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アジアが誇る文化のるつぼ・シンガポール訪問【旅行記#12】

皆さんこんにちは。たんぼです。更新はだいぶ遅れていますが、前回の函館旅から1か月、今回は国内ではなく海外への訪問記録となります。行先は東南アジアの島国・シンガポール。(最近は中華系が多いようだが)多民族国家ということもあり、多様な背景を持つ色濃い食・文化・歴史に触れることができました。

まえがき

経緯

昨秋、大学時代の先輩に、シンガポールでやっている6人制ホッケーの大会に誘われた。先輩たちはそのまま大学のOBで作ったチームでプレーしているが、自分はわけあって別のチームでプレーしている。チームの垣根を越えてこのような機会に声をかけてもらえたのは非常にありがたいし、細々とではあるがホッケーを続けていてよかったと思う。海外へ行くのは20年のコロナ騒動が始まる直前が最後で、その際には観光を中断して帰国しているので今回はがっつり観光してやろうという気持ちになっていた。そこで皆が大会終了とともに帰国するところを自分は1日延泊することにした。

準備

日程が決まれば航空券の手配からスタートである(宿に関しては先輩がやってくれたので最終日以外はそれにあやかることにした)。スカイスキャナーで調べてスクートの直行便を手配。保険も込みで往復7万円ちょい。セール期間でもない限りはこれが一番安いはず。ほかにいい方法あれば教えてください。最終日のホテルを探していると、当時は気にならなかったが部屋のわりに値段が高い。

それもそのはず、大会の真裏であの世界的スター・Taylor Swiftがシンガポールでツアーをしやがる(ファンでもないので口調が荒れています。ご容赦ください)のだ。日本より物価が高いとはいえ、シャワーとベッドしかない窓なしの部屋で170ドルはないだろう。

あとは電源プラグ(BF式。面倒だったので全世界対応型で対処)を調達して終わり。通信に関しては携帯会社のローミングを使用したのでSIM等の購入はしていない。年中暑いため服に関してはかさばらなくて済むのもありがたい。

Day 0 ラッシュ回避のために空港泊!?

旅は出発の前日から始まっていた。フライトは朝9時成田空港発。チェックインは7時からだったので、始発で行っても間に合わないことはなかったのだが、トラブルが起きて同行の先輩方に迷惑をかけるのは申し訳ない。それにホッケー用の荷物が大きく、空港行きの電車やバスの中に乗せられない事態が発生する可能性がゼロではなかったため、前日の成田エクスプレスの最終便で向かうことにしたのである。普段は京成などを乗り継いでけち臭く行っていたが、えきねっとのチケットレスを使えば新宿等から乗っても意外と安く行けることに気づけたのはよかった。荷物が少なければ東京駅からバスで向かうのが最安だが。

今回お世話になった成田エクスプレス。

仕事を片付けていざ成田へ。2時間弱の道のりで21時過ぎには出発ターミナル(第一)に着く。そこから夜食・朝食と寝床の手配だ。事前に予習していた通り、場所取りにさえ勝てれば第一ターミナルでも夜を明かせるとのことだったのでニンテンドーエリアのソファをいただくことにした。

コンビニに向かっている間に中国人ファミリーに一部侵食されていたり(政治問題に思いをはせたりもしたがここで書くのは控えておく)、向かいにいた別の中国人ファミリーはパパの墨が怖かったりで安眠とはいかなかったものの、深夜ラジオをお供に夜を過ごした。とにもかくにもこの作戦はお勧めしない。おとなしくカプセルホテルを取るか、第三ターミナルの広い場所で夜を明かすほうがいい。

Day 1 寒さと花粉にしばしの別れ

5時になるとターミナルの各エリアが開放される。早速チェックインゲートのある4階に移動してさらなる仮眠をとった。7時頃に始発で来た先輩たちと合流し、いざチェックイン・・と思ったらこれがまたものすごい長蛇の列である。オンラインチェックインであれば多少は待ち時間も短縮されただろうが、今回は旅行会社経由で手配したためそれもかなわず、この先がどこに続くかもわからない列に並んでいた。朝の便でなければ余裕を持ってチェックインできたのかもしれないと思いながら、バタバタしながらも保安検査を済ませ(淡々と書いているが容量オーバーの化粧品を1つ没収されたが)、無事搭乗までこぎつけることができた。

7時間のフライト。3列*3ブロックの中のど真ん中の席に割り当てられてしまった。左右の客に気をつかい、そのうえトイレに行くタイミングまで制約されてしまってはどうしようもない。LCCなので機内サービスも有料。持参した水と飴で渇きと空腹をしのぎつつ、ダウンロードした音声コンテンツと動画で時間をやり過ごした。ありがとう呪術廻戦。ありがとう芥見先生。

一日千秋の思いで待ちわびていたシンガポール・チャンギ空港へついに上陸。事前に入国登録を済ませていたおかげでイミグレもスムーズに進んだ。

1時間の時差を差し引いて、時刻にして15時半。上述の通り朝から水と飴しか口にしていなかったので、ジュエル内のフードコートを前に空腹がついに限界を迎えた。

到着ゲートを出てすぐ見えるジュエル。寒さも花粉もない空間に来られた感動も相まって圧巻の一言である。
上陸後初の食事はPrawn noodle。いわゆるラクサってやつ?スープがココナッツベースだったおかげで見た目ほど辛くはなかった。薄揚げも入っていてどこか日本っぽい。

空港からはGrab(東南アジアのUber的なやつ)で移動。公共交通機関も安い(後述)が、ワゴン車も選ぶことができ、6人までなら1台で移動できるので便利である。
チェックインを済ませるとしばらくのフリータイム。暑熱順化も兼ねて周辺を散歩した。

付近の屋台街。夕方に訪れたため閑散としていたが、朝はにぎわっていた。
特徴的なコロニアル建築。店構えが中華系で文化の融合を感じる。
ほんとの意味で「スーパー」なお店もあった。英国統治の歴史を持つため車は左側通行。

夜は有名なナイトサファリへ。世界中の動物が熱帯の環境でたくましく生きている姿を見ることができて刺激的ではあったが、暗いので写真等記録に残すのは難しかった。(それを目的に旅しているわけではないので全く問題ではないが。)疲れていて夕食の記憶はないが、とにもかくにも宿に戻って就寝。お疲れ様でした。

サイ。至近距離で大迫力の食事シーンを見ることができた。
タスマニアデビル。フォルムと顔のケモノ感のギャップがかわいい。

Day 2 The シンガポールを満喫

2日ぶりのベッドで快眠した翌朝。体の軽さが違う。やはり布団は大事だ。部屋も適温で、寒さで行動意欲が削がれることもない。真剣に移住を検討したい。
意気揚々と朝食探しへ。近所のショッピングモールに国民的朝食(?)のカヤトーストのお店・ヤクンがあったので迷わず向かった。

カヤはトーストの横のジャムを指す。横の卵を溶き、トーストを浸して食べるのが現地流だとか。

その後はシンガポールと聞くと99%の人が思い浮かべることでおなじみのベイエリアへ。マーライオンががっかり系観光スポットといわれるが、それよりも周囲のビル群とMBS(マリーナベイサンズ、毎日放送ではない)のすごさが際立つのが主たる理由なのだろうと実物を見て感じた。ヘッダー画像を見てもらえればわかっていただけると思う。

Marina Bay Sands
マーライオンと背後の高層ビル群。蒸し暑くてのどが渇くので給水させてもらった。

続いて、MBS併設のショッピングモールを散策。ハイブランドの店舗が数多く入っていてマネーの力を大きく感じた。

モール内の渡し船か。橋の感じに引っ張られているかもしれないが、「きれいな道頓堀」という感想を抱いた。わかる人に伝わってほしい。

この中にある、非日常を味わうことのできる最たるスポットがカジノである。自国民の入場には税金を課すことで依存を減らそうとしているらしい。軍資金が少なかったので、おなじみのルーレットやカードゲームには挑戦できず、スロットをちまちま回していた。

これがなぜか大当たりして70ドルほどのもうけを得てしまったので、「これはハマるとヤバい」との感覚を抱き、すぐにその場を後にした。体験後の感想ではあるが、ギャンブルは怖いし移住に際して障壁となることはないだろう。

移動前に軽食。Shake ShackのSG限定メニュー、Pandan Shakeはココナッツ味でした。

午後はガーデンズバイザベイへ。空調の利いた植物園で、避暑にありがたい場所である(入場料はそれなりにするが)。遠足で小学生と思しき集団がいたが、9割は中国系の顔立ちをしていた。深く言及することは避けるが、これもお国柄なのだろうと思った。

中国文化の影響で、龍のオブジェがたくさんあった。今年はドラゴンズが優勝ですね。
赤い龍。滝を上りきった鯉が変化を遂げた姿という説もあるのでカープが優勝するかもしれない。
ビル5階相当の高さの滝。チャンギ空港のジュエルといい水の使い方がダイナミックな国である。
これでいて温度管理のためにいろいろと計算されているらしい。テクノロジーの力はすごい。

試合やイベントの準備が一段落したところで、ご当地グルメの探索に向かう。まずは肉骨茶(Bak kut teh/バクテー)。マレーシアを含めたマレー半島エリアのソウルフードである。出自は労働階級の食事らしいが、彼らの支持を得ることはすなわち人口の大半から支持を得ることになるので名物となるのも納得である。

シンガポールのバクテーは胡椒を利かせるらしい。ミースアという鶏だしベースの細麺と合わせていただいた。

小腹を満たした後は鶏飯(チキンライス)を食らう。中国南部の海南島から移住してきた華僑たちが広めた料理で、タイ語ではカオマンガイというらしい。日本にもタイ料理屋が増えたおかげで違和感なく食べることができた。味は日本で食べるものとそんなに変わらないかも?

2日目にしてご当地ビール・タイガーとご対面。本当お世話になりました。やっぱり今年はタイガースがゆ(もういい)
よく見る鶏飯のセット。付け合わせに青梗菜がよく出てきた気がする。
日本のテレビ番組も来ていたらしい。上は旅猿、下は、、?
宿に帰ってビールをおかわり。クリスタルというだけあって先のものよりもキリっとしていた気がする。

翌日は5試合もするので朝が早い。さっさと寝た。

Day 3 いざ、大会へ(予選)

いよいよ大会初日。開会式等はなく(厳密には昨夜行われていたが代表者のみの参加でよかった)、朝8時から試合が始まる。時差が1時間あるとはいえ、7時になっても日が昇ってこなかったのにこのスケジュールは正気かとさえ思ったが、始まってしまえば午後まであっという間であった。日本じゃないから日が出ていなくてもずっと暑いし。

会場はクリケットクラブ。国立博物館の向かいにあり、ベイエリアも徒歩圏内という好立地。
高層ビルに囲まれながらスポーツをする環境って日本でもなかなかないような。都市と自然の共生にはこういう形もありかもしれない。

スリランカ、オーストラリア、オランダ等世界各国から参戦したチームと対戦し、グループ内3位の成績を収めた。暑熱順化のおかげかな。(水道水が飲めるのも大きかったかもしれない;WHO基準を満たしているうえにフッ素化合物を加えることで虫歯予防にもなるらしい。)

夜には大会の参加者が集まる仮装パーティーが開かれる(別で参加していた日本チームの方に聞くと毎年恒例のことらしい)。今年のテーマは"Fast & Furious"だったらしい。これがワイルドスピードの原題であったことも知らなければ、実際にワイスピシリーズに触れたこともなかった我々が的外れな準備をしていたことは、前日午後には知る由もなかったのである。

ワイスピ→カーレース→マリオカートの着想をしている人が多かった。

国際交流もそぞろにパーティーを抜け出し、再びMBエリアへ。名物の噴水ショーを見て、再びカジノへ。前日の勝ち分をしっかり吐き出して宿へ帰った。

噴水ショー。ちょうど来ていたTaylor Swiftの曲に乗せて水が出る。にしても人が多すぎた。

Day 4 決勝トーナメント、そして

大会最終日。前日の善戦のおかげか、試合開始は12時と余裕があったので初日に訪れた屋台で朝食をとることにした。屋台といえど物価の高さはそれなりで、安いものを探し回ってしまった。

結果としておかゆになったが、この気候でこれ食べる人いないのでは?というほどにアツアツであった。これでも3.5ドル(約360円)。日本の牛丼チェーンのありがたさがしみた。
食後のコーヒー。ブラックに見えて砂糖がデフォで入っている。暑いと体力奪われるしね。

試合では1勝したものの、次の試合で負けてトーナメントベスト4で大会を終えることになった。先輩たちはこの日に帰る予定だったので、空港へ向かう車をお見送りし、その後はいよいよ初の海外一人旅の始まりである。

地下鉄の路線図。環状線が計画されていたり、新線ができたりとまだまだ発展途上の様子が見える。

宿の場所柄、中国系の文化に触れることが多かったが、シンガポールには他国の文化も根付いている。上記の地下鉄に乗りリトルインディアへ向かった。

リトルインディアの中心(?)・インディアンヘリテージセンターにて。
駅に降りたった瞬間から人々の様子が変わり、インドの街にいるような気分になった。インド行ったことないけど。
センター内の展示。近代になって商人に雇われた労働者が流入したらしいが、それ以前から人々の交流があったと思われる。
ヒンドゥー教の神である牛。
リトルインディア以外にもインド系居住区があるそう。
高層マンションと伝統的家屋が並ぶ。人口増加への対応が大変そうだ。

見学を終えて次はインドからアラブへ。バスで数分の距離なので、雨季でなければ歩いてもいいかもしれない。いや暑いか。

スルタンモスク。ムスリムでないと中には入れないので外観を見るだけであったが、周囲には屋台が多く出ていて活気があった。
怪しい日本語を見ると気になってしまう。オーナーは長州力で、一口食べたら飛ぶことができるかもしれない。
このエリアでだけなぜか日本の影響を受けたネーミングが目に付いた。ここには美人な管理人さんがいるかもしれない。
屋台でインドネシア料理のIndo Mii(焼きそば)を食す。
夜は繁華街のクラーク・キーへ。跳ね上げ式のバンジージャンプがあり、アトラクションとしても注目度が高そう。

Day 5 初の海外一人旅

ついにこの旅も最終日。後悔なく行きたいところを行きつくすため、朝からフルスロットルである。

朝食は2回目のカヤトースト。フラミンゴが吊り下げられているのを見ながら食事するのは気分がいいものではない。曜日関係なく空いている様子だった。
バスに乗りチャイナタウンへ。

このエリアにあるのがシンガポール・シティ・ギャラリー。建築物にスポットライトを当て、シンガポールの発展の歴史を振り返ることができる。

全島の様子。プロジェクションマッピングによる説明があるらしいが、この日は調整中だった。
この図を見ると、綿密な計画のもとに開発された国であることを認識できる。今後迎える人口増加と用地活用の均衡点でどのような対応をとるのか注目したい。

ひとしきり見学を終え、少し早いが2食目。チャイナタウンの屋台街にあったナシレマを食す。ココナッツライスと揚げた魚、ナッツを合わせるらしい。マレーシアの料理だが、暑くても揚げ物を食べる国民性に驚く暇もなく完食してしまった。食べて体力をつけないと暑さには勝てまい。

冷房を効かせた部屋でそうめんをすすっている場合ではない。
食後にはドリアンのジェラートを。油分が濃厚だからか炒め物を食べている感覚になった。

次はプラナカン(貿易で来た男性と現地女性の間に生まれた子孫たち、という意味)の文化が色濃く残るカトンへ。これもまたバスで向かう。

2階建てバスの2階最前列からの眺め。

カトンにはショッピングモールもあるが、ベイエリアにあるものほど観光客向けの様子ではなかった。平日なのか人もまばらで、観光はしやすかった。

カトンにあるマレーシアの仏教寺院。チャイナタウンで見た寺院とのテイストの違いが興味深い。
中田ヤスタカがプロデュースしていそうな居酒屋。
チャイナタウンにもあったコロニアル様式の建築だが、色遣いのバリエーションが異なる。
このカラフルな並びがプラナカン文化の特徴。
メインストリートに面する建物はこういったカラーリングが多かった。

建築視察を終えて再び中心地へ。アジア文明博物館を見学。当日券は高いので前日までに前売り券を買っておくのがおすすめ(1000円くらい変わる)。

博物館外観。
付近で見つかった唐代の沈没船から発見された器の数々。青磁・白磁は見慣れていたが、緑色の陶器は珍しく目を引かれた。
貿易拠点として西洋と東洋の文化がまじりあい、また新たなテイストを生み出している。

これにて観光も終了である。最後は荷物が多かったのでGrabで直接空港へ。出国手続きを済ませ、免税エリアでTWGの紅茶とバシャコーヒーを購入。バシャコーヒーは買うつもりはなかったが、ドリップバッグのテスターで香りを嗅いだらコロッと落ちてしまった。今度は本場のマラケシュにも行ってみたい。

出国前最後の食事はマレーシアのまぜそばみたいなやつ。じゃじゃ麵みたいなたれがかかっていた。
遅延なく成田へ帰還。往復ともにスクートにお世話になりました。

旅を終えて

コロナ禍が落ち着いて以降初めての海外旅行であったが、シンガポールに行ってよかったと思う。前回がヨーロッパで治安面での不安と隣り合わせでの旅だったので、そのリスクを気にすることなく観光できたのはよかった。国内旅行に興味を振りがちなここ数年であったが、行先を選べば海外旅行も悪くないと思える旅であった。
また気候面でも、スコールこそあったが年中過ごしやすい気温で、完全にとはいかないまでも移住するのはありだと思ったし、花粉と寒さの共存する3月に行くと本当に移住したいと思った(物価や仕事の問題はあるが)。
食に関しては日本国内でもたくさんお店が出ていて特に目新しさはなかったが、屋台などローカルな場所へ行ってみたり、ご当地のお酒を飲むことはよい体験になった。
次はどこへ行こうか、もう構想をいくつも練っている。とりあえず英語に慣れることは継続して行っていきたい。


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