Catch me if you can.
「変な男につかまるんじゃないよ」
男性による女性への事件を見ると必ず母が言っていた言葉。恋愛関係のもつれによる事件だと、さらに「こんな男と付き合うから…」とも言う。
心配からくる言葉だというのも分かってはいたが、言われるたびに何故か自分を否定されているような気分になった。
悪い男と関わりを持ってしまった人は愚かなのか。自分が選んだ相手だとしても、加害者は加害者。選んだ人の責任なんて一ミリもない。
きっと母にとっての「変な男」とは、暗かったり、粗暴だったり、猟奇的な面を持っているような、初対面から警戒心を持つような相手のことを指しているだろう。
だが、本当に悪い人は一見悪そうに見えないものだ。本性を隠して近づいて、手の届く範囲に入った瞬間に牙を剥く。それを見分けられない者を責めるのは理不尽ではないだろうか。
しかしそんな母も、25にもなって一度も彼氏ができたことがなさそうな娘に、今度は真逆な心配をしているようだ。
母よ、変な男には捕まりませんでした。というか、誰にも捕まらなかったよ。
うーん、これはどうなんだ。
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