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海賊版を逆手にとる

インターネットを使う人が増えていき、海賊版が出回る量が増えました。日本でも、違法漫画サイトが問題になったのは、記憶にあたらしいと思います。

違法アップロードを行うサイトは昔からありました。そのようなサイトは少数にしか広まらず、問題になることは少なかったのですが、現在ではtwitterやFacebookのようなSNSで個人の発信力が大きくなり、一つのサイトでもすぐに広まって大きな影響を与えるようになりました。

このような違法サイトは存在しないのが一番です。しかし、今の現状を見ても違法サイト製作者とのいたちごっこで、すべての違法サイトを消すことができるとは考えられません。

では、逆にこう考えたらどうでしょう?
海賊版を利用してさらに売り上げを伸ばすことはできないか

中国という海賊版を利用した社会

中国の若者も他の国と同様に音楽を聴きます。ただ、他の国と唯一異なる点として、そのほとんどが違法サイトからのダウンロードしたものであるということです。
これでは、CDが売れなくなって歌手が続けられなくなりそうです。しかし、中国の歌手は海賊版をも利用します。
歌手は無料で曲を提供して有名になり、ライブで稼ぐのです。つまり、曲が売れないのであれば、それを知名度を上げるために利用して、他の収入を得るようにするということです。
インターネットの利用と人口の多さが、知名度への影響を計り知れない大きさにしており、収入を得るよりも得をするのかもしれません。
日本でいえば米津玄師のやり方に近いような気がします。彼も本来得るべき所で収入を得なかったことで、知名度を大きく上げることができました。

Windowsも中国のコピー品に悩まされました。何度もコピー品をなくす取り組みをしているのですが、すべてうまくいきませんでした。
ただ、コピー品が中国で出回ることでのメリットもあります。それは、現在正規品を買えない人が将来買ってくれる可能性があるからです。LinuxとOSで競争を重ねていたWindowsも現在では多く利用されており、コピー品の成果が出たのかもしれません。

ブランド品とコピー品を合わせたコーディネート

また、中国ではブランド品もコピー品が多く出回っています。ただ、コピー品があるからといって正規品が買われないわけではありません。ブランド品を見栄のために買う場合は、やはり正規品である必要があります。コピー品はそれで満足なわけではなく、あくまでお金がないときの代替品というわけです。
中国では、正規品はコピー品と一緒買われることもあるそうで、正規品は上位互換のような立ち位置なのかもしれません。

ただここで知っておきたいのは、コピー品が出回ることで、ブランド品は価値が薄れているわけではないということです。逆に、偽物が出回るほど本物の価値が再認識されていると考えられます。つまり、コピー品によってビジネスは促進されているということです。

以上で、海賊版を利用したビジネスについて紹介しました。中国での海賊版が広がりすぎているという問題がありますが、それを利用して有名になるアーティストなどを見ると、柔軟に考えれば海賊版は敵ではないのではないかと感じられるはずです。
海賊版ビジネスは許されるものではありませんが、完全廃止することはできない以上、売名に利用するというのはどうでしょうか?

参考:フリー 〈無料〉からお金を生みだす新戦略  クリス・アンダーソン

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