レビュー『マップマニア -デザイナーのための地図のデザイン- 』
旅先で、いい感じの地図の載ったリーフレットを集めるのがひそかな楽しみだ。
俯瞰した視点で何かを眺めるワクワク感に、手軽に浸ることができるからだと思う。
ひょっとすると旅自体よりも、地図付きのリーフレットを集めることのほうが好きなのかもしれない。
地図といえば、もはや日常で欠かせなくなったGoogle map。
目的地への最短経路を示してくれるので、便利なのはいいことだ。
しかし、眺める楽しみは、手作りの地図には及ばない。
そんな手作りの地図を集めたのが本書で、世界中の地図がぎっしりと詰まっている。
地図を作るデザイナーはもちろん、デザインセンスを高めたい人や地図が好きな人向けだ。
そして、眺めていると旅に出たくなるので、異国に思いをはせたい人にもオススメ。
地図の図版も大きく、カラフルで、沢山収録されているので、見ていて飽きない。
範囲もひろく、観光案内や街歩きマップ、路線図、フロアガイドやアクセスマップを扱っている。
どの地図もオリジナリティーにあふれており、目に楽しい。
「見やすさ」という地図の役割を果たしつつも、対象の魅力をグラフィカルに表現した秀逸な作品が厳選されている。
お値段は高めだが、300ページ越えと納得のボリュームだ。
冊子の最後に、アナログマップの作り方ポイントも必見。
いわく、「色の設計図をつくる」、「素材を使い分けること」、「手書きの良さをひきだす」が重要とのこと。
地図だけを集めた本はあまり見かけないので、世界中の地図デザインを集大成した本書の存在感が一層高まっている。
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