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交通事故の日④

 看護師さんが入院のための書類を持ってきた。たくさんある。
 手元に残っている書類(同意書は提出後にコピーを渡された)を見ると、

•入院診療計画書
 病名、入院期間の予定など
•手術前オリエンテーション
手術の日時、流れ、手術の内容など
•(手術に関する)同意書
•手術を受けられる患者様へ
 手術によって起こり得る合併症や副反応などの事象が列挙されている。
•(特定生物由来製品(血液製剤など)の使用に関する)同意書
•特定生物由来製品(血液製剤など)の使用に関する説明書
•輸血(特定生物由来製品使用)説明事項確認書
 手術中に多量に出血があり輸血した場合に起こり得る合併症や副反応などの事象について。
•(HIV(エイズ)検査受診に関する)同意書•HIV(エイズ)検査受診のお願い
 手術中の出血で私の血液が手術スタッフに付着するかもしれないからということらしい。なるほど。
•年末年始期間中のご案内
 コロナ禍で面会禁止だが、荷物は1階の受け渡し窓口で取り次いでくれる。年末年始の取り扱い時間や場所など
 説明書を読み進めていくと、恐ろしいことばかり書いてあって心配になってくる。とはいえ同意する以外選択肢はなく、同意書には名前を書いて看護師さんにお渡しする。

 手術の日だけは家族に病院に来てもらって会って良いとのこと、嬉しい。手術は月曜朝なので、夫には、日曜家に泊まって必要な着替えや荷物を用意して、月曜に持ってきてもらうことにした。何が必要か大急ぎで考えないとならない。もれなく全部リストアップできるか、それをちゃんと見つけて持ってきてもらえるか、かなり不安だ。

 職場の上司に連絡しないとならないが、仕事用電話しか知らなかったので、同僚に電話した。交通事故にあって病院にいるので月曜は仕事に出られない。入院することになるのでその後もしばらく休むことになると上司にも伝えてくれるように頼んだ。携帯の充電ケーブルを持っていないので、充電器切れたら数日間は電話に出られないかもしれないと言っておいた。実際、看護師さんにも、どこかで手に入らないか頼んでいるのだが、この状況で電話かけられなくなると大事な電話を逃す可能性もあるので、心配だ。
 後から同僚が言うには、私はあまり覚えがないが、電話の間中、すみません、ってずっと言ってたそうだ。ただ、出張が終わった後でよかったとは思った。
他の人に代わりに行ってもらえる仕事ではなかったし、コロナ禍での出張ということで、出張するかしないかから始まって準備も大変だったのだ。

 夕食が配膳された。午後に入院しても夕食手配してもらえたんだー、よかった。事故で気がたかぶっていて空腹は感じなかったが、朝早く朝食を取ってから午前中ずっとハードにサイクリングして水と自販機の飲み物しか飲んでない。救急車で緊急入院して、深夜に空腹で眠れない自分を想像したらたまらなかったので、食事ができてホッとした。

 上半身は起こせるので、食事は普通に摂ることができる。アレルギーを含めて食べられないものはないので、食事は問題なく完食。洗面台に行けないので歯磨き用の容器も渡されたが、歯ブラシがなく、口をすすぐだけなので、スッキリしない。明日夫が来る時に歯磨きセットを買ってきてもらうにしてもそれまでは辛抱しなければ。身ひとつで突然入院して、文字通り身動きが取れないのに、すぐ駆けつけてくれる人もいないというのはとても不便だ。

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