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レビュー『凡人として生きるということ』押井監督

昨日にひきつづき、押井守監督の本をご紹介。

凡人として生きるということ』。

ぼくのような凡人に響くタイトルです。

本書を読んで得た3つの学びをまとめます。


凡人として生きる

世のなかは、5%の支配層と、95%の凡人で構成。

しかし、この世は5%のためにあるわけではありません。

平凡なひとたちの、日々の営みこそ社会であり、経済といえます。

5%の言動に振りまわされてはいけません。

分相応を自覚し、「凡人としての価値観」で生きていくことが肝要。

そのためには一体どうすればよいのでしょうか。

それが、「本質を見抜く」ことです。

本質を見抜く目

押井監督は以下のように断言します。

「これからの世界を生きる人間は、このブームの中に隠れてる本質を、いつも注意深く見つけ出す努力をしていないと、自分の立ち位置を失ってしまうことになるだろう。」

p.173

本質を見抜くには、まずはなんでもかんでも鵜呑みにしないこと、つまり「信じない」こと。

「若さこそ価値がある」や「友情は無欲なものだ」といった、常識とされていることを疑ってみること。

そうすることで、何がウソかを見抜くことができ、ぼくたちは「自由な凡人」になることができます。

大負けをしない仕組み

押井監督の仕事術で、参考にしたいと思ったのが「他人と組む」こと。

そうすることで、自分の作品を客観的に判断することができ、独りよがりな、世の中に響かない作品づくりを戒めることができるそう。

押井監督はこのことを「大負けをしない仕組み」と表現していました。

というのも押井監督自身、一度成功したあとに「世の中をなめて」しまい、痛い目をみたそう。

「他人からのフィードバックを得る」ことは、再度痛い目をみないための予防線ともいえます。

まとめ

本書は押井監督から、現代に生きる若者へのエール。

自分を客観的にみること、メディアのウソや常識に騙されないこと、大負けをしない仕組みを持つこと。

そして、世の中を決してなめてかかってはいけないこと。

社会への深い洞察から生まれたメッセージは、強く心に響きます。

閉塞感や生きづらさを感じている若者に読んでほしい一冊です。


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