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東京オリンピック「SDGsウォッシュ」を指摘される

7月22日のネットニュースで東京オリンピックは持続可能性の取り組みが不十分であるとの記事を見た。なんかWWFが調達結果の開示を求めてるらしい。東京2020はSDGsウォッシュの可能性が存分にあると思っているので情報を整理したい。


SDGsウォッシュとは?

電通が発表しているSDGsコミュニケーションガイドには以下のようにある。

英語で「ごまかし」「粉飾」を意味する「whitewashed(ホワイトウォッシュ)」という言葉からきた「ウォッシュ」とは、実態以上に、あるいはそもそも実態が無いにもかかわらず配慮しているように見せかけること、不都合な事実を伝えずに良い情報のみを伝えること

SDGsウォッシュを回避するために必要なこととして列挙されているもの。 
・ 根拠がない、情報源が不明な表現を避ける。
・事実よりも誇張した表現を避ける(法律で規制されている事項を、自主的に配慮しているように表現することなど)
・ 言葉の意味が規定しにくいあいまいな表現を避ける
・ 事実と関係性の低いビジュアルを用いない

WWFジャパンの大会組織委員会への指摘

①大会で使用する木材や紙、水産物、パーム油の個別の調達基準
 例えば認証水産物については「認証スキームごとの魚種および調達量」や、木材については「大会で調達された全物品の生産地域と、各認証の内訳を含む認証製品の比率の開示」など

②新国立競技場建設にあたって
 新国立競技場の屋根やひさしに国産材が使われる一方、土台のコンクリートを成形する型枠用合板などには東南アジアの熱帯雨林から伐採された木材が用いられ、その中にはボルネオ島北部マレーシア・サラワク州の先住民族の土地や、絶滅が危惧されているオランウータンの生息地も含まれることが環境NGOらの調査によって発覚した

③ごみの3Rへの取組
 容器包装などの削減についても、本来最優先されるべき、廃棄物のリデュース(発生抑制)や、再使用(リユース)の取り組みがほとんど見られず、「再生利用(リサイクル)の推進に大きく偏っている

④レガシーの浸透
 WWFは「持続可能性について認知が進んだというのであれば、どの程度各企業の取り組みが進み、またどの程度持続可能性を担保する認証取得が進んだのか」などと疑問を呈し、「持続可能性の取り組みは今や欧州を中心にビジネスの必然となっており、日本企業の国際競争力向上のためにこそ、持続可能な調達の取り組みを加速しなければならない。そのためにも東京大会が果たした役割を、大会後に数値を示して公開し、世界からの検証に応えてもらいたい」と主張。

自分は④レガシーの浸透について具体的な数値を求めている点に特に注目したい。「組織委の調達コードと、その運用実績に関する外部レビューを実施し、2021年12月31日までに大会後の報告書で公表すること」の2点を求めているため今後の動向に注目したい。

20210613サムネ


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