「自生の夢」を読みましたので感想

わたしです。

飛 浩隆のSF小説、自生の夢を読み終えましたので感想を書きたいと思います。

73人を言葉の力で死に追いやった稀代の殺人者が、怪物〈忌字禍(イマジカ)〉を滅ぼすために、いま召還される───(公式の紹介より引用)

近未来の地球が舞台で、いわゆるサイバーパンク的なネットワークが進化した世界ですが、特徴としては「文字」に重きを置いていることですね。厖大な文字の力で仮想空間に様々なものを構成する演出が多用されます。また敵?とも言えるイマジカなども文字の力でネットワーク、引いては人類に直接危害を加えてきます。キャラクターパンクとでも言えばいいんですかね?

繊細で豊かな高い文章表現力とその独特の設定が素晴らしかったです。

しかし正直わたしには合いませんでした。「ソラリス」「2001年宇宙の旅」「虐殺器官」あとは「羊たちの沈黙」あたりがモチーフなんでしょうか。あまりにも素材そのまますぎてもうちょっと調理してほしかったというか、今一歩パンチが足りませんでした。前述の設定は面白かったんですが、なんだかストーリーがふわふわしていて、最終的によく見るSFっぽい展開が詰め込まれてぶん投げて終わり、みたいに感じてしまいました。

そもそも人間の内面に重きを置いた作品があまり好きじゃないのかもしれませんわたし。人間がかき乱されたり必死に戦ったりするのは好きなんですが。自分でもその辺の好みがよくわからないというかうまく言語化できませんごめんね。

今回はこの辺で。できればみなさんのオススメの小説教えてください。SFが好きですがSFじゃなくてもウェルカム。それではまた。

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