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005_ダムタイプ | アクション+リフレクション

東京都現代美術館(MOT)にて絶賛開催中のダムタイプの大規模個展。ダムタイプについてはあらゆるところで十分に語られているとは言え、そこはかとなくダムタイプが好き!と声を大にして叫びたいくらいのダムタイプ好きなので、この話題は外せない。

ダムタイプについて一言で表すなら、それは「80年代における表現の最高峰」。そして、今においてもまったく色褪せることのないその表現は、観る度に、新鮮さをもって驚きと発見と刺激を与えてくれます。

そのメンバーには、池田亮司や高谷史郎、あるいは高嶺格といった、個々に有名なアーティストも名を連ねていて、その凄さがこれだけでも伝わってきますが、同時にその組織体としてのあり方も非常に面白く(興味深く)、リーダーは不在、そして誰もが平等に扱われると言う体制だったそう。

この点だけでも、他の団体とは一線を画しているのが、ダムタイプの特異性。

と語りつつも、正直に告白すると、初めてそのパフォーマンスを観たのは(そしてもちろん映像を通して)2004年頃の話... ただ、その時に見た『S/N』には本当に心から痺れました。

この『S/N』という作品は1992年の作品だと言うのに、そのコンセプトはもちろん、そのテーマをいかに表現するのかということに対する徹底的な追求、そして舞台の演出、演技、音響から全てがそれまで見た何よりも圧倒的に新しく見えました。この体験以降、ダムタイプという存在にひたすら惹かれたまま時を過ごしています。

そんなダムタイプの個展が2019年に開催というリリースが出されてから、ずっと楽しみにしていたこの個展。

規模的には十分な大きさ。そして、ここの作品の強度はもちろん、これまでの活動を俯瞰するという意味でも、非常に良く構成された展示でした。

時折配置されるディスプレイからは過去の映像が。映像の粗さからは時代を感じるものの、内容としては完全にコンテンポラリー。その時代に即して、内容はアップデートされないのに価値が更新されていく、そんな感覚です。

昔のパフォーマンスで使われたものと同じ展示もいくつか作られていますが、聞いた話によると作り方は昔とは違い段違いに洗練されているのだとか…

MOTでは同時期にmina perhonenの展示もやっていて、こちらはこちらでとても良いのですが、あまりにもダムタイプが圧倒的過ぎるので、mina perhonen目的の方でも、ぜひ足を運ぶことを強くオススメします。


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