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東京・丸の内から世界へ 米国発、東京で世界的なユニコーン企業育成

 三菱地所は5月14日、アメリカ・シリコンバレーでスタートアップ支援を行っている「Alchemist Accelerator LLC」(Ravi Belani CEO)とともに、今年の秋から支援プログラム「Alchemist Japan」(アルケミスト・ジャパン)を開始します。これはアクセラレーター・プログラムと呼ばれるもので、スタートアップ企業が成長するように専門家による助言など様々な支援を行うものです。東京・大手町にあるビジネス支援施設「Global Business Hub Tokyo」に設置します。

 ここから世界的なユニコーン企業と呼ばれる評価額10億ドル(約1550億円)以上、設立10年以内の未上場のスタートアップ企業を輩出するというものです。今回の特徴は、スタートアップ企業の法人向けビジネスの世界展開を視野に、アルケミストが助言やビジネスパートナー紹介などに加え出資も行います。まさに身銭を切って短期間で世界での成功を目指します。

 日本のスタートアップ企業は、日本国内向けのビジネスを展開するため、ユニコーン企業の輩出しにくく、規模も小さいとされています。日本国内の投資家や企業、消費者向けにサービスを提供すれば、すべて日本語で完結しますし、それなりの成功を収めることができます。失敗するリスクを冒して海外向けにサービスを提供する必要性を感じにくい環境です。

 アルケミスト・ジャパンの眞鍋亮子さんによれば、シンガポールなどのスタートアップ企業は、国内市場が小さいために最初から世界市場を視野に事業を始めるケースが多いということです。失敗しても許容される環境であることも大きいです。日本では世界に進出するスタートアップ企業が少なく結果として、世界の市場に挑戦するチャンスが少なくなっています。世界を相手に失敗できる環境を提供できるのは、日本のスタートアップ企業にとって貴重なことなのかもしれません。

なぜ丸の内からユニコーン企業なのか

三菱地所の島田映子イノベーション施設運営部長

 では、なぜ丸の内なのでしょうか?東京であれば、渋谷や六本木といったエリアでもスタートアップ支援がさかんに行われており、ITを始めスタートアップ企業も集積しています。丸の内には、大企業が集積死していますが、そのことがスタートアップ企業の成長にとっていい環境なのだと言います。海外では大企業とスタートアップ企業が対応な関係でビジネスを行うことが普通であり、日本の大企業がスタートアップ企業への理解を深めるには条件がいい場所といえます。

 三菱地所は、世界でも有力なアクセラレーターであるアルケミストの日本進出をジェトロがバックアップしていることに加え、法人向けビジネスを行うスタートアップ支援は大企業が多い丸の内エリアの特性と合っていることが今回の取り組みの理由としています。さらに、丸の内からユニコーン企業が誕生することで、このエリアの魅力や価値向上につながるとみています。

アルケミスト・アクセラレーターの位置付け

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