旅に余白を~クロアチアの元民兵と私の大学院進学〜《Part1》
「晴れのドブロブニクを見ずに帰るなんてもったいない」
ボスニア・ヘルツェゴビナのモスタルという街で私にそう言ってくれた人がいた。 20歳も終わろうとしていた冬の日にゲストハウスで居合わせた彼はどこの国の人だったのだろう。
20歳の私は留学先のトルコから南欧へ旅に出ていた。 ボスニア・ヘルツェゴビナまでは片道5000円の飛行機で、そこからはトルコへはひたすら陸路をバスで帰る。
とはいっても、なんとなく25日以内でトルコに戻れればいいという予定しか立てておらず、どの街に行く