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じゆうに遊び、ぞんぶんに稼ぐ『アフターコロナの生存戦略』

生活のあらゆるところで変化を余儀なくされた現在、変化を積極的に受け入れ、生き方を変えてゆく姿勢が必要だ。

冒頭に著者は「楽しんだ者だけが、これからの時代を謳歌することができる。変化を楽しむのだ」とのべている。

本書では「変化を楽しむ」ための考え方や行動のアドバイスがおおく示されており、参考になったので紹介したい。

本書がカバーする内容ははば広く、仕事、転職、学び、趣味、老後といった分野にふれている。

話題もバリエーション豊富で、世界のお金のむかう先、天災リスク、将来の介護格差、人口減少、テレビ業界がとりあげられている。

「アフターコロナの生存戦略」の名のとおり、コロナ禍の現況をはばひろく把握したい人や、まえむきに物事を考えたい人におすすめだ。

コロナ禍にかかわらず、重要な生存戦略は「誰もやってないことやる」というもの。

たとえば、水彩画ではなくコピックというドローイングペンだけで絵を描き、先行者利益をねらうというもの。

さらに先駆者として、コピックの絵画技法を著した本をだせばいいという。

たしかに、コピックの技法本はいろいろと出版されていた。

また「3000時間かければ本業以外でも小銭を稼げる」という著者の体感からみちびきだされた指標が、副業をつくるためのヒントになる。

趣味を仕事につなげる例としては、本田翼氏のゲーム動画配信があげられていた。

3000時間を達成するまで、1日に取り組む時間ごとに、何年かかるかを計算してみた。

・1日1時間だと、3000日かかるので、約8年
・1日2時間だと、1500日かかるので、約4年
・1日3時間だと、1000日かかるので、約3年
・1日4時間だと、750日かかるので、約2年

本業をしながらの場合、現実的な時間の使い方を考えてみると、
・仕事の日は1日1時間
・休みの日に4.5時間

このようにすれば1日あたり2時間費やすことになるので、約4年で小銭を稼げるようになる。

天災についてもふれており、住む場所について考えさせられる。

富士山の噴火、南海トラフ地震、首都直下型地震の3つを考慮したばあい、いくつかの移住先の候補があげられている。

まずは福井県だ。

教育と言う点において、福井県は150年間、研究者や経営者を含むハイレベルの人材を排出しつづけている土地だ。

つぎに福岡市や札幌市。

他県からの移住者に排他的な土地柄ではなく、なおかつ都会として十分な機能をもっている。

意外に思ったのが、東北も候補にあげられており、1000年に1度の地震が去ったあとなので、とりわけ内陸側、日本海側安全だからだ。

とくに岩手県の沿岸部や宮城県の気仙沼は、魚をもとめる世界中の船が補給していくため、外国人が多く、土地の人も世界なれしている。

海外だと、ニュージーランドが候補にあがり、地震が嫌ならばオーストラリアのパースがオススメされている。

オーストラリアは、人種偏見が地球上で1番ない場所ということで、これは初めて聞いたことだったので参考になった。

1991年~2000年まで日本マイクロソフト代表取締役社長を務めた成毛 眞 (なるけ まこと)氏が、コロナ後の「変化を楽しむ」ための考え方や行動をしめし、いかなる状況にも活路があるという、成毛氏の前向きさが伝わる良書だった。

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