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こんなやつもいるから大丈夫です、知らんけど

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日常の疑問や問題意識、抽象的な問いをあーでもない、こーでもないといいながら、簡潔で読みやすいエッセイにまとめます。 どうぞ、肩の力を抜いてお読みください。 きっと何か発見があり… もっと読む
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2021年3月の記事一覧

おしゃれも春も足元から

春の陽気に誘われてなんて表現は、きっと今日のためにあるのだろう。 *** 春が来る。 後ろ向きでダラダラとした私にでも春は来る。今日も島のどこかで誰かが植えた菜の花が咲いている。 このまま食べると春らしいほろ苦さ 寒かろが暑かろうが私の島暮らしでは、2週に一度、香川県の本土側へ行くことが常である。といっても、日用品や食料を買う程度なのだが。そのせいか寒い時期も「どうせ上から羽織を着るし」「誰に会うわけでもないし」という理由で、季節外れのポロシャツを着て冬をやり過ごした。

中二病を患う二十歳の私がマケドニアでエヴァンゲリオンを一気見した話

そもそも旅行の経験を誰かに知らせたい、延いては自慢したいなんていうのは、どこか中二病的でもある。 マケドニアで一旦停止二十歳のある日、私はマケドニアにいた。 トルコに交換留学で滞在していた私は大学の長期休暇を利用して、旧ユーゴ圏の国々へ20日間の旅に出たのである。 片道5000円の飛行機でボスニア・ヘルツェゴビナへ向かい、そこからひたすらバスの旅。クロアチア、モンテネグロ、アルバニア、コソボ、マケドニア、ブルガリアをめぐってトルコに陸路で帰ってくる。そんな気長な旅だった。

バナナ専用ケースのおかげで多様性と普遍性の違いが見えてきた

今、多様性が大きく叫ばれるのは、きっと普遍性に対する違和感が広がっているからなのだろう。 バナナ専用ケースに思う私はついに見つけてしまったかもしれない。ユニバーサルデザインとやらを。 どうやらこのケースには、ほとんどのバナナを収納できるらしい。 昔、社会の教科書に車いすスロープがユニバーサルデザインの模範例として載っていたが、何が何だかよくわからなかった。そもそもユニバ-サルという言葉の意味合いすら理解できてなかった。しかしこのケースをみれば、私はユニバーサルを理解でき

卒業という言葉からの卒業

アメリカの大学では卒業式のことをcommencementと言います 大学3年生の私には、恩師の言っていることがあまり理解できなかった。 * 早3月中盤。今年も世間では色々な場面で「卒業」が巻き起こっているのだろう。学校、会社という組織からの卒業はもちろん、これまでの自分から卒業してみたり、都会や田舎を卒業する人もいるはずだ。 また卒業の場面で涙を流す人は多くいる。私自身もそうだった。それはきっと卒業が何かの終わりを意味しているからだ。 だからこそ、卒業式がcommen

2月生まれの私は、どうも2月と相性が悪い

毎年痛感しているが、やはり冬が苦手だ。 外が暗いとやる気がなくなるし、寒くて布団から出られない日も多い。正確な統計は取れないが、たぶんこうして記事を続けていくと、きっと冬場に書いた記事は根のネガティブが膨れ上がった後ろ向きな記事が多くなっていく気がしている。 中でも最も相性が悪いのは2月。そんな私は皮肉なことに2月生まれである。 直近5年の2月を振り返ってみると 22歳 大学院入学前に読みたかった本をほとんど読めずに終わった2月 23歳 研究と就活のストレスから蕁麻疹

マクドナルドで「いつもの」を用意してもらえるようになった話

あなたにのお気に入りのドリンクなんですか?あっ、自宅で飲むものは除いてくださいね。自販機の缶ジュース?それともナントカフラペチーノ? さて、わたしのお気に入りは、マクドナルドのコーヒー。しかもMサイズ。 最もマクドナルドに通っていたのは大学院の入試前。同級生が就職先を決め、遊び始めた7月頃。この時期はほぼ毎日夜10時になるとマクドナルドで試験勉強をしていました。休日にはマクドナルドをハシゴしたりもしてました。根を詰めすぎて、ただ座っているだけという日もありました。 こん

色んな意味でほろ苦い「菜の花パスタ」ができるまで

今回は結果から。おかげさまで美味ししくできました。梅干しとバターがこんなに合うとは露知らず。菜の花のほのかな苦みには春を感じずにはいられません。レシピは中嶋るかくさんのnoteからぜひ。 さて、今回はパスタを作るまでの話です。 ーーー 今年は秋ごろからカブを長らく栽培してきました。とはいえ、あまり思うようには売れず、殊赤カブにおいてはほとんどが売れ残り、以下のように。 2月も終盤に入って気温が上がり始めると、あっという間にお花畑になってしまいました。遠目で眺めてい

やりたくないことをやらないを目指して

やりたいことを無理に探すよりも、やりたくないことをやらない方が私にとっては気楽なのだ。 やりたいことをやるとは言うけれど「やりたいことをやってるだけ」 雑誌やメディアに出る起業家たちは口をそろえてこう言う。また流行り言葉の「意識の高い」の努力家たちも同じようなことを口にする。 私は昔からこのような表現が得意ではない。なぜなら、やりたいことを探すのがとても苦手だからだ。 人生は足し算?やりたいことをやる人たちの人生はきっと足し算なのだと思う。 あれができた!これができた

レベル100の勇者でさえカギを見つけられない世の中で

真の勇者になれるというのは、案外運だったりもするのだろうか。 叶ったらラッキーはっきりは分からないが、たぶん夢はあった方がいいらしい。でなければ、「夢の叶え方」的な本やコラムは存在しないはずだ。とはいえ、私自身、小さなときから大人と呼ばれる人間たちの「現実はそんなに甘くない」「夢は夢でしかない」という言葉を耳にしながら生きてきた。 歳を重ねるにつれて、私自身も「毎日は頑張れねぇよな」と思うことが多くなってきた。そんなことを考えていると私にとって夢とやらは、叶えるものではな

美文字を同級生から盗んだ話

「字を教えて」なんて素直にお願いできるほど思春期の私は成熟していなかった。 お手紙を出すと販売している野菜を発送するときには、小さなお手紙や一言メッセージを添えるようにしている。手前味噌な話だが、ありがたいことにお客様から ​「字が綺麗ですね」 とお褒めの言葉をいただくこともある。これはメッセージを書くモチベーションにもなるし、シンプルにとても嬉しいものだ。 ただ、私はもともと書道も習っておらず、字がもはや汚い質だった。 晒し上げられたノート「何書いとるかわからんが

風の音がする日に

「風の音がするだけ今日は騒がしいですよ」 先日、ある雑誌記者の一言に私はこのように返した。 彼は「この島はほんと静かですね」と私に言ったのである。たしかに瀬戸内海に浮かぶこの島は人通りも少なく、穏やかな気候のおかげで大抵いつも静かだ。ただこの日は珍しく風の強い一日だったのである。だからこそ、私は今日は騒がしいなと思った。 もしかすると、人々が「騒がしい」と口にするとき、その言葉に自然の音は含まれていないのかもしれない。話し声やエンジン音、どこからともなく流れてくるデジタ

実はフォロー数を減らしてました

不躾ながら最近フォローさせていただいてる人を、減らしてました。 noteを始めた頃は、フォローしてくれたらフォローし返すなんてことをやっていましたが、それをすればするほどタイムラインが渋滞してしまうことに気づいた秋の終わり。 となると、いつも私の記事を読んでくださる方のnoteやどうしても読みたいクリエイターさんのnoteを見落としてしまうわけです。 そんなときに、 「毎日更新を始めた時、フォロワーさんが増えるたびに、記事がゆっくり読めなくなるといった葛藤がありました

フトボルおじさんと私の2002年

トルコのカフェで聞こえてきたのは「フトボル!ジャポンヤ!」という知らないおじさんの声だった。 futbol (フトボル):サッカー・フットボール Japonya (ジャポンヤ): 日本 Türkiye(トゥルキエ):トルコ語 サッカー大国・トルコ皆さんはトルコという国がサッカー大国であることをご存知だろうか。当の私はというと、2015年、交換留学生としてトルコの地に降り立つまで、そんなこと全く知らなかった。 ただ確かにトルコ人たちは常日頃からサッカー談議に明け暮れていた