「訪問看護の集客で最初にやるべきこと」
こんにちは!
初めまして、
「訪問看護ビジネスのつぶやき」です!
私は、訪問看護ステーションに5年勤めており、管理者としての経験を積んできました。職種は理学療法士ですが、サテライトの管理者としてステーションを大きくするために試行錯誤してきました。
最初はケアマネさんからの依頼が来なくて苦労しましたが、独学で学び実践する中で少しずつ成果が出るようになったので、
そこで得られた知見を皆さんに共有できたら良いなと思っています!
■なぜ集客の方法を学ぶ必要があるのか?
「集客の方法なんてわざわざ学ばなくても、依頼は来るんじゃないかな?」
と思っている方、いらっしゃると思います。
確かに中には、感覚的に取り組んでうまくいく人や、沢山営業していたら成果が出ましたという人もいると思います。
しかし感覚的に行っていく場合は、成功体験のノウハウが蓄積されないので、再現性がなく、いつしか結果が出なくなってしまいます。
また、営業先を訪問する数を多くして依頼をもらっている人の場合は、訪問の数が増えてきた場合営業に避ける時間が少なくなるため依頼が止まるかもしれません。
新規依頼を沢山取ってくるエースに頼っていた場合、その人が辞めてしまったら新規依頼は減るでしょう。
継続的に依頼をいただくためにも、体系的に集客の方法を学び、成功体験を蓄積していきましょう!
「訪問看護ビジネスのつぶやきnote」はこんな方におすすめです!
・訪問看護の集客で、何から始めれば良いか分からない方
・訪問看護におけるマーケティングの考え方を知りたい方
第一回は「訪問看護の集客で最初にやるべきこと」です!
10分ほどで読み終える内容となっていますので、是非最後まで読んでいただけると嬉しいです。
■訪問看護の集客で最初にやるべきこと
これは訪問看護ステーションだけではなく、ビジネスを行う上で最初にやることですが、
結論、集客をする上で最初にやるべきことは
「マーケティングの全体像を知ること」です。
マーケティングとは、
訪問看護に置き換えて簡潔にいうと
「看護やリハビリテーションというサービスを
利用者さんに使ってもらうための活動」のことです。
集客のための広報や営業活動はマーケティング活動に含まれているので、 マーケティングの全体像を知った上で集客のための戦略を立てていくことをおすすめします。
■訪問看護におけるマーケティングの考え方
マーケティングの全体像をお伝えする前に、まずはマーケティングという言葉について整理していきます。
「マーケティング」という言葉は、医療専門職としては聞き馴染みがなく、最初は難しい言葉のように感じた方も多いと思います。
私も最初は
「マーケティングって言葉は聞いたことあるけど良くわからない」
「難しそうだから勉強するのも大変そうだな」
と思っていたので、なかなか学ぶまでに時間がかかったことを覚えています。
調べて見ると、マーケティングは以下のように定義されています。
何やら余計難しく聞こえますね。笑
マーケティングは提唱する組織や人によって、若干定義が異なるようです。
余計わかりづらくなってしまったという方もいらっしゃると思うので、「訪問看護」に置き換えて考えてみます!
訪問看護におけるマーケティングとは
「看護やリハビリを用いて、看護リハビリを求めている利用者様のニーズやウォンツを満たすための活動」
ということになります。
具体的例でお伝えします。
廃用が進み、褥瘡ができてしまったAさん。
「褥瘡の部分が痛む。その痛みから余計に活動が制限されてしまっている」という悩みを抱えています。その悩みを解決するために、「褥瘡処置という看護」を提供することができる看護師をAさんの元に届ける。これがマーケティング活動の一例です。
少しイメージがついたでしょうか??
このように「ターゲット(利用者さん)の悩み」を「解決する手段(看護、リハビリ)」をスムーズに提供するための活動をマーケティングと言います。
「利用者さんの悩み」や「看護師、リハビリ専門職が提供できる価値」は多岐にわたるので、「自社の訪問看護ステーションが解決できる悩みをもつ利用者さん」に対して、「その悩み私たちが解決できますよ」とアピールしていきます。
■マーケティングの全体像(フレームワーク)
では、ここからが本題「マーケティングの全体像について」、フレームワークを通してお伝えします!
USJ(ユニバーサルスタジオジャパン)をV字回復させたことで有名なマーケター
森岡毅さんの著書「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティングの入門」に記載されている戦略のフレームがこちらです。順に説明していきます!
上から
「OBJECTIVE 達成すべき目的を決める」
→「WHO 誰に売るのか?(ターゲットを誰にするか)決める」
→「WHAT 何を売るのか?(顧客に提供する価値は何か)を決める」
→「HOW どうやって売るのか?(広報や営業戦略と具体的な日々の行動目標まで)決める」
という順番に計画を立てることがマーケティング戦略立案の大まかな流れです。
OBJECTIVEではチームがどこを目指すのか?具体的な達成すべき目的を決定します。これは経営者によって既に定められていることが多いと思います。どこを目指すのか?が分からなければ、何をどのくらいやればいいのか逆算して考えることができません。
WHO(誰に売るのか?)では、文字通り誰に対して売っていくのか?を決めます。商品やサービスを買ってくれるお客さんの中で、特に誰をターゲットにするのか?を考えます。
WHAT(何を売るのか?)では、WHO(ターゲット)の課題の解決策=提供する価値を決めます。(例)ボールペンの場合、ボールペンを売っているのではなく、「消えにくい文字を書くことができる」という価値を売っていることになる。
HOW(どうやって売るのか?)では、WHO(ターゲット)に対してWHATをどのように届けていくか?を考えていきます。
今回の記事では、「OBJECTIVE(達成すべき目的)」と「WHO(誰に売るのか?)」について説明していきます!
■OBJECTIVE: 達成すべき目的
上でも触れましたが、目指すべきゴール・目的が決まっていないと誰に何をどのようにどのくらい届ければいいのか分からなくなってしまいます。まずは企業が中長期的に目指す目的を設定していきます。
以下に例を挙げます。
例)
看護師6名の訪問看護ステーション
現在毎月300万の売り上げを3ヶ月後に500万円にしたいと考えている。
仮に1回の訪問の単価を8,000円とすると、
200万の売り上げアップするためには、1ヶ月あたりの訪問数を250件増やさなければならない。加算などの細かい計算は省略します。
(2,000,000円/8,000円=250件)
1ヶ月を4週間とすると、250/4=62.5件。1週間の定期枠を62.5件増やすことになります。
目標を3ヶ月後に設定しているため、1ヶ月で約21件の定期訪問枠アップを目指すことになります。
このOBJECTIVE(達成すべき目的)で掲げた目標を達成させるために、
ターゲットを誰(who)にして、何(what)を売るのか?(どんな価値を提供するのか?)、どうやって(how)売るのか?を考えます。
■WHO: 誰に売るのか?(ターゲットは誰か?)
【なぜターゲットを設定するのか?】
ターゲット設定しなくたって、依頼をくれる可能性のある人にひたすら営業すればいいのでは?と思った方もいらっしゃると思います。
ただこのやり方をしていると「時間」「お金」「人、体力」を余計に消耗させてしまい、コストをかけた挙句、結果も出ないという事態になってしまう可能性があります。。
そもそも皆さん日々の、訪問だけでなく、家事や育児などもあり忙しい毎日を送っていると思います。
ただでさえ時間がない中で、数多なターゲットに数多くの施策を試している暇はありません!
だから、目標とする売り上げを達成するためにターゲットを絞り、「時間」「お金」「人、体力」を集中的に投入するのです。
【ターゲット設定の方法】
では実際にターゲットはどのように設定して行けば良いのでしょうか?
ターゲットの設定方法として
「ペルソナを作成する」
というものがあります。
私もペルソナを設定して集客をしているので、
ペルソナ設定の具体的な方法をこちらで紹介いたします。
ペルソナ=人格・仮面
という意味で、ビジネスの世界では「商品やサービスを実際に使ってくれるであろう典型的な顧客像」という意味で使われています。
ペルソナを設定するメリットは
・自社のサービスはどんな顧客(ケアマネ、相談員など)を対象にしているか明確になり、営業戦略、広報戦略を立てやすくなること
・ターゲットを絞ることで、「人」「時間」「お金」を集中的に投入することができるためコストを抑えることができること
です。
結論、
「よく依頼をしてくれるケアマネ(またはソーシャルワーカー、相談員など)」をペルソナに設定します。
しかし「よく依頼をくれるケアマネ等」がペルソナから除外されることもありますので、後ほどご説明いたします。
ペルソナ設定でまず1番にやることは
「依頼をくれる顧客(ケアマネや相談員など)にインタビューまたはアンケートをすること」です。
訪問看護を立ち上げて、既に依頼をもらったことがあるステーションであれば
「依頼をくれたことがある顧客」に対して
・なぜ依頼をくれたのか?自社に魅力を感じる点はあるか?
・どんなところに良さを感じたのか?
・どんな訪問看護に依頼したいと思うか?逆にどんな事業所に頼みたくないか?
・どのエリアの利用者さんを担当しているのか?
・どのような連携方法を好むか?(対面、TEL、メール、FAXなど)
・受け持ちは何人か?
・受け持ちの利用者のうち、訪問看護を利用している人は何人か?
などを聴取します。
いきなり全て聞き出すのは難しいという方は、
「どうしてうちに依頼をくれるのか?」だけでも確認しましょう!
上の情報を聞き出すとペルソナは以下のようになります。あくまで例ですが、このように具体的に記載していきます。
【自社によく依頼をくれるケアマネ】
このようにペルソナを設定し、
実際にこのペルソナから依頼をもらうためにはどうしたらよいか?どのように連携を取っていこうか?などペルソナを活用して広報や営業の戦略を考えていきます。
具体的な情報をまとめることで、営業戦略が立てやすくなります。
例えば、上のようなペルソナを設定した場合
「ケアマネが複数名いる居宅介護支援事業所に所属している50代女性」に対して最初は対面(顔を知っていることを大事にしている)で「連携の素早さと丁寧さ」をアピールし、高圧的な印象を抱かれないようなコミュニケーションをとります。
ペルソナを設定すると、自分たちがどのように振る舞って何をアピールしていけばいいか?が整理されるのです!
【ターゲットから除外した方がいい例】
「よく依頼をくれるケアマネ等」をペルソナとして検討しますが、下記のようなケースはターゲットを変更する必要があるのでご注意ください!
①「よく依頼をくれるケアマネ」の依頼がリハビリに偏っているが、リハビリの空き枠がない。(看護依頼に偏っているが、看護の枠がない)
このようなケースでは、「よく依頼をくれるケアマネ」をペルソナに設定しないほうがよいでしょう。ペルソナに設定し、営業促進したところでリハビリ依頼ばかり来てしまい、自社で引き受けられなくなってしまいます。かけた労力が無駄になってしまいます。
リハビリの空き枠がないのであれば、看護師依頼をもらえるようなペルソナを設定すべきです。看護師が介入する必要性があり、医療依存度が高い利用者様を多く担当しているケアマネか病院やクリニックのソーシャルワーカーにターゲットを変更した方良さそうです。
過去に看護依頼を複数くれたケアマネまたはソーシャルワーカーに「なぜ看護依頼をくれたのか?」インタビューし、ペルソナを設定し直しましょう!
②「よく依頼をくれるケアマネ」が担当している利用者のエリアが遠い場合
よく依頼をくれるケアマネが担当している利用者の住所が事業所から遠い(うちの訪看は事業所から3kmを超える距離)場合は、せっかく依頼をいただいても、ルートが悪く訪問できない可能性が高いです。
基本ですが、訪看事業所から訪問可能なエリアを担当しているケアマネをターゲットにしましょう。
③自社で受けられない依頼をしてくる可能性のあるターゲット
「よく依頼をくれるケアマネ等」をターゲットにする場合、このようなことはありません。①の内容とも重複しますが、看護師の枠がないのに看護依頼を沢山くれるところをターゲットにしても受け入れられません。精神科訪問看護ができる看護師や作業療法士がいないのに、精神科の依頼がある保健センターの相談員をターゲットにしても意味がないでしょう。営業してきたのに依頼したら断られたとなると信用を失ってしまいます。受け入れられる依頼をしてくるケースもあるのではないか?と思うかもしれませんが、その可能性が他ターゲットよりも低いのであれば除外したほうがいいと思います。
以上、今回は
「訪問看護におけるマーケティングの考え方」「OBJECTIVE 目的の設定」「whoターゲット設定の方法」についてご説明いたしました!
少しでも皆さんの日々のお仕事に活かせる内容になっていたら幸いです。
皆さんにとって価値のあるnoteにするため、アンケートにご回答ご協力お願い申し上げます。
次回は、
「what 訪問看護の提供する価値 何を売るのか?」について書こうと思いますので是非ご覧ください!
質問などありましたら、TwitterのDMにご連絡ください!
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