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深夜3時

田舎の深夜、時計は静かに3時を告げる。深夜の静けさが田舎の小さな村を包み込んでいた。真斗(まさと)は疲れ切った体をベッドに横たえたまま、天井を見つめていた。介護職の激務で休職し、今後の将来が不安で眠れない日々が続いていた。

窓の外では静かに月が輝き、風が穏やかに吹いていた。真斗は何かしらの希望を見つけたくて、布団から身を起こし、ふと外の景色を見ようと決心した。静かに家を出て、村の小道を歩き始めた。

月明かりが小道を照らし、田園の美しい風景が眼前に広がった。遠くには小さな川が静かに流れ、その水面には月の光が揺らめいている。真斗は少し歩き、草花の香りや風の音に耳を傾けた。

周囲には広がる田園が静まり返り、ただ一筋の小道が月明かりに照らされている。その小道沿いには低い木々が並び、その影が地面に長く伸びている。月の光が田んぼに反射し、水面が静かに輝いている。

遠くの家屋からは、時折風の音や遠くの犬の遠吠えが聞こえる。星々は静かに輝き、夜空は澄んでいる。あたり一面が静寂に包まれており、虫たちの微かな音が聞こえ、時折風がそよそよと木々を揺らす。


彼は介護職の休職後、将来への不安に苛まれていたが、今、自然の中で感じる平穏な雰囲気が彼を包み込んでいるようだった。

月の光が小道を照らし、周囲の田園風景が静かに眠る中、彼は自分の心に問いかけた。これまでの日々がどれほど辛かったか、そしてこれからの道がどれほど不透明であるか。しかし、その不安を抱えつつも、彼は目の前の美しい風景に心を開いていた。

小川のそばで、水のせせらぎを聞きながら真斗は深呼吸を続けた。冷たい夜風が頬を撫で、彼の心身をリフレッシュさせる。彼は星空を仰ぎ、その無限の広がりにただただ感嘆した。

その時、小さな野生の兎が道の先に現れた。その愛らしい姿が、真斗の目に留まり、彼の心に新たなる勇気を与えた。兎は自由に跳ね、小さな生命の躍動を彼に伝えているように思えた。

「生きることの勇気を、自然から教わっているんだな」と真斗は感じた。この美しい風景と出会い、自然の中で生きる生命の喜びを再確認することで、彼の心には明日への希望と呼べる何かが育っていくのを感じた。


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