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東京が誇る日本随一の秘境・青ヶ島へ(その3)【旅行記#16-3】

みなさんこんにちは。たんぼです。青ヶ島に上陸し、祭りとゆったりとした島時間を満喫できました。紆余曲折ありましたが、青酎の試飲会に参加できることになりました。日も暮れてきて、いよいよお待ちかねの時間です。

(前作はこちら。さらにその前の八丈島編と合わせてお楽しみください。)

3日目(夜) お待ちかねの青酎試飲会と島のナイトライフ(?)

「18時に来てね」。その言いつけを守り、時間通りに酒造を再訪すると中には数名の参加者と杜氏さんがすでにいて、談笑していた。アットホームな雰囲気である。時間になると杜氏さんによる青酎のレクチャーが始まった。醸造酒・蒸留酒の違いといった基本的なところから仕込みや発酵などの製造工程、使用する麹や酵母に至るまで丁寧に説明していただいた。

ちなみに青酎は江戸時代から各々の家に伝わる方法で作られており、使用する麹や酵母も土着のものを使用しているとのこと。つまり、同じ「青酎」とくくられてはいるが、作り手によっても味が変わるし、作った年の周辺環境などによっても味が変わることもあるのだ。

八丈島の焼酎も、GWに見に行った時にかなりアナログな作り方をしていると感じたが、それ以上である。(製法に関して詳しく書いてあるブログ記事を貼っておく。興味がある方は読んでみてね)

焼酎の香りや味の違い、感じ方などに触れた後でいよいよ試飲である。確かに同じラベルであっても、作り手の名前や作った年が違えば全く味が異なる。現代において規格化されない製品があることに衝撃を受けた。固有の銘柄を持つものもあるが、購入するときは「~~さんのやつ」という伝え方をしなくてはならない。通販でも下のように杜氏さんの名前が記載されている。

味のマッピング表。一般的な焼酎がかすむほどの香りの強さである。
商品ラインナップ。ここで在庫確認をして購入できる。レクチャーに参加した人限定の特典。

レクチャーのなかで、青酎の中でも特別な「初垂れ(はなたれ)」の存在を教えてもらった。これは1回目の蒸留で得られたもので、度数はなんと60度

本格焼酎(乙類)は法律上45度以下のものしか販売できないが、特区認定を受け島内のみで流通が認められるようになった(だからといって島外の人が購入して持ち帰ることはできない)。飲食店(といっても1つだけ)や宿で飲むことができる。

この初垂れも試飲させてもらえたが、度数が強い分、ただでさえ強い香りをより強く感じられた。こういう酒を待ってたんだよ、という嬉しい気持ちが半分と、香りが強すぎてこれまでに飲んだやつの味を全部忘れてしまったじゃないか、という残念な気持ちが半分ずつ交錯する。

瓶のデザインもgood。ぜひとも持ち帰りたい。

帰りは船のため、ヘリ搭乗時のように重量を気にせずお土産の青酎を買うことができた。飛び入り参加ではあったが、大満足の試飲会であった。

宿に戻って夕食。右上にあるのは「いもつき」という郷土料理。塩辛と合わせて食べると美味。青酎があれば最高なのだが、二次会(?)のためにとっておく。

実は前日、祭りの帰りに島の方から「ちょうどナレーターの方が来ていて、怪談を聞く会みたいなのをやるんだけど、参加しない?」と誘われていた。真っ暗な島での夜は酒を飲むか星を見る以外にやることもなかったので、二つ返事でOKした。

その会まではまだ時間があったので、初垂れを飲みに島唯一の居酒屋「一人(とり)」へ。島の言葉では、ひとりとかいてとりと読むらしい。

念願の初垂れ。グラスもおしゃれ。
一人3杯まで、とこれでもかというほどの注意書きがつけられていた。
60度だし、一杯2000円だし、さすがにそんなに飲まないよね??
店内はアットホームな雰囲気。奥では店主も含め(!)島のおじ様たちが競艇に興じていた。

はなたれは1杯のみにして、怪談会に備えて宿へ帰る。後日談だが、60度の酒をロックで飲むという経験が久々だったのか、普段の25度の焼酎を自宅に帰ってからロックで飲むと物足りない感じがした。開けてはいけない扉を開けてしまった気がする。

島といえど東京都なのでインフラもある程度はそろっている。公衆電話・郵便局などなど。

夜も更けて10時前。会場であるコワーキングスペース「NYAYA」へ。

YouTubeをやっている加絵さんが運営している。中には銀の盾が飾られていた。ここにも届くんだなあ。

人数がぞろぞろと集まってきて、いよいよ開演。この日の主役は1か月インターン(?)で島に滞在しているという有野さん。ナレーションが本業とのこと。さすがのお話のうまさで、オカルトに懐疑的な自分も少し寒さを覚えた。(その時の様子は下からどうぞ。)

https://twitter.com/arino_hiroki/status/1823286538459099453

おのおのドリンクを飲みながら、怖くも楽しいひと時だった。

その後は出るかもしれない(!)というスポットへ。何かあったときのことを考えて実際に踏み込むことはしなかったが、その近くできれいな星空を見つつ、さらに話が盛り上がった。オカルトに限らずたくさん話を聞くことができて楽しかった。改めてみなさんありがとうございました。

さて、いよいよ4日めへ。帰る予定ではあるが、本当に帰ることができたのか。記事もおそらく次が最後でしょう。お楽しみに。

お楽しみいただき、ありがとうございます! いただいたサポートは旅費の足しとして宿・現地での飲食・交通手段等に使わせていただきます。その内容も記事にする予定ですので楽しみにして待っていてください。