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老子道徳経と中医学的身体観⑫


検欲第十二と言う副題です。

中医的身体について書きたいところですが、心身一如として身体の脱力に勤めようとすればするほど心の持ちよう、心の脱力、断捨離が必要になる事に気づきます。

不要な外からの刺激を極力減らす事で、自分の心と身体に向き合うと、身(腎)、心が調い、それを自由に使う為に肺魄を調える。

中医気功学で言うところの三調合一。

同じことをしているようで、上の段階は質が高まります。

太極を循環させるだけでなく、更に上の段階へ行く為には太極に集中する必要がある。

軸(太極、枢)を枠(太極)として、その枠からはみ出ないように進んでいけば上への階段が分かり、同じ太極のようで螺旋を描く道となる。

太極が違うもの、欲を増長させるものに気を取られるといつまで経っても太極が何かも分からないばかりか、堕落して五感の反応が廃れていく。

鳳凰堂流意訳

色とりどりの美しい色彩は人の目を盲にする。

耳に心地良い音楽は人の耳を聾にする。

豪華な食事は人の味覚を損なう。

馬で狩りをすることは、その楽しみが人を熱狂させ、珍しいものは人を盗みに走らせる。

このような理由から聖人は民の腹を満たす事だけを求め、民の目を眩ますような事をしない。

直訳
五色は人の目を盲ならしむ。

五音は人の耳を聾せしむ。

五味は人の口を爽わしむ。

馳騁田猟は、人の心を発狂せしむ。

得難きの貨は、人の行を妨げしむ。

これを以て聖人は、腹をなして目をなさず。

故に彼を去りてこれを取る。

原文
五色令人目盲。五音令人耳聾。五味令人口爽。馳騁田猟、令人心発狂。難得之貨、令人行妨。是以聖人、為腹不為目。故去彼取此。

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