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東京が誇る日本随一の秘境・青ヶ島へ(その4)【旅行記#16-4】

みなさんこんにちは。たんぼです。連日更新中の青ヶ島編もいよいよ最終日に突入。八丈島→羽田の飛行機最終便に乗るべく、船で八丈島への上陸を目指します。これまでの足跡は下からどうぞ。

4日目 幸か不幸か帰れそう・・・やり残したことはないか?

時間の流れがゆっくりと感じられるこの生活。これが日常であればいいのに、と思いながら最後の朝食をいただく。物音がしたので外を見るといきなり雨が降り出してきた。日は出ており、いわゆる「きつねの嫁入り」である。数十分は降っただろうか。晴れの予報ではあったが、今日は大ハズレの日なのかもしれない。そんなことを思ったが、やむと日が照ってきた。今日は蒸し暑くなるだろう。

今日は洋風でした

ちなみに、港やヘリポートの様子はテレビで24時間見ることができる。これと東邦航空(ヘリコプター)、および八丈マリンサービス(くろしお丸)の情報更新(SNS)をもとに運航可否を知ることになる。船の運航可否は8時にわかるのだが、その内容は「条件付き運航」。

飛行機にもたびたび乗る人間としては少し不安感を覚えるこの言葉。しかし常連の方曰く、「条件付きってのは100%を保証しないだけで、だいたいは運航するよ」とのこと。港のライブカメラを見ていても、前日ほどの凪ではないが船は問題なく着けそうな具合であった。ということは、この島にいられるのも残り数時間である。予約していた飛行機をキャンセルしなくていい安心感と、島を離れることへの名残惜しさが交錯する。

そういえば、一つ大事なことをやり残していた。地熱釜での調理体験である。昨日の昼食でやればよかった(事前申告が必要だった)のだが、ここが最後のチャンスと思い、追加料金を払ってお弁当の具材をいただいた。チェックアウトとレンタカーの清算を済ませ、集落を後にする(レンタカーは追加料金を払えば港に乗り捨てることができる)。

朝に雨が降ったとは思えないよい天気。
この風景も見納めと思うと、所かまわず立ち止まって写真を撮ってしまう。

途中止まりつつも車を走らせ、初日に続いてサウナへ。横に釜があり、ここで食材を蒸す。待ち時間は40分ほど。

釜の外観。合計10基ほどある。
中にかごがあり、ここに具材を入れる。下のレバーを回すと蒸気が出てくる。
猫も地熱のぬくもりを享受している。
外観はこんな感じ(奥がサウナ)。手前の東屋にも釜がある。

この時間に何かすることもなく、車の中で待っていたが、雨上がりの日照りと地熱でとにかく蒸し暑かった。山道は朝の雨でぬかるんでいるだろうから散策もできないし、集落に戻る用事もない。

蒸気が出る山肌。こんな周囲環境で待つのはサウナ並みの苦痛だ。

自然の音に耳を澄ませるのにも飽きてきたので、カーラジオのスイッチを入れてみた。FMは入らなかったが、AMは聞こえた。感度としてはNHK>文化放送>TBS>その他といったところか。

ここも東京なんだな、と感じる瞬間。

ラジオを聴きながら周囲の風景を眺め、時間が過ぎるのを待つ。暑いことを除けば非常にゆったりとした時間の流れである。蒸しあがった食材を取り出し(やけどにはご注意を!)、いざ実食。

じゃがいも・さつまいも・ゆで卵・ソーセージとくさや。
くさやは汁気が多かったので隔離している。

さつまいもは内地でも自分で調理することがあったが、この短時間でホクホクの出来になっていることに感動した。やはりひんぎゃパワーはすごい。塩をつけて食べる卵も含め、どの食材も絶品だった。しかし、ご覧のとおりなかなかのボリュームであり、かつ船の時間が迫っていたため、さつまいも半分は船で食べることにした。もう少し遅ければ完食できたかな。

港へ移動し、乗船受付を待つ。海を見てまったりと過ごすのもなかなかできないので、この時間で堪能しておいた。受付を済ませ、くろしお丸の到着を待つ。

少しうねりが見られたが、運航には問題なさそう。
無事くろしお丸が入港。
タラップが取り付けられ、いよいよ乗船。乗客は20人もいないが、このサイズの船が就航していることに驚く。
座席は椅子席と座敷タイプがある。排気のにおいにやられてしまって大部分の時間を座敷席で寝て過ごしていた。
船からの眺め。荷役が終わるのを待って出航する。島の方は荷物の受け取り対応で忙しく、お見送りの余裕もなさそうだった。お疲れ様です。

いよいよ島とお別れである。島の西側を回って北へ進み、八丈島を目指す。切り立った斜面(というより崖)を眺めていると、この環境で生き延びてきた先人たちの思いの強さとたくましさがあって今があることを感じさせられた。都市にいると忘れがちな「自然との共生」の1つの形を示してくれていた気がする。

時間が経つにつれて島の影も小さくなっていくはずが、自分の視界のなかでは大きいままあるように見えていた。それだけ存在感が大きい島だったのかもしれない。

横になっている間に八丈島・底土港に到着。普段は雲をかぶっている八丈富士がきれいに見えた。

船は時間次第では飛行機への乗り継ぎができないこともあるらしいが、この日は定刻どおりの運航で、時間には余裕を持って移動できた。本当に天気が良くてよかった。飛行機のほうも、羽田空港の混雑で到着が遅れたが無事に帰宅することができた。

空港への移動は初日に使った自動運転バスで。デマンドタクシーを使い損ねてしまったので、また調査に来ようかな。

おわりに

伊豆諸島の雰囲気に初めて触れたのが約1年前、各地に根付く焼酎文化も相まってすっかり虜になってしまった。青ヶ島も存在を知ってからまだ日は浅いが、知れば知るほど行ってみたいという思いが強くなる場所だっただけに、このタイミングで行くことができてよかったと思う。

ただでさえ少ない人口がさらに減っていくという問題はあるが、こういった地域を見捨てることなく持続的な発展をさせていく必要があると、旅を始めてから強く思うようになった。(地方がなくなったらみんな旅行いくとこなくなるよ?)

関係人口という考え方が導入されたり、そこにいてもいなくても地域に貢献できるこの時代に、自分はどのポジションを取るか。一人でできることは限られているからこそ、夢の実現に向けて歩み続けなければならない。その思いが強くなった。

青酎づくり、弟子入りしようかな。。その前に焼酎関係の資格を取るところから始めようか。行動しないと何も変わらないから。

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