ありがちな「ペーパーレスのメリット」は全然DXしてない
よくペーパーレスの話に出てくる、ペーパーレスのメリットはこんな感じかな。
紙を使わないので、紙代がかからない、環境にやさしい
紙を使わないので、印刷・郵送・持ち運び不要、置き場所も困らない
まぁ、紙の代替品としてモニタ使いましょう、みたいな感じだよね。みんなが思う通り、これじゃあ全然ダメだよね。
電子データのメリットを活かしていない「紙の代替品」どまりはダメダメなペーパーレス
たぶん2年生くらいで、電子データのメリットはこんな感じって習ったと思う。覚えてるかな?
電子データは探しやすいよ
コンピューターが処理しやすいから、探しやすいんだ。
みんな、ググってるよね。電子データは内容の再利用が簡単だよ
コピーできるよね。手書きより断然速いよね。
例えば、夏休みの日記に書かなきゃいけない天気とか、気象庁からCSVでダウンロードしてコピーすれば一発で終わるよね。(気象庁|過去の気象データ・ダウンロード (jma.go.jp))電子データは、案外と大事な情報を自動でつけられるよ
これはソフト次第だけど、いつ誰が作った、いつ誰が修正したとか、そんな、ちょいと後で重要になりそうな情報を自動保存してくれるんだ。
つまり、さっきの「紙を使わないので…」というメリットは、確かにメリットだけど、全然デジタル化のメリットに触れてないんだ。
ここからは、ダメダメなペーパーレスDXについて、具体的に説明していくよ。
ダメダメなペーパーレス化の残念な特徴
1)データが検索できない、検索できても意味がない
もう、滅茶苦茶なんだけど、信じられないことに、紙の文書をスキャンしたりして画像のままだったりするよ。ちなみに、検索できても、検索できるだけで、全然「いつの、何の資料で、何を意味するか」分からないんだ。
例えば、↓のこれは「いつの・何の資料」かわかる人いるかな?
「テレワーク、ペーパーレス化の取組状況」wlb_paperless.pdf (cas.go.jp)
こういうことが起きるのは、(1)電子データ化することで何ができるか、(2)その出来ることで何をするのかを全く考えていないからなんだ。
2)仕事のやり方が変わらないので、仕事が増える
前に話した、印刷して(プリント)・ハンコを押して・スキャンする(PHS)みたいな事が平気で行われているよ。電子データなんだから電子承認にすればいいのにね。
これは「ハンコを押す」という仕事のやり方を変えていないせいなんだ。
だから、昔の仕事のやり方を大事にして、むしろ仕事が増えているんだよ。
信じられないことに、本当に日本の会社にはたくさんこんな事があるんだよ。
3)データの再利用を考えていないので、手作業がたくさんある
たとえば、アンケートや提出文書を、Excelファイルで作成して、なぜか、その内容を、手作業で1つのExcel集計シートにしたりしているよ。
最初からフォームに入力するようにすれば、自動で集計できるのにね。
これじゃあ、紙で集計しているのとまったく同じで、電子データのメリットが無いよね。
これは、(1)電子化によって何ができるか、(2)その出来ることを基準に仕事をどうやるのかを全く考えていないせいなんだ。
このパターンは、実は日本の企業の大半に内在しているよ。
4)見づらい
これは厳しいよね。本当に多いんだ。
↓の2つのリンクは内容は同じだけど、どっちがタブレットやスマホで読みやすいかな?
03Hakusyo_part1_chap1_web.pdf (meti.go.jp)
と
中小企業庁:2023年版「中小企業白書」 第1節 我が国経済の現状 (meti.go.jp)
つまり「紙に印刷したもの」や「紙のレイアウト」を温存しようと思うと、モニタで見たときには見づらくなることが多いんだ。
このケースは、本当に不思議なんだけど、日本中のあちこちに、すごくたくさんあるんだ。
まとめ
こんな感じでDXの入り口と(一部で)言われている「ペーパーレス」も、全然DX(いま風)になっていない事が多いんだ。
まとめると、
デジタルツールを使っても、DX(いま風)にならない
電子化で何ができるのか考えて、目的達成するやり方を考えないとダメ
という事だね。
次回は、夏休みの宿題をペーパーレス化して、DXする方法を一緒に考える回にしようと思う。お楽しみに。
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