「デザイン」はデザイナーの仕事の氷山の一角。
「どうしてデザイナーなのに経営学部で教えてるんですか?」
こんにちは。デザイナーの市角です。デザインしたり映像作ったりしながら、大学で准教授としてデザイン思考について教えてみたり、デザインの考え方とやり方を学生さんや企業、自治体さんに伝えたり一緒になって考えています。
最近のお仕事はこちら。
愛知スタートアップキャンプ
大田区六郷ベース
そういう活動をしていると、上記のような事をたまに聞かれることがあります。なんでデザイナーが経営学部で教えたり、起業家に向けてメッセージを発しているんだろう。
今日はこのことについてお話していきます。
なぜデザイナーが経営学部で教鞭をとり、一般企業や自治体でビジネスについて講義をするのか?
「そんなのはデザインの仕事じゃないよね?
君たちは見た目をきれいに美しく整えるのがお仕事だろう?」
答えはNO。それはデザインの仕事のほんのほんの一部にすぎません。
デザインについて一般的に思われてるのは水面から上のところ。
ここは、実際に目に見えます。
色だったりカタチだったり素材だったり、書体だったりイラストだったりします。
そして一般の人も一部のデザインをしてる人も水面から上を「デザイン」と呼んでいます。しかし実際は大部分のプロセスが水面下にあり、目に見えるところは結果として表に出てきたものでしかありません。
実際の仕事は水面下で行われています。
1.正しくデザインするには正しくマーケットを理解していないといけない。
2.正しくデザインをするには正しくビジネスニーズを定義出来ないといけない。
3.正しくデザインするには、創造的でなければいけない。
4.正しくデザインするには、PDCAを回さなければならない。
5.正しくデザインするには、魅力的に作らなければいけない。
この5つが揃ってはじめてデザイナーの仕事が成立する。
目に見えるのは5だけで、1から4は読み解きが必要になります。
しかしながら、現代は分業の時代で、5だけをすることが期待される現場もあり、1から4までは〇〇ディレクターと名付けられたこれまた細分化された仕事があったりします。が、これでは本来のデザインの仕事をしているとは断言できなくなってきます。
"DESIGN"と言う言葉は、本来設計、意匠を含む、問題解決のために抽象的にものを考える取り組み全体を指しますが、
日本語の「デザイン」は、表面の装飾というニュアンスになってしまっています。
私は、これは氷山の一角しか目に見えないことも原因だと思っています。
その事にまつわる昔話をひとつ。
20代の頃、高待遇の職場を辞めてしまった話
まだ20代で貧乏だったころ、風呂なしアパートでコインシャワーを浴び
たまの贅沢に銭湯にはいってました。スーパーマーケットの裏に行き、いらないキャベツの皮なんかをもらってきて、それを炒めものにしたりしてなんとか暮らしていた頃。
SNS上でとある会社経営者から「市角さんのデザインを気に入ったのでぜひ我社にジョインしてほしい」
とお誘いをもらって、麻布十番の一等地にあるビルのオフィスで一人デザイナーとして働いていた時代があります。
一緒に働いている人たちは素晴らしい人達だし、
なによりエンジニアの同僚が出来たのが嬉しかった。
仕事の話やお互いのはなしをしながら働けるってこんなに良いことなんだ!
と目からウロコの毎日。
人一倍寂しがり屋なので、毎日独りじゃないことの素晴らしさを痛感したのを覚えています。
当時の自分からしたら、ありがたすぎる報酬をいただいて楽しく過ごしていたのですが(今で言う契約社員のようなカタチですね)
なんと、10ヶ月ほどで退社することになります。
一体何があったのか。私は、何かやらかしたのか?
後編につづきます!!
そんなかんじで毎週木曜日は、#デザイナーの頭の中 シリーズ書いてます!(最近金曜日になっちゃうことが多いけどもw)
デザインについてのお話、他にもありますので興味があったら。
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