Pinterestを見るより旅をしたほうがデザイン力が上がる理由
毎週木曜日の #デザイナーの頭の中 シリーズ、今日は「旅」について!
写真家&コラムニストの古性のちさんと
8/31に、デジハリさん主催で旅と仕事をテーマにオンライントークイベントしてまいりました。
旅人同士のよもやま話からちょっと真面目な話まで色々とさせていただき時間があっという間に過ぎました。
noteでは話足りなかったこととして、イベントで話題にのぼった「デザイナーとかクリエイターさんは旅をしたほうが良い!」ということについて、お話できればと思います。
トークでも実例ありましたが、のちさんも自分も含めて周りのクリエイターさんが旅をして一回りも二周りも変化して帰ってくるのを何度も見ています。
理由として大きいのは、圧倒的にインプットの量が違うということと
インプットの仕方が根本的に違うんじゃないかと
そんなわけで、なぜ旅がデザイン力向上に役立つのか書いていきます。
Pinterestだけ使ってる限り、絶対に見えてこないもの
当然のことながら、旅をすると、あらゆる「異質なもの」が目に飛び込んできます。パッケージデザインや街のサインはぜんぜん違うし
国によって良いとされるものがぜんぜん違う事がわかってきます。
良いとされる顔、良いとされるフォント、良いとされる色、テクスチャー、何もかもが違う。
でもここまでだったらPinterestをみれば同じインプットが得られるかもしれませんが大事なのはここからです。
どうしてそのデザインになったのか?その背景は現地に行かないと見えてこない。
デザインの理解でいちばん大切なのは表面ではなくて背景です。
どうしてそのデザインになったのか?そのデザインが何故良いのか?考えるためにはデザインだけを見ていては難しい。
デザインを見るということは人を見るということ
海外の素敵なデザインをみても、どうしてこんなデザインになったのか?行ったことがない人がそれを知ることは困難です。
百聞は一見にしかずという言葉がありますが、旅先では文字情報や映像では伝わらないいろいろな複雑な情報が洪水のように飛び込んできます。その一つ一つを言語化するのは不可能に近い。
夕方の空の色、聞き慣れない鳥の鳴き声、そよ風の匂い、街角の明かり、人々のおしゃべりのトーンや抑揚。道端からただよってくる夕飯のにおいと家族の団らん。夕立前の湿った空気、犬と人の距離や子供に対する優しい眼差し。口論をしている男女の表情、それをはらはら顔でみている老夫婦の様子、小さな男の子が嬉しそうに持ってあるいているおもちゃの色や形、オープンテラスで好きな女の子を口説こうとしてるお兄さん。猫のあくび。
デザイン思考の世界で「観察」と呼ばれる行為を、旅人は自然にすることになります。慣れない土地で人は無意識のうちにセンサーを全開にするからです。これは知らない環境に適用しようという人間の生存本能からくるものなのでしょう。
そうやって無意識の領域にその土地の空気感やムードをインプットしつつ、ふたたびデザインされたものを眺めてみると、、
「あ、だからこういうデザインが愛されるのかな?」
ぼんやりと自分なりの仮説が浮かび上がってきます。
デザインを見るということは人を見るということだなと感じます。
これ、別に合ってなくてもいいんです。全身でその土地を体験して、自分なりに答えを探す。その作業を繰り返すことでものを見る目が培われる。
そうやって日本に帰ってくると、日本の人々を見る目も変わります。日本という一つの地域に住んでる人たちの暮らしを見つめると、あるべきデザインが見えてくる。
それは、外に一回いかないとなかなか難しい。比較する対象を知って初めて見えてくる輪郭というものがあります。国内でも地元を離れて良さがわかるみたいなことだったりね。
今、Pinterestのアプリを開けば世界中のステキなデザインをあっという間に無料で見ることが出来ます。そしてそのデザインの表面を真似することも簡単にできちゃう。
でも、なんでそのデザインになったのか?知るためには五感すべてを使う必要があるし、直接その人達に触れて対話する必要がある。なぜならデザインはそういう言語化できないいろんな情報の集まりだからです。
あ、もちろん!旅をするとPinterestを使うときにも良いことがいっぱいですよ!ステキなデザイン、あ、あの国の隣の国のデザインだなーーだから好きなんだ納得!!みたいなことが起きてもっと楽しくなりますよ!
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