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一歩踏み出せるように安心感を

医療職として安心感を与えることも仕事

先日、利用者さんの一人が高血圧の傾向があって病院の医師に相談しに行ったところ、ぶっきらぼうな態度で「そんなに心配なら(降圧剤を)1錠から2錠に増やすこともできるけど、どうする?」と言われたそうです。
利用者さんからすれば、「それを判断してほしいから受診に来ているんですが!!」とカチンと来てしまったようです。

利用者さんはそれぞれ不調や不安を抱えているからこそ受診に来ると思うのですが、症状だけを対応するれば良いのでしょうか?
不安感を軽減することも医療職として必要な役割ではないか?と思うわけです。

身体と心は互いに影響をあたえあう

人の身体と心(精神)はしっかりと連動していて、
・気分がすぐれないときは、体に力が入りにくくパフォーマンスが低下
・体に痛みがあると、動こうという気力がなくなってしまう
自分でも思い当たる節はありませんか?
上記のことはほとんどの人が経験することと思います。

プラセボ効果

人の認知と身体への影響の話題で欠かせないのが、「プラセボ効果」です。
「プラセボ効果」とは、プラセボ(偽薬)と知らずに服用すると、人は「飲んだ」という行為により無意識に効果が生じるものと思い込みます。そうすると、実際には有効成分は入っていないはずなのに、身体が反応して効果が発現してしまうことがあります。

医師と良好な関係性を築き、内服することでどんな効果が得られるかを理解し、「この薬は効くんだ!」と思いながら服薬することで、より効果が期待できます。
逆を言えば、医療職への不信感がある状態で処方された薬を飲んだとしても、効果は半減。良くなるものも良くならないということが起こりえます。

リハ職として安心感を与える意義

ここで、リハ職として利用者さんと関わる上で、安心感を与える意義を考えてみようと思います。

身体が思うように動かない、歩くときに前に進むのが不安、、、
こんな時に「何かあっても支えるから大丈夫」と安心感を与え、
利用者さんが一歩踏み出せる状況を作り出す
ことが大切です。
「できない」と思い込んでいるうちは体はついてきません。
少しでも「できるかも?」と感じてもらえるような支援が利用者さんにいは必要です。

もちろん、利用者さんの抱えている不安や不満を打ち明けてもらうことで、気分的に楽になってもらうことや、一人で考えずに一緒に考えることも大切で利用者さんからすれば心の支えになるものです。

また、リハ職としてラポール(信頼関係)を形成し、
このセラピストが言うんだから運動療法や指導内容には効果があるんだと思ってもらえることができれば、より改善が期待できるはずです。

最後に

だからこそ、医療職として利用者さん・患者さんと関わる際は、相手に寄り添いながら、少しでも楽になる・一歩踏み出す勇気が持てるように支援していくことが大事だというお話でした。

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