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レビュー『米国人博士、大阪で主婦になる。』

一風変わった本のご紹介。

日本人女性が海外に嫁ぐという話はよく聞くが、この本の著者はアメリカ人女性が、大阪に嫁ぐお話です。

もともと日本に興味があったわけではないアメリカ人でありユダヤ人である著者。

そんな著者が日本人男性と国際結婚し、日本に移り住んだ軌跡を描いた純愛風のノンフィクション。

葛藤と喜びに満ちた奮闘の日々がつづられています。

物語の核心は、文化的な適応と言語のカベを乗り越える過程で自分自身を再定義しようとする著者の「変容」の旅。

新しい世界を受け入れる際の複雑な感情の高低や、日本人の夫との結婚の試練、日本文化における「主婦」としての役割の難しさなどを詳細に描写しています。

彼女の語り口は温かく、読者を彼女の人生の複雑な模様に引き込むもので、新しい文化を受け入れる複雑な経験の繊細な織りを巧みに描写しています。

また、本書を特異なものにするのは、著者が個人の旅を広範な文化的な洞察と結びつける能力。

日本の習慣や期待に悩みながら、読者は文化的なダイナミクスをより深く理解するようになります。

言語、社会的な規範、関係の複雑さに関する著者の観察眼は、啓発的で考えさせられるものです。

最後に、本書の核心は「愛」の物語であるということです。

著者と夫との間だけでなく、新しい生活様式、異国の土地、そして最終的には自分自身に対する愛を探求する物語が描かれています。

大きな人生の変化に直面したことがある人、アイデンティティに苦しんだことがある人、未知の領域に踏み込む勇気を持った人々に共感を呼び起こします。

本書は、まったく異なる世界を受け入れることで生じる挑戦、自身の変容の様子を捉えています。

結婚にも家事にもまったく興味はなかったアメリカ人女性が、日本での異文化体験を率直な反省をつうじて、日本での生活を乗り越える様子を描写しています。

この本は「予期せぬ場所で喜びを見出す力」を示すものです。


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