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103_『NEUTRAL COLORS - ISSUE1』

無類の本好きであるという自負はあるけれど、好きという点においては、やはり雑誌というものは外せなくて、特に学生時代はお金もなく、ひたすらに本屋さんに寄ってはらゆる雑誌を立ち読みしていた懐かしい記憶、は誰にでもあるだろうと思うけれど、自分にとっても例外ではなく。

インターネットが常なるスタンダードである今とは違って、少し前まではやはり雑誌こそが情報の先端だったのは言うまでもなく、自分にとっても、週刊誌はもちろんのこと、『BRUTUS』や『PEN』や『SWITCH』を読み漁り、そして何と言っても『STUDIO VOICE』は発売日には間違いなく書店で手に取っていた。

振り返ると、雑誌の良さというのは内容だけに留まらず「手触り」にあると思っていて、特に『STUDIO VOICE』はマット感のある紙質がとても心地良かった記憶。カラー雑誌によくある光沢感のある紙を使っていないので、指紋が残らないというところも良かったし、兎にも角にも特集の質が高かったし、後半の新作映画・音楽・本の紹介が、自分にとっては貴重な情報源となっていた。

あと、そこまで有名ではないものの『SPOTTIN'』という一人で編集している雑誌が本当に大好きで、今でも捨てられない雑誌で、ここに挙げておく。

社会人になってからは雑誌を購入する余裕が出て『TRANSIT』や前身の『NEUTRAL』もよく買っていた。最近であれば『IMA』のような写真雑誌、そして『KINFOLK』を手に取ったり。また、最近はZINEにも秀逸なモノが多くて目移りしてしまうこともしばしば。

そんな中、久々に自分にとっての新しいスタンダードとなり得る雑誌が登場。『NEUTRAL』『TRANSIT』の編集者でもある加藤直徳さんによる『 NEUTRAL CLORS』。

オフセット印刷とリソグラフ印刷のどちらも駆使して作られた雑誌。完全にハンドメイドで、それ自体が作品のよう。とにかく手触りが素晴らしくて、ついつい手に取りたくなる。

特集も「人生とインド」と創刊号を飾るにこれしかないという内容。やはり、インドは面白い。タラブックスについても濃厚な記事があり、見た目以上に内容の濃さに唸らされる。

表紙の格好良さも最高。これを置いておくだけで空間にインスピレーションが湧くというか、引き締まるというか。

季刊のようなので、次号も本当に楽しみ。

NEUTRAL COLORS / ISSUE 1
編集:加藤直徳
発行:NEUTRAL COLORS
判型:B5正寸 257 x 182 x 15㎜
項数:232ページ
価格 2,400円+税


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