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【資格】行政書士 その1


1 どんな資格か

・概要

一般の認知度は知らないが、公務員だったら都市開発や農地転用の窓口で目にすることがある職業(資格)である。どんな仕事かといえば、行政書士法に基づき、許認可の代理、権利義務書類(契約書・遺言書)の作成、行政手続の不服申立てを行うことができる国家資格である。(ただし、不服審査の方は別に資格が必要だ。)

・難易度

合格率は、近年は10%前後に調整されている気配がある。資格を取り扱うサイトなどでは「偏差値62〜65」「勉強時間は〜1000時間」と紹介される例が多い。

この「資格の偏差値」というのはよく解らない。が、おそらく「こういうことだろう」と以下のように理解している。

統計学で「偏差値62」なら上位11.5%、「63」なら9.6%ということである。参考サイト

おそらくこれと資格の合格率を比べて、合格率=上位10%くらいに該当する偏差値で表記しているのだろうと思われる。なので、全ての資格の絶対評価ではなく、「行政書士を受験する人」という母集団の中で偏差値62以上なら合格するということだろう。

・出題科目など

出題科目は、法律と一般常識で構成される。

【法律科目】は、憲法、民法、行政法、商法(会社法)というオーソドックスな科目

【一般常識】は、令和6年からは「行政書士の業務に関し必要な基礎知識」となり、一般知識、行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令、情報通信・個人情報保護及び文章理解から出題される。
参考:総務省告示

「密接に関連する法令」が何かはわからんが、もしかしたら行政書士法ではないかと、個人的には考えている。同法は兼子仁先生のコンメンタールがあるので、興味があれば目を通しておいてもよいかも知れない。

・合格基準

合格基準
次の要件のいずれも満たした者を合格とします。
① 行政書士の業務に関し必要な法令等科目の得点が、満点の50パーセント以上である者
② 行政書士の業務に関連する一般知識等科目の得点が、満点の40パーセント以上である者
③ 試験全体の得点が、満点の60パーセント以上である者
(注) 合格基準については、試験問題の難易度を評価し、補正的措置を加えることがあります。

https://gyosei-shiken.or.jp/doc/guide/guide.html#happyou

この調整は、実際に行われたことがあるようだ。

2 経験に即してどうか

この資格は学生時代に取得した資格だった。今の試験とは異なるところもあるだろう。当時は比較的法律ブームであって、難易度(合格率)が厳しかった。

・対策

過去問をひたすら回して、間違えた問題を書き出すという方法だった。使ったはLECの過去問集だと思う。これで間違えた箇所を「まとめ本」の余白に書くという感じだ。もっとも、過去問だけで合格したわけではない。他の資格が本命だったので、憲法や民法はかなり勉強しており、素地があった。まぁ、そういう受験生は多いだろう。

・基本書・参考書

行政書士のためというわけではないが、憲法は芦部先生、民法は我妻先生のダットサンと内田先生を読んだ。

行政法は、とっつきにくい感じの科目だった。石川敏行先生の『プロゼミ行政法』は、公務員試験用の対策本であったが、すごく分かり易く、何度も読んだ。過去問で『プロゼミ』で太刀打ちできないものに当たると、基本書を紐解いたが、『プロゼミ』の構成と塩野宏先生の『行政法』は、あまり相性が良くなかったような気がする。最近『プロゼミ』がA5版になって再販されたらしいので、広く勧めたいところだ。

あと、この試験の独自の課題として「一般常識」がある。僕は特に対策はしなかったが、難しいと言われることがある。

次回は、この資格を取ってみて、キャリア・仕事に役立つかという点を書いてみよう。

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