howari

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monogataryを主に小説を書いています。読書好き。ハンドメイドアクセサリーのネット販売もしてます。 https://monogatary.com/user_page/story/e314ac3e-0d0b-11eb-9b85-0242ac120002

最近の記事

howariとおやじの日記

2024年、4月30日。 私ことhowariは、おやじと初めて対面することとなる。名前が呼ばれ、とある乳腺外科の診察室の扉を開ける。「あまりいい結果ではありませんでした」乳腺外科の先生が言う。その一声の意味がよく分からないまま、私は画面に映し出された白黒の写真を見つめる。続けて先生が口を開く。 ——「乳がんです」 この日記は、howariとおやじ(乳がん)との壮絶(?)な戦いを綴ったものである。(これから乳がんという言葉は全て“おやじ”と記すことにする) ※ 2024年、

    • 妻の寝顔〜奇妙な短編小説〜

       去年から持ち越した事柄をぼんやり浮かべながら、妻の作った雑煮を食べていた。やわやわに蕩けた餅がカツオ節やら、かまぼこに絡んでいる。それらを一緒に食べるのが好きだ。ただの吸い物ではなく、具に膜を貼るように絡んでくる餅がないといけない。それを喉に通すことで正月が来たのだ、と感じるのだ。  久しぶりに妻と過ごす休日を噛み締めながら、雑煮を飲みほす。すると、コトと朱色の茶碗が置かれ、ふいに妻が立ち上がる。玄関に向かって行き、年賀状を手に持って帰ってきた。 「あなた、年賀状来てる

      • 日傘の女〜ホラー短編小説〜

         照りつける太陽が、露出した肌をぢりぢりと焦がす。連日の猛暑日。交差点の向こう側のビルを見上げる。各地の最高気温を告げるアナウンサーの顔を見て、反吐が出そうになる。  そんなん聞きたくない。余計に暑さが増すだけだ。競ってなんになる。くだらない。  それよりも、それよりも、僕は——。  傷だらけの鞄の持ち手を握りなおす。今日もサイアクな一日だった、と黒々と光る地面に目を落とす。  あの場所が嫌いだ、大嫌いだ。そうして、帰りたくない。あの場所にも。  止まっていた人の群れが、動き

        • 幸せになれる家~ホラー短編小説~

          『先生。ぼく、今幸せなんだ』  健太くんはそう言って笑った。目の下には黒ずんだクマ。頬はひどく窪んでいた。でも、その表情は、至福に満ち溢れたものだった。  しかし、三日後。健太くんは行方不明になる。学校の下校中に忽然と姿を消したのだ。  それだけじゃない。他のクラスでも行方不明の生徒がいるし、この町に住む人々も行方不明になっている。  警察が色々と調べているが、まだ不明者は見つからないし、原因も分かっていない。町中では『神隠し』の仕業ではないか? と噂が立っているが、わたし

        howariとおやじの日記

          樹海ドロップ~短編小説~

           たっぷりと水分を含んだ布地がふくらはぎに吸いつき、足枷のようになっている。濡れたズボンの裾から滴る雨雫。それが肌の表面を沿って流れ、靴下を重くさせるのを感じる。  足が思うように、前方へ進まない。もう歩けない。しかし、私があれを見つけないと。あの子が。私のかわいいあの子が——助からないのだ。  ふっふっ、と冷たい息の隙間から、諦めにも似た笑みが漏れた。見つかるわけないじゃない。もう30年も前の噂なのだから。だって、あの日だって、本物だったか分からないじゃない。そうして、私

          樹海ドロップ~短編小説~

          「斬首の森」(著/澤村伊智)読書感想文

          4月24日発売の澤村伊智さんの最新刊。発売日に買いに行き、25日にようやく読み終えました。読みたてホヤホヤの感想文を書きたいと思います。 〈「斬首の森」あらすじ〉 鬱蒼と暗い森の中に立つ合宿所。ある団体の〝レクチャー〟を受け洗脳されかけていたわたしは、火事により脱出する。男女五人で町へ逃げ出そうとするが、不可解な森の中で迷ってしまう。翌朝、五人のうちのひとりの切断された頭部が発見される。頭部は、奇怪な装飾を施された古木の根元に、供物のように置かれていて——。 この〈あらす

          「斬首の森」(著/澤村伊智)読書感想文

          自己紹介

          はじめまして。howariと申します。 monogataryを主に小説を書いています。 ホラー映画苦手だし怖がりなのですが、ホラー小説を主に書いています。なぜか、ホラーを書きたくなる…自分でも自分の心理を理解できないですね(笑)その他、恋愛やミステリー、ファンタジー、コメディなども書きます。 いつか自分の小説が本になり、書店に並ぶことを夢見て執筆を頑張っています。 https://monogatary.com/user_page/episode/e314ac3e-0d0b-1

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