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こんなやつもいるから大丈夫です、知らんけど

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日常の疑問や問題意識、抽象的な問いをあーでもない、こーでもないといいながら、簡潔で読みやすいエッセイにまとめます。 どうぞ、肩の力を抜いてお読みください。 きっと何か発見があり…
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2021年7月の記事一覧

旅に余白を~クロアチアの元民兵と私の大学院進学〜《Part1》

「晴れのドブロブニクを見ずに帰るなんてもったいない」 ボスニア・ヘルツェゴビナのモスタルという街で私にそう言ってくれた人がいた。 20歳も終わろうとしていた冬の日にゲストハウスで居合わせた彼はどこの国の人だったのだろう。 20歳の私は留学先のトルコから南欧へ旅に出ていた。 ボスニア・ヘルツェゴビナまでは片道5000円の飛行機で、そこからはトルコへはひたすら陸路をバスで帰る。  とはいっても、なんとなく25日以内でトルコに戻れればいいという予定しか立てておらず、どの街に行く

ぼくの才能は大谷翔平と羽生結弦にお譲りしたということにしている

こんな私でも同級生の活躍はどこか悔しかったりもするもので。 ーーー 人生は冷酷だ。才を持つものと持たざるものがいる。 なにかスポーツをやっていても、地区大会で敗退してきた私がいる。他方で、海の向こうでピッチャーをしながら、ホームランまでバンバン打っちゃう奴もいる。 人生は惨たらしい。 住む世界が違うのだろうか。 私がピザ屋で配達のアルバイトを始めたころ、氷上で舞い、オリンピックで優勝してしまう奴がいた。そしてまた彼が2枚目のオリンピックの金メダルを手にしたとき、私は

年俸血液500ml(出来高あり)

今年も奴らが現れた。 「蚊」である。 畑の周りは特に蚊が多い。というのも、畑の隣がほぼ林だからである。林といっても、元は誰かの畑だったのだが、耕作放棄されて早何十年。気がつければそこには大木が生えている。  林になると地面は平らではなくなるし、湿り気も大きくなる。つまり、蚊の住処として格好の場となるのだ。というわけで、蚊に申し出たい。 私と年間契約しませんか? 年間契約 報酬 血液500ml 支払い 一括(ビーカーにて) ※あまり耳元に出現しなかった場合は出来高にて