42 Tokyoの退学システムについて
先日フランス42 Parisの校長との懇談会があり、そこで感じたことを記事に書きました。
上の記事ではとりあげませんでしたが、懇談会で話題にあがり、ぼくを震えあがらせているのが「ブラックホールの変更」についてです。
42 Tokyoのブラックホールについて
42 Tokyoには、ブラックホールとよばれる退学の仕組みがあり、これは自分の「手持ち時間」がなくなると、強制的に退学させられてしまうというもの。
課題をクリアすれば、この「手持ち時間」を増やすことができます。
たとえば、現在のぼくの手持ち時間は59日で、課題をクリアせずに過ごすと、59日後の9月25日にブラックホールに飲み込まれ、強制退学に。
課題を早く終わらせれば終わらせるだけ、その「手持ち時間」を貯めることができるわけですが、学生のなかには、手持ち時間が200日を超える猛者もいます。
今年実施されるであろうブラックホールの変更点
ブラックホールの変更点を理解するために、42のカリキュラムの仕組みを知る必要があるので、42のカリキュラムについて先にお話しします。
カリキュラムには大きく分けて「2つの学年のようなもの」が存在しており、それが「1stサークル」と「2ndサークル」。
1年生向けのカリキュラムが「1stサークル」と呼ばれ、「コア・サークル」とも呼ばれています。
「1stサークル」ではプログラミングの基礎を学び、使う言語はC言語(たまにC++)。
ほとんどの課題は、全生徒共通の課題となります。
(一部の課題は、2、3の課題のうちから1つの課題を選ぶような選択制です)
「1stサークル」 をクリアしたら、2年生むけのカリキュラムである「2ndサークル」へ。
「2ndサークル」では、個人の学びたい分野によって、道が分かれています。
たとえば、AIの分野に進むならばAIのカリキュラム、Webデザインの分野に進みたいならWebデザインのカリキュラムといった具合。
「2つの学年のようなもの」といいましたが、学年と違うのが、「1stサークル」も「2ndサークル」も、1年間という期間が存在しないことです。
その代わりに存在するのが、「手持ち時間」がなくなると、強制的に退学させられるというブラックホール。
課題の進めるスピードは、生徒自身にゆだねられており、「1stサークル」を一年以内に終わらせる学生もいれば、一年以上かかる学生もいます。
そんなブラックホールですが、いままでは「1stサークル」の学生のみに適応されていました。
つまり、「2ndサークル」の学生は強制退学という仕組みがないため、時間をかけて課題に取り組むことが可能でした。
しかし**、今年行われるであろう変更では、その「2ndサークル」にもブラックホールが適応さ**れるということです。
その理由は、短期集中で課題に取り組まなければ、正しいスキルを学ぶことができないからとのこと。
短期に集中することで、間違った道や方法に陥っていないかという問題を早めの段階で見つけ、サポートを受けれるようにするためです。
影響
「1stサークル」をクリアすれば、別の国のキャンパスに移動することができるので、「1stサークル」クリア後は、
「1stサークル」クリア
→ドイツかオランダの42キャンパスへ移動
→現地でインターンシップ(海外の42では、インターンがカリキュラムに含まれています)
→ 「2ndサークル」クリア
→現地企業に就職
という道もありだなと思っていました。
別の国の42に行くには、Visaの申請やら、現地での生活に慣れることやらでいろいろと時間がとられます。
そこで、ブラックホールという締め切りがなければ、心理的プレッシャーも少なくて済みます。
しかし、今年から「2ndサークル」にもブラックホールが導入されることにより、上記の道へのハードルがグッとあがりました。
これをピンチととるか、チャンスととるか。
実際にブラックホールへの変更が起きたタイミングで、再度、今後どうするかを考えようかと思います。
おわりに
このように、課題を進めなければ退学といったシステムがある42。
すこし変わった学校の仕組みというと『ようこそ実力至上主義の教室へ』が思い出されます。
現在アニメも放映されている作品で、本作の主人公は、学校の課すルールをうまく利用し、さまざまな学校の課題をクリアしていきます。
ぼくも42の様々なルールを、うまく利用できるようにしていきたいと思います。
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